転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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 むかしむかし、きずついたりゅうがこきょうにかえろうとさまようなか、あるむらにまよいこみました。
そのむらのひとたちはとてもいいひとたちで、りゅうはきずをてあてしてもらい、しばらくそこでやすむことになりました。
そのむらはえがおにあふれていてみんなりゅうにやさしくしてくれました。
それにかんしゃしたりゅうはだいすきなこきょうにかえるまえに、むらのしさいさまにおねがいしました。

「おれいをさせてください」

しさいさまはいいました。

「このむらをこれからまもってくれませんか?」

りゅうはそれをうけいれました。
しさいさまはそれをよろこんでかんしゃのしるしに、むらのひとたちとともにりゅうにちからをあたえるためのおまつりをおこないました。
そのおまつりのひからりゅうはむらのかみさまになりました。
そのりゅうはいまでも「とがみ」さまとしてそのむらをまもっています。
むらのひとたちはきょうもえがおです。

ファイティングライフ 第〇〇弾 神龍祭誕収録カード フレーバーテキストより抜粋


番外編 背景ストーリー01/あるゲストキャラの胸中

 私、捻咲シラユリは昔から強かった。

だから小学校でも名をあげていたからよく変な奴らにアンティールールで勝負を仕掛けられ、それを撃退していた。

そんな事してると着いてくるのは取り巻きだけ、金魚の糞しか居なかったが自分に対して下手に出る奴しか居ないのは気分が割と良かった。

そうしているうちに周りに持て囃されて調子に乗って少しやんちゃしていた時期、私はある男に負けた。

悪道ゼンという男にである。完敗だった。

私はその時感じた、こいつの強さは底が見えない、と。

その後にちょっとした小競り合いで戦い私を負かした勝導ユウキよりも。

だから私は考えた。こいつを仲間に引き入れよう、こいつなら私の足を引っ張らないだろうと。

私の昔からの夢、プロになるという夢の為に。

 

 

 FL学園の試験がチーム戦だと現役の生徒から入手していた私は彼を焚き付けようとした。

あいつの周りから邪魔な取り巻きが消えてイジメが始まったと聞いて勧誘時だと思い尋ねてみると、一年振りに会う彼は酷いものだった。

机は落書きまみれの情けない敗者だった。だから最初は期待していなかった。

そんな悪道に私は負けた。

ほんとおかしいくらい強い。なんなんだこいつは。

それから私は勝つ為に、そして自分の実力を磨く為に悪道に毎日の様に挑むようになった。

 

「また強くなったな」

 

「嫌味?いまだに勝てる気がしないんだけど」

 

 悪道は普段突っ張ってる癖に意外と普通の対戦では楽しそうにしている。

それこそカードゲームを覚えたての一年生みたいにだ。

しかし何故だろうか?勝つ時はあまり嬉しそうでは無い。アンティルールの時はノリノリで私をボコボコにしたと言うのに。

腹が立つが負けた私が悪い。だから次こそは勝ってやる、そうやって過ごす日々は楽しかった。

2人で対戦する日々は、私とこいつだけの世界だった。強い故に孤独だった私と彼だけの。

私をまっすぐ見据える対戦中の彼の瞳が好きになっていた。

そうやって悪道とは毎日の様に勝負して、毎日負けてるうちに試験の出願期間が迫って来た。

悪道はなんでか知らないけど出願した、私はそれが嬉しかった。

私の計画が実行に移せそう、よりも一緒の学園に行けると言うことが。

こいつと一緒になら合格は確実という自信もあった。

だからこそ私はより一層受験の準備をした。

足を引っ張るのは彼じゃない、私なんだと対戦を繰り返すうちにはっきりと分かっていた。

そして受験の日、私と悪道、偶然そこにいた忍者と共に夢見た通り私達は順調に勝ちを重ね合格はほぼ確実になった。

このまま全勝して入学前から悪道ゼンと私は強いのだと名を轟かせてやると。

なのに……私は負けた。よりによってあの女に…。

 

 

「捻咲」

 

「何よ」

 

最後の試合で負け、1位通過チーム同士のトーナメントを前に腐ってる私の所に悪道が何か言いに来た。

 

「いつまで腐ってる、そんなに権力が欲しかったか?」

 

こいつは何も分かってない。悔しいのは負けた事じゃない、こいつが私ではなく水瀬を見ていた事だ。負けた私を視界にも入れず、水瀬の方だけを向いていた事だ。

 

「別に」

 

「そのまま腐りきって負けるなよ」

 

「何?今日はやけに饒舌じゃない、そんなに水瀬に負けた私を煽りたいの?」

 

「別に負けた事を責めたい訳じゃない」

 

「じゃあ何よ、負けた私を慰めてでもくれるっていうの?」

 

「……………」

 

悪道は黙った。否定すると思ったから正直意外だった。

 

「捻咲、権力なら俺が手に入れる」

 

「なに?もうチャンスがない私への嫌味?」

 

「取りに来てみろ」

 

「……今日より難易度高くなってない?それ」

 

こいつに勝つなんて毎日やって負けてる私にとっては相当気が遠い話だ。

 

「お前ならいつか取れるさ」

 

嬉しい事言ってくれるじゃない。

こいつに認められているというのは悪い気分じゃない。

 

「だから今日は一旦俺に預けさせろ。確実にな」

 

絶対勝てって事?言われなくてもそのつもりよ、舐めるんじゃないわよ。

 

「………絶対下剋上してやるからね」

 

口車に乗って一回は生徒会という権力を預けてやろう。

さあ、トーナメント頑張りますか。

結局その日のトーナメントでも何戦か落とした。全勝してるアイツから権力奪い取るのはまだまだ先になりそうだ。

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