転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた 作:大きいホクロ
転生
「アタックだ。」
「ぐあああああああああ」
やたらと大仰な声で叫び目の前の男は倒れる。
今の攻撃で俺の勝ちが決まった。
「やったぜ!ゼンが勝ったぜ!」
「さっすがゼンくん!」
「これが噂の下級生かよ」
「強すぎだろ…」
「んじゃ俺が勝ったし、皆のカード返して」
「ッチ……ほらよ…」
そう言いながら上級生が大人しく5枚のカードを差し出す。
この世界はアンティルール(カードを賭けるルール)が横行している。
こいつは実力がそれなりにあったのと持ち前のカードフィジカル(カードで戦う為の強い肉体)で無理にアンティルールを仕掛けていた。
それで俺のクラスメイトの連中もカードを奪われ、取り返してくれと俺に頼んできたのだ。
「ん、ありがとう。またやろうぜ」
「っち、またなんてやるかよ」
「ほら、お前らのだろ」
「ああ、サンキューゼン!また頼むよ」
「助かったよゼンくん」
『ファイティングライフ』というカードゲームが普及したこの世界に、
この世界の治安が不安だと思いながら俺は日々を過ごしていた。
始まりはなんだったかな。
確か高校生だった俺は遊⚪︎王かデュ⚪︎マを友人達と遊んだ帰りに、歩いていた歩道にトラックが突っ込んできて敢えなく絶命。
その後気がついたらこの世界で赤子になっていた。
意味が分からなくて怖かったのと、体に精神が引っ張られたのか俺は三日三晩泣き続け母を困らせたものだ。
違和感に気付いたのは5歳の頃。
テレビで大々的にカードの大会が報じられていた。
やたらとイケメンな2人が立体化したカードを操り、画面内で激しくぶつかり合っている様は前世で子供の頃見たカードアニメの様に心を揺さぶった。
そのカードゲームは『ファイティングライフ』というらしい。
そのテレビを食い入る様に眺めていると、背後にいた母は嬉しそうに俺に声をかけた。
「ゼンはね、あの人達より強いカード使いになるの。お母さんも応援するから、強くなろうね」
母のその言葉に俺は言いしれぬ恐怖を覚えたが、それ以上に元よりカードゲームが好きだった俺はこのカード主体の世界にワクワクした。
そうしてカードに触れ始めた俺は前世から色々なゲームを触ってたのと、母の英才教育により子供にしては強くなった。
しかしその結果俺は……
「ショップでファイトやろうぜー!」
「おう!行こうぜ!」
「ミミちゃん家でファイトしましょー!」
「行く行くー!」
放課後、クラスメイト達は思い思いに友達とファイトに興じている。
「………帰るか」
ぼっちになっていた。