転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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全ては世界の調和の為に

ファイティングライフ 神徒討双 収録カード『<神託>授かりし勇者』フレーバーテキスト


急に湧いてくる影も形も無かったら新キャラ

「今年の一年の中だと、三月君は誰に注目していますか?」

 

俺は生徒会メンバーと件の交流戦メンバーの選抜戦の観戦をしていた。

ちなみに今回はトーナメント戦である。

会長の問いに対して三月先輩は考える素振りを見せながら答える。

 

「そうですね…悪道君は一旦外して考えると、勝導ユウキ君、雅マコトさん…」

 

やはりユウキや雅辺りが注目株か…。

概ね俺と同じように評価している様である。

 

「そして、一色ソメル君かな…」

 

一色ソメル、知らない生徒の名前が突然出てきた。

 

「一色?誰だそいつ」

 

俺の疑問を最近生徒会に戻ってきた二ノ宮先輩が代弁する。

 

「最近頭角を表して来たみたいで、勝導君と同じクラスの生徒だね。彼とその周りの生徒達は珍しいカードを使ってるみたいだよ」

 

「珍しいカードだ?」

 

「うん。<神託>だってさ」

 

「聞いた事ねぇなぁ」

 

「どっかで聞いた気がするな…」

 

「神託…ですか。是非とも見てみたいですね、そのカードの性能を」

 

会長も何やら興味を示している。

俯瞰して各試合を眺めていると、馴染みの顔が所々で目に入る。どうやらどいつも勝ちを拾えているようである。

………それはそうと少し用を足すか。

 

「ちょっと離席します」

 

「なんだトイレか?」

 

「二ノ宮君、下品ですよ」

 

「はぁ………」

 

二ノ宮先輩の包み隠さぬ物言いに呆れつつトイレへと席を立った。

たかだか小さい方の用を足している時に壮大な事は別に起こらないだろう。

 

 

トイレから出て席に戻る途中、知った顔を見かけたから声をかける。

 

「よう、水瀬。順調そうだな」

 

「あ、ゼン君!見ててくれたんだ」

 

水瀬だ。生徒会室で観戦していた時に勝ち星を上げているのを見掛けたし今のところは勝ち進んでいるのだろう。

 

「どう?私も大分強くなったでしょ」

 

かなり水瀬は誇らしげである。

実際前半戦が終わったくらいであろう現在まで勝ち進んでいるのはかなり実力が付いているだろう。最初に会った頃の気弱な感じは最近大分鳴りを潜めている気がする。

 

「そうだな、この調子で頑張れよ」

 

「ふふふ、ありがとう。交流戦、一緒に出ようね!」

 

「ああ、楽しみにしておくよ」

 

「やっぱりさ、最近素直になったよね」

 

水瀬は俺の受け答えに嬉しそうな顔をしたと思うとそんなことを言い出した。

俺は特に変わってないつもりなのに最近やたらと変わったと言われる。

 

「気のせいだろ」

 

「気のせいじゃないよ」

 

相変わらず強情で俺に対する意見を変えない奴だ。

 

「じゃあ勝手にそう思っててくれ」

 

「うん!」

 

本当に何が嬉しいんだか…。

 

「そろそろ戻る、頑張れよ」

 

「うん、またね!」

 

そう言って水瀬と別れて生徒会の観戦位置に戻って来た。

しかしそこの空気は先程と違いピリ付いていた。

 

「おう、戻ったか悪道………あれだ、気を付けろよ」

 

「は?」

 

戻って来て雰囲気が変わっている状況を飲み込む前に二ノ宮先輩に声をかけられた。

 

「うん、今年の一年生は本当に波瀾万丈だね。……悪道君も気を付けて」

 

「悪道君…くれぐれも気を付けてくださいね、神託と、それを使いこなす一色君に」

 

そう言う生徒会メンバーの視線の先には、一つの試合テーブルがあった。

そこに居たのは見知らぬ男と、悔しそうに机に突っ伏す雅だった。

その状況が意味することは単純だ。

雅は負けた、そしてその対面の男は<神託>カードを使っている一色という男であるという事だ。

会長にすら忠告をされる、その事実に俺は嫌な予感を覚えた。

 

 試合自体は順調に進み、残すところ8人となっていた。

残ったのはユウキ、捻咲、武家、水瀬、一色、センヤ、「す」の奴こと守田、そして昨日俺の部屋に勝負を挑みに来た男だった。

トーナメントだから当然全員無敗だ。

ここまで来ると全ての試合は一本ずつ行われるようになる。

そして最初の試合は………

 

「勝つっすよ、俺は……」

 

「負けないよ、ケン」

 

ユウキと「す」こと守田ケンの試合だ。

この試合は流石にユウキが勝つだろう、俺も生徒会メンバーも、果ては観戦している生徒すらそう思っていた。

しかし試合が進むにつれ流れが変わり出した。

 

 

「ユウキ!俺は負けたくないっす!だから見るっすよ、俺の切札!『<神託>の機械戦士』!」

 

「な、このモンスターは……」

 

「俺の元に姿を現した新しい切札っすよ!こいつで勝ち星を取りに行くっす!」

 

 

 

「守田君は元から神託カードを使っていたかしら?」

 

会長が疑問を口にした。

しかしその疑問は会長だけでなく恐らくこの場にいる全員が抱いた物だろう。事実俺も驚いている。

 

「いや、少なくとも俺がテストしてた時には使ってなかったな」

 

「僕の耳にも入って来てなかったよ、確かそこそこ仲良かったよね、悪道君は何か知ってる?」

 

「いや、俺も知らなかった…なんであいつが」

 

俺たちが呆気に取られている間にも、守田は一気に点を詰めていた。

 

 

「仕留め損なったっすけど、次で俺は勝つっすよ」

 

「仕留めきれなかった時点で君の負けだ、ケン。召喚『<神討ち>竜王』」

 

 

 

「なんだ、あのカードは…竜王、なのか?」

 

「<神託>に対する<神討ち>ですか………」

 

今度は勝導が怪しいカードを召喚した。知らない新切札がいるのはよくある事だが今回は何か質が違う、そう俺の直感が告げていた。

試合はそのまま勝導が攻め切って勝利を収めた。

俺はこれからまた何か起こる、そんな予感を…いや確信をした。

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