転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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騎士は誓う。必ず友を取り戻すと。

ファイティングライフ 上級デッキ ソウルメイツドラゴン 収録カード
『誓いの竜騎士』 フレーバーテキスト


本筋と合流する準備回

「三月君はどちらが勝つと思いますか?」

 

「そうですね…僕は二ノ宮君かなと」

 

「悪道君は?」

 

「…俺も二ノ宮先輩で」

 

今日は2年生の生徒会四天王選抜の最終試合の日だ。

俺は生徒会長と三月先輩と同席して観戦することになった。

アリーナの様な体育館の、バルコニーの様な個室から俺たちは壇上の対戦を眺める形になる。

 

「人望がありますね、二ノ宮君は」

 

「さて、始まりますよ会長、悪道君」

 

対戦席に立ったのは相変わらず丸刈りの二ノ宮先輩、相対するのは背の高い眼鏡のマッシュヘアーの男だ。 

 

「三月先輩、あの男が2年の現状2番手ですか?」

 

「うーん、どうだろう…彼の名は二階堂サグル、そこそこ優秀とは聞いていたが今日の大会までは格別名前を上げている訳ではなかったさ」

 

「…へえ」

 

「さて、二階堂君のお手並み拝見ですね」

 

「「レディーファイト!!」」

 

対戦席から声が響いた。

 

 

 

 

「ふふふ〜とどめ〜、『コピートークン』〜」

 

「……負けた、のか?俺は…」

 

「ふふふ〜、これでワテクシは四天王ですねぇ〜…二ノ宮さん、ご愁傷様でぇ〜す」

 

「…‥負けは、負けだ」

 

そう言いながら二ノ宮先輩は壇上から去って行った。

かなり悔しいだろう上であのウザい煽りにキレないのは大人の対応だ。生徒達丸刈りにしてたけど。

 

「おめでとうございます、二階堂君。ようこそ生徒会へ」

 

いつの間にか壇上に上がっていた生徒会長は二階堂先輩にそう歓迎の台詞を告げた。

 

「光栄です。これからよろしくお願いします会長」

 

二階堂先輩は気味が悪い笑顔を浮かべていた。

その笑みを見て会長もまた口角を上げている様な気がした。

 

 

 

 

「なのでこういった対面での基本的なセオリーは…………」

 

 教師の説明のみが教室に響く。

俺のクラスは比較的真面目な生徒が多いのか授業中はとても静かだ。

 宵闇との一件からそろそろ1週間ほど経つが、俺に声をかける者はついにいなくなっていた。

唯一の話し相手だった宵闇から声を掛けられることもなければ、俺から声を掛けることも無い。

 

「………あ、ゼン様…」

 

今日も授業が終わると俺は何も言わずに寮に足を向ける。

どうせやる事もない。

廊下を歩いているといつも以上に雰囲気が暗く感じたがきっと気のせいだろう。 

 

 

「おや?悪道君こんにちわぁ〜」

 

目の前には新たに生徒会四天王入りした二階堂先輩が居た。後ろには取り巻きと思しき人間が5名ほど控えている。

それにしてもこのねちっこそうな感じは会った頃の捻咲を思い出す。

 

「二階堂先輩…どうも……」

 

それだけ言って立ち去る。

 

「まあ待ちなよ、君も一緒に遊ばないかい?」

 

「予定があるんで」

 

「そう。なら良いやじゃあねぇ〜」

 

そう言いながら二階堂先輩は去って行った。

予定なんか無いが二階堂先輩からは何となく嫌な雰囲気を感じるから関わりたく無い。

そう思いながら寮への道をまた進み出した。

 

「あら?悪道じゃない」

 

今度は本物の捻咲が現れた。

 

「何の用だ?」

 

「別に用なんて無いわよ。ただ知った顔を見て声を掛けただけ」

 

「そうか。じゃあな」

 

「いや待ちなさいよ…これからユウキ達と練習するけど、アンタも来ない?」

 

勝導達との練習、参加するのはとても有意義だろう。しかし今はとてもそんな気分じゃ無い。

 

「断る」

 

「まあそう言わないの、たまには良いじゃない」

 

「行かないって言ってるだろ、鬱陶しい」

 

つい大声を出してしまった。

 

「そんなに拒絶しなくても良いじゃない…‥まあ良いわ、気が変わったら来なさい。あ、けど来るなら今みたいに雰囲気は悪くしないでよ」

 

そう言うと捻咲は去って行った。

八つ当たりのような物言いをして捻咲にすら気を遣わせたのが情け無く、自己険悪の感情すら湧いて来た。

その日はそのまま自室でデッキを弄って寝た。

その日“は”と言うより“も”が適切かもしれない。

 

 

 

「カード売るよ〜」

「ほらそこの一年君、このカードどうだい?」

「昨日入荷したカードだよ、どう?」

 

 数日経っても、相変わらず俺はぼっち生活を送っている。

ここ最近は学校がどうにも騒がしい、と言うのも数日前から2年生が一年の廊下でカードの売買をしている姿が散見される。

そしてそれを買う生徒も。

そして1年生は暗い顔の生徒が更に増えてる。

丸刈りの時よりも多いくらいだ。

特に気にせず廊下を歩いていると1人の男がこちらに寄って来た。

 

「おや?悪道君おはよぉ〜う」

 

「おはようございます。二階堂先輩」

 

「良いカード入ってるけど買ってかない?同じ生徒会のよしみで安くしとくよぉ〜?」

 

デッキに必要なカードは大体揃ってる。

それにやはりこの先輩とはあまり関わりたく無い。

 

「いらないです。失礼します」

 

「かわいげが無い後輩は嫌われるぞ?」

 

「そうですか。では」

 

「はぁ〜、かわいくないや、じゃあね」

 

周りの生徒がやけにこちらに注目しているのに気が付いた。

その目は明らかな怯えを孕んでいる。

その怯えの視線は教室に入っても周りから感じ取れた。あまり良い心地はしないが原因も分からないし実害はあまり無いからスルーする事にした。

今日も教室の雰囲気は暗い。

宵闇もそれは例外では無く、あの一件の頃から暗かったが今日は更に俯いていた。

しかしだからと言って声を掛ける事が俺はできなかった。

 

 

「へへ、生徒会の悪道だろ、良いカード入荷してんだよ、買ってかないか?」

 

放課後、廊下を歩いていると2年の男に声を掛けられた。

 

「いらない」

 

「まあ待ちなって、見ろよ『夜の忍』!すげえ強いぜ」

 

………『夜の忍』?

 

「先輩、そのカードの出所は?」

 

「一年生からさ。生徒会の二階堂さん率いる俺たちの腕試しに負けた生徒は鍛え直す為に切札を没収してるのさ」

 

「へぇ…生徒会の権限ならそんな事ができるんだな」

 

「そうだぜ。ほんと二階堂さん様々だぜ。二ノ宮なんて丸刈りなんて得になんねえ事しかしてなかったからよぉ〜」

 

「じゃあ俺もやるか、腕試し。デッキ出せよ」

 

「あ?何言ってんだ?」

 

「だから腕試ししてやるって言ってるんだよ、俺は生徒会だぞ?」

 

「…舐めんじゃねえぞ一年坊!上下関係教えてやる」

 

久しぶりのクソみたいな治安に懐かしさすら覚える。

新デッキの試し乗りにちょうど良い。

痛め付けても心が痛まなそうな相手だ、楽しませてもらおう。

 

「「レディー、ファイト!!」」

 

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