転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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王すらも顧客にする最高峰の人形職人

ファイティングライフ 獣鬼撃闘 収録カード 『蝋人形館の主』フレーバーテキスト


ライバルの新カード販促回

「逃げずに来ましたねぇ〜、悪道くん」

 

「お前もな」

 

指定された場所、校庭の中央で俺は二階堂と向き合っていた。

 

「相変わらずかわいくない」

 

「さっさとやるぞ」

 

「まあ待ってくださいよ。ここは一つ余興を用意しましたよぉ〜」

 

「余興?」

 

二階堂はデッキを徐ろに掲げた。

その所作に既視感を覚える。あれはそう、一年前に見た……

 

「展開」

 

景色が変わった。

見間違えることはない、DFCがやっていたカードを実体化する空間だ。

なぜ二階堂がこれをできるのか…

 

「驚きました?この能力の運用には随分時間を要したんですよねぇ…なんであんなチンピラ集団が使えてたのか…本当に最初に使える様にした人は怖い怖い」

 

驚きはしたがやる事は変わらない。

こいつを潰すだけだ。

 

「…反応が薄いですね、まあ良いでしょう。始めましょうかぁ〜」

 

「「レディー、ファイト!!」」

 

 

「召喚。『失いの村人』。そして魔法『虚の日常』能力で『失い』モンスターが場に居れば2枚墓地を増やして1枚ドローだ。ターン終了」

 

「おや?『生贄村』じゃあないんですね。私のターン『死作の蝋人形』。能力で山札から一枚を墓地へ。それが人形モンスターなので更に1枚墓地へ落として1ドロー」

 

その対戦の走り出しはお互い墓地を肥やすところからだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ターンは3ターン進行した。

 

「墓地を増やした割には大したモンスターが居ないですねぇ…これではコピートークンも弱々です」

 

相手の盤面には『失いの獣』の『コピートークン』と『蝋人形館の主』、そして『詛の藁人形』だ。

実体化して嫌らしげにニヤニヤとした笑みを浮かべている。

そして奴のライフは4俺は1だ。

俺の盤面は『失いの獣』一体だ。

 

「俺のターン…終わらせる。『失いの龍』を召喚だ」

 

そこに姿を現すのは懐かしい龍。

再び俺のデッキの軸となったその龍は以前この空間で見た時以上に黒く染まり、意思を感じられない姿になっていた。

 

「ほう、やはり切札までもが変わってますねぇ〜しかしこの盤面を崩せますかね?」

 

「能力発動、墓地のカードを全て除外する」

 

「全て除外ですか…コストとして使えなければ蘇生もできなくなる…かなり手痛い出費ですねぇ。よほど強いんですかねぇ?」

 

「その能力で除去したカード3枚につき相手の盤面を1つ山札の下に置く。更にこの効果で13枚以上除外していれば相手に2点を与える」

 

以前のような盤面をリセットを出たターンに放てる。相当使いやすくなっている。

 

「ワテクシの盤面が一瞬で…更にダメージまで……」

 

4→2(二階堂)

 

「更に魔法『杯を満たす赤』を発動自分の盤面のカードを全て除外…そして相手に1点を与え、除外されているカードが13枚以上なら更にもう1点与え除外カードを一枚回収できる……まあ、回収なんてする必要ないがな」

 

「…ふふふ、あー面白い!そのカードお似合いですねぇ悪道君!盤面に何も残さず自分だけ立ってる!………自分のボッチな学校での姿をプレイングに落とし込むなんてさすがですねぇ〜!ふふふ!」

 

急に二階堂が笑い出した。

二階堂のライフは削り切られるのが確定した、なのに余裕そうに大笑いしている。

 

「随分余裕そうだな、お前はもう負けるのに」

 

「ふふ!そうでしたねぇ…あーあ負けちゃいましたわぁ〜」

 

違和感を感じる程にこの男はおちゃらけている。まるで勝敗には興味がないようにすら思えてくる。

 

「終わりだ」

 

龍が現れた杯に飲み込まれ、代わりに溢れ出した赤い液体が二階堂を飲み込んだ。

 

「私の……は順調だ…………後は中に……そぐだけ」

2→0(二階堂)

 

二階堂は何やら言っているようだが聞こえなかった。

対戦が終わった盤面は二階堂に言われた通り俺のモンスターすらいない。あるのは最後に打った魔法の杯だけだ。

寂しさなんてない、これはカードゲームだ。

勝てば良い。

 

 

 

「さて、カード出せよ」

 

例の空間から元の校庭に戻ると、取り敢えず目の前に居た二階堂に賭けた物を要求する。

 

「良いでしょう。ほら…皆さん」

 

「っち………ほらよ」

 

取り巻きの先輩からカードを取り上げる。

カードに目を通すと見た事がある様なカードが数枚あるが殆ど知らないカードだった。

 

「おい、『絆の竜王』がないぞ?」

 

「ああ、ありませんよそりゃ売ってもないし」

 

「は?」

 

「だってアレは勝導君が進化させたカードですからねぇ、他にない一点物です。まあワテクシが破いちゃったんですけどねぇははは……グホァッ」

 

気が付いたら殴り飛ばしていた。

 

「てめぇこの野郎!」

「そっちが暴力ならこっちも暴力だぞゴラァ!」

 

「まあ落ち着きなさい皆さん…まったく、本当にかわいくない後輩ですよ…」

 

殴りかかってきそうな先輩どもを二階堂が嗜めた。これから殴り合いになると思っていただけに意外だった。

 

「悪道君、君のこれからに期待してますよ」

 

「お前の期待になんて応えるかよ」

 

「そうですか」

 

カードを貰ったら用はない。

これ以上会話もしたく無いと気持ちもあり、俺はその場を立ち去った。

 

 

「いやぁ……既に君は期待通りだよ、私や会長のね」




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