転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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※本編途中で送信してしまったので投稿し直しました


 王はその叡智をもって生物を超えた存在を望んだ

ファイティングライフ 竜武乱閃 収録カード 『叡智の王』フレーバーテキスト


暫定ラスボスに目をつけらる主人公

「ゼンはすごくカードが好きね〜」

 

 転生して幼くなった俺はカードゲーム中心の世界にワクワクしていた気がする。

だから無邪気にカードで遊んでいた。

最初は母さんはそれを笑顔で見守ってくれていた。

 

「母さん、優勝したよ」

 

「なんなのあの酷い詰め方」

 

「……」

 

「なんであんな中途半端な勝ち方になったの?」

 

「そ、それは」

 

「相手の手札次第では負けてたわよ反省しなさい」

 

「…はい」

 

 俺がファイティングライフを始めて一年ほどで、母は笑顔で俺を見る事はなくミスを細かく指摘する人になっていた。

前世がある俺はその指摘を理性的に理解していたが、幼い体に引っ張られた年相応の精神にはそれはとても苦痛だった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「〜って事があったわけよ、ユウキの奴マジでありえないでしょ!」

 

「まあ勝ったんだからいいだろ」

 

 雅と戦った翌日、捻咲が俺の個室にやってきて来客用の机とふかふかの椅子の上でぐだぐだ愚痴を飛ばしている。

その髪の毛は依然健在であり勝導の勝利を匂わせている。

 

「そう言う問題じゃ無いわよ…というかアンタの部屋の菓子うまいわね、さすが生徒会四天王様」

 

そう言う捻咲は俺の部屋に常備してあるお茶請けをさっきから大分食べている。

 

「たまに人が来るから茶請けを用意するよう頼んだからそれが来たんだよ」

 

「は?アンタの部屋に来客がある訳?一体どこの誰よ」

 

「宵闇だ」

 

アイツは基本暇だから呼び出してたまに対戦相手になって貰ってる。

毎回勝っているのでサンドバッグにしてるようで申し訳ない事もあり、菓子を用意するようにした。

 

「ああ、センヤね…というかセンヤ呼ぶなら私も呼びなさいよ!チームメイトでしょ!」

 

「違うクラスだし会う事もあんまり無いからな」

 

「だからこそよ!」

 

「うるさいぞ。…というかそろそろ用事あるから帰ってくれ」

 

「用事?珍しいわね」

 

「さっきから失礼だぞ…お前らの後始末だよ」

 

「私達の後始末?なによそれ」

 

「勝導が負かした二ノ宮先輩の処遇だよ」

 

 

 

 

 生徒会四天王は四天王以外に敗北したらその座を追われる。

決まりがあるわけでは無いが会長が基本的にそうしている。

そうなった場合は学年全体で選抜戦が行われ新たな四天王が決定する仕組みだ。

 

「さて、申し開きはありますか…二ノ宮君」

 

「…何も無い」

 

俺と三月先輩が見守る中、坊主頭になっていた二ノ宮先輩は会長の問いにその一言で簡潔に返した。

 

「そう…貴方を負かした相手は確か…勝導ユウキ君だったかしら?」

 

「そうだ」

 

「私はね二ノ宮君、貴方を結構評価してるのよ?ですから、彼の実力次第では私は貴方をここに残していいと思ってるの」

 

「必要ない」

 

「そう。じゃあここから去りなさい」

 

「その前に一つだけ良いか?」

 

「何かしら?」

 

「選抜戦の日取りは?」

 

「来週にしようかしら」

 

「では1週間後またここで」

 

「期待しておくわ」

 

「お世話になりました」

 

二ノ宮先輩は挨拶をしてこの部屋を去って行った。

坊主頭にするという要求を勝導はしていなかった気がするし恐らく自分で丸めたのだろう。

大分潔い男だ。

 

「さて、悪道君」

 

「なんでしょうか」

 

「勝導君はDクラスだったかしら」

 

「そうですね」

 

「なるほどね、ありがとう」

 

会長は何やら楽し気に微笑んだ。

まるで新しいおもちゃを見つけた子供のように。

 

 

 

 その次の日の朝、登校すると教室はやけに騒がしかった。

 

「ゼン様!勝導様が大変です!」

 

着いて早々宵闇がその言葉と共に教室の中央の電子黒板として使っているモニターを見るように促してきた。

 

「勝導と会長か…」

 

「会長がオリエンテーションだと言っていました」

 

「「レディ・ファイト」」

 

スピーカーから2人の声が響いた。

 

会長の3ターン目が始まる頃だ。勝導の場には『運命の竜』と『運命の竜騎士』の2体のモンスターがいる。ライフは一つも削れていない。

会長のライフは4で盤面には『験体管理の調査員』と『科学探求の調査員』がいる。

 

 

「私のターン、期待してたけど大した事ないですね」

 

「ずいぶん強気ですね」

 

「そうだね、このターンで終わるから。召喚『叡智の王』。その能力で自盤面のモンスターの数ドローする」

 

「一気に3枚も……」

 

「魔法『試験記録:生物実験』を発動。相手の盤面にいる種族と同じモンスターを破棄する事で2点のダメージ。私は手札からドラゴンの『被験体D』を破棄する」

 

「くっ……」6→4(勝導)

 

「更に『被験体D』の能力発動、捨てられた時に相手にこのカードと同じ種族のモンスターがいれば1点を与える」

 

「一気に3点も…」4→3(勝導)

 

「さらに、『科学探究の調査員』の能力、自身を破壊して試験記録魔法を回収。そして『験体管理の調査員』を破壊して被験体モンスターを回収」

 

「…この動きは…まさか!」

 

「そう、さっきと同じ組み合わせが揃ったね、さあ繰り返しだ。『試験記録:生物実験』で『被験体D』を捨てるよ。これでまた3点だ」

 

「これが、生徒会長の実力なのか……」3→0(勝導)

 

 

「二ノ宮君を倒したって聞いたんですけどまだまだ成長途中みたいですね。これからの3年での成長に期待しています」

 

「これを見てる生徒諸君へ、この勝導ユウキ君が二ノ宮君を倒したので2年生の新四天王選抜戦を行います。新しい生徒会メンバーを楽しみにしています」

 

 

 そこでモニターの中継は途切れた。

 

「これが生徒会長…ですか」

 

「勝導が手も足も出ない、か…」

 

勝導はかなり強い。その勝導が一方的に倒されたという事に俺は正直かなり驚いている。

副総帥からの忠告と今回の結果を考えると、会長対策は入念に練っておいた方がいいかもしれない…。




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