転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた 作:大きいホクロ
ファイティングライフ 竜武乱閃 収録カード
『夜の忍』フレーバーテキスト
あれから季節は流れ、ついに受験が始まった。
筆記試験を終えた翌日、俺たちは受験者はFL学園が貸し切った競技場に集められた。
「悪道、逃げずに来たわね」
「まあな」
「必ず入学するわよ」
捻咲はいつに無く真剣だ。こいつはかなりこの受験に力を入れており、筆記試験の勉強もかなり真剣にやっていた。
「ゼン君、シラユリさんじゃないか。今日は頑張ろうね」
「うへぇー、やっぱいるっすか…」
「ライバルが多いわね…」
勝導と雅、後語尾にすって付けてるやつが人ごみの中からやって来た。
「勝導か。……シラユリ?」
「久しぶりですねユウキ君、今日は私と対戦にならない事を祈ってくださいね。コンディションは最高ですから」
「それは怖いね…けど僕のコンディションも今日は最高さ。当たったら良い戦いにしよう」
捻咲…お前そんな清楚そうな名前なのなよ…。
捻れた性格してるし捻咲は似合ってると思ってたけどシラユリは似合ってないのではないだろうか?
いや外見だけで言えばシラユリなのか?
と言うかそう言えばお前敬語使ってたな最初に会った時だけは…今聞くと違和感がすごい。
「ちょっと悪道なんか失礼な事考えてない?」
「気のせいだろ」
「まあ良いわ」
「それじゃお互い頑張ろう」
「ああ」
そのままの流れでその場を離れる事にした。
このまま一緒にいるのは少し居心地が悪い。
「ちょっと!待ちなさいよ悪道!それじゃ、私たちと当たらない事を祈ってなさい!」
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「それにしても意外だな。ゼン君とシラユリさんが仲良いなんて」
「結構噂されてるっすよ」
「えっ!?」
「ええ、不良2人がつるんでる、ってクラスの恋愛好きな子達がよく話してるわ」
「そ、そうだったんだ…」
「ところでリンは?」
「もう少しで着くみたいなんだけど…」
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開会式が始まり、モニターに大画面で開会式が映される。
『それでは生徒会長の挨拶です』
その言葉と共に1人の優等生そうな女生徒が映し出される。
『皆さん始めまして。生徒会長の皇道ススムです。』
男性的な名前の彼女を見た時、画面越しなのにかなりのプレッシャーを感じた気がした。この生徒会長には今画面に映っている笑顔からは想像できない何かがある、そう直感で感じ取れた。
『この学園の扉を叩いてくれた事、大変嬉しく思います。そしてその扉を開ける為、是非頑張ってください。一位の方は私達の生徒会に参加していただくことになりますので私も大変結果が楽しみです。強い方、将来有望な方の入学を心からお待ちしています』
「生徒会なんて面倒なだけだろ」
「特権が色々あるらしいわよ、だから私は狙うわ」
なんでたかが生徒会に権力を学園が与えるんだ、と思ったが何故か納得してしまった。
これもお約束だよな…。
生徒会長の挨拶が終わりついに試験の具体的な内容が発表されるらしく、この広い競技場にいる者達がモニターを注視する。
「それでは、試験を始めます。
第一試験です、3人1組のチームをこの場で組んで下さい。団体戦で強いメンバーを集めることも実力のうちです」
「なっ!?…団体戦…だと」
俺以外にも周りが騒ぎ出す。そんな話聞いてないぞ…。
周りは焦って声を掛けるもの、周りの人間にねっとりとした視線を向ける者、様々な姿があった。
「ふふふ…想定通りね…」
「まさかお前…」
「そうよ!アンタを引き込めば私とアンタで確定2勝!試験突破確実だったって訳よ!私って頭良いわね〜!」
「そういうことだったのかよ…」
執拗に俺に絡んで来ていた理由がついに分かった。
それにしてもうざいくらいテンションが高い。というか全勝するは自分を買い過ぎだろ…。
「ほらさっさと最後の1人探すわよ、雑魚でも私達が勝てば良いしハードルは低いわ!」
「いやそこは保険を用意して強い奴にするべきだろ…」
「まあそれもそうよね、けど妥協出来るって言うのはかなりのアドバンテージよ」
「まあ、それもそうか…けどどう強い奴を見つけるか…」
「チームメンバーをお探しですか?」
突然、くぐもった声と共に黒い棒が目の前に現れた。
いや…よく見ると黒装束だ。顔も隠されおり見えてる筈の目元も長い前髪に隠されている。
身長がこの年で比較的高い俺よりも高いし男だろうか?
分かりやすく言うとその男は忍者だ。
どのカードゲームにも大体いるあの忍者だ。
ナノマシンだったり守備表示だったりハンデスしたり顔面手裏剣だったりするアレだ。
「………誰だお前は」
正直関わりたくない。あまりにも胡散臭すぎて警戒を強める。
「私たちになんの用でしょう?チームメンバーの立候補ですか?」
普通の態度の捻咲に俺は驚愕した。どう考えても変だろこの姿は、と。
DFCだと言われたらDFCか…となると思うが、受験生と言われると自身の消えかけた常識がそれはあり得ないと強く警鐘を鳴らす。
「はい。お二人は恐らくお強い。…そして私も強い。強い者同士手を組みませんか?」
「悪道、アンタも感じてるでしょ」
捻咲が小声で向こうに聞こえないよう話しかけてくる。
なんだしっかり分かってるじゃないか捻咲、怪しさなら俺も最初から感じていたよ。
「ああ…感じるよ」
「そうよね……良いですよ!組みましょう!貴方お名前は?」
「……………」
捻咲が感じていたのはその全身黒ずくめ故の怪しさでは無かったようである。
確かになんとなく感じる、その忍者は確かな実力者なのだと。それでもその変な格好の人と組むのを俺に残った最後の常識は拒んでいたのだ。
「私は
「私は捻咲シラユリよ」
「……悪道ゼンだ」
「よし、チーム結成ね。行くわよ!目指すは生徒会メンバーよ!」
「おー!」
「………おー」
もうどうにでもなってくれ…。
俺は天を仰いだ。