ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「……ふぅ…ようやく、終わった」
今日は、忙しかった…とにかく、忙しくて、どんなに仕事をしても、終わりが見えなくて…
(…美食研究会の爆破を未然に防いだは良いけど、逃走した部員との掃討戦中、温泉開発部の開発現場に出会して…)
結果としては、全員を捕縛、それで解決かと思いきや今度は温泉開発部が万魔殿の所有地を開発していた為、損害状況の報告書の作成…
他の委員達は自分の分の書類仕事まで終わって帰ったけど、私はその全ての確認と判の捺印までが仕事…
(……もう手が痛い…今日はよくやった、と思うけど)
机の上に上半身を投げ出す
「…動く気がしないわね…」
空腹、疲労、眠気、今日はもう限界だ…一歩も動きたくない…
「帰って寝たい…けど…」
お腹がきゅるきゅると空腹を主張する…
「…何か、食べる物…でも、もう…面倒…」
ガチャリ、部室の扉が開く
「委員長!やっぱりまだ帰ってなかったんだ、お疲れ!」
「イオリ…今終わったところよ、これから帰るわ」
「じゃあタイミング悪かったかな…」
ふわっと香る、このジャンキーな濃い脂の香り…そしてスモーキーな…パンのような…
「…ハンバーガー?」
「まあ、私たちだけ先に帰ったら悪いし、差し入れに…」
「…ありがとう、折角だし、頂くわ」
油にやや濡れた包装紙に包まれたハンバーガー、少し萎びたポテト、そして何よりこの、真っ黒な炭酸…コーラ…
「…いただきます…はむ」
まず、ポテトを一口…二口、もう一口、塩気の効いたポテトが口の中の水分を吸い尽くしたところにコーラを飲む
「……ふぅ…」
甘ったるく、なのに爽やかで、カラメルの香ばしさが心地良い…
ハンバーガーの包みを開ける、包装紙にベッタリと溶けたチーズが張り付いている
「こんなにチーズまみれだと食べにくい…」
イオリのクレームをよそに、大きく一口
「あむ……うん…ふふ…」
肉とチーズの脂をたっぷり吸ったバンズ、よく焼かれたジューシーなパティに濃い味のチェダーチーズとケチャップ
胸焼けする程濃い味をオニオンとピクルスが少しマシにしてくれる
「はぐ…ごくっ…もぐ…」
(…そんなにお腹減ってたのかな…)
半分も食べたところで、少しくどさが勝ってきたが、残りもゆっくりと楽しんで食べた
「…美味しかった、ありがとう、ごちそうさま」
「ううん、こっちこそ、ありがとう委員長、今日も私達じゃできない分の報告書とか…皆んな感謝してると思う」
「…気にしなくて良いわ、それが私の仕事だから」
「じゃあ、帰ろうか」
「そうね」
ガチャリ
「……あー…」
「…アコちゃんに、チナツに…」
「…こんな時間に何してるの、あなた達…」
「「「さ、差し入れに……」」」
翌日、食べきれなかった差し入れをみんなで食べた