転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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その戦い振りはどんな武勲でも讃えきれない。

ファイティングライフ 竜武乱閃 収録カード 『百万石の名将』フレーバーテキスト


大将戦は主人公の特権

「トドメだーっ!『百万石の名将』!」

 

「くそっ…神託の力がありながら普通の相手に負けるなんてっ…」

 

 選抜戦の最後の試合は武家の勝利で終わった。

これにより交流戦のメンバーは俺を除きユウキ、一色、捻咲、武家に決まった。

 

 

 

「というわけで、俺は一色ソメル。よろしくな」

 

とある教室にて、ユウキの呼び掛けにより交流戦のメンバーは一同に会していた。

ちなみに武家は最近暑いのか甲冑じゃなくて袴姿だ。センヤにしろ武家にしろ制服を着ろ。

 

「よろしくね、一色君」

 

「ソメルでいい。皆もそう呼んでくれ」

 

「わかった、改めてよろしくねソメル君」

 

一色は今のところ友好的だ。

別に突っかかてくることも無く、ユウキや武家達と会話している。

 

「ゼン、3年のメンツは誰かわかんねーんだよな?」

 

馴れ馴れしいことにこいつはいきなり下の名前で呼んできている。

外見に違わず距離感が近い奴だ。

 

「ああ、あっちは三月先輩が完全に自由にメンバーを決めるみたいだ。教えてもくれなそうだな」

 

三年生側のメンバーが誰かは分からない。

顔メタは張らせないという事だろう。

三年視点ではこちらのメンツが割れたところで顔メタを貼るのは逆に情けなく感じるだろうと先輩は言っていた。

 

「3年やって来てそれなりのプライドが皆あるからね」

 

とのことだ。

 

「そっか…で誰がやるんだ?大将は?」

 

大将…恐らく向こうは三月先輩が出てくるだろう。

 

「誰も行かないならさ…俺が行っても良いか?三月先輩とはやってみたかったんだよな」

 

一色はどうやら三月先輩と戦いたいらしい。

しかしこちらとしても三月先輩とは戦いたいから譲れない。

 

「「「「いや、俺(僕)(私)が行く」」」」

 

俺含む4人は全員三月先輩がお望みだったようだ。

 

「なんだよ、皆やる気じゃんか」

 

「当たり前よ、ポッと出なんかに譲らないわ」

 

「そうだ、三月先輩の胸を借りられるなんてあまりにも貴重な機会だ」

 

三月先輩は二ノ宮先輩や二階堂みたいに変なことをしてないから一年生からはかなり好かれているし尊敬もされている。

そんな相手と戦って得られる物があると全員間違いなく思っているのだろう。

 

「んじゃ、まあここは大人しくアレで決めるか」

 

「アレだな」

 

「アレね」

 

「ジャンケンか」

 

「ゼンさぁ、そこは空気読んでアレって言おうぜ」

 

…………馴れ馴れしい奴だ。

 

「うるさい。やるぞ最初はグー!ジャンケン…」

 

「ちょっ、ゼン卑怯だよそれは」

「生徒会の癖にミミっちいわよ!」

「ズルいぞ!」

「ちょ、怒んなよ」

 

「「「「「ポン」」」」」

 

 

 

 

「よお、どうしたんだそんな不機嫌な顔してよぉ」

 

帰り道、ユウキはまだ用事があるとの事で1人で寮へと戻っていると用務員兼DFCのオッサンが声をかけて来た。

 

「別に…なんでもない」

 

別に副将とかいうなんとも言えない順番になった事には一ミリもキレてない。

大将になったユウキと先鋒になった一色の事なんて別に恨んでも無い。

 

「なんだかんだ楽しそうに学校生活を満喫してる様で安心してるぜ、友達もこの前見た感じいるみたいだしよ、小坊の頃より子供っぽくて良いぜ」

 

このオッサンは何故俺相手に保護者面をしているんだ?

子供っぽいとはなんだ子供っぽいとは。

俺は転生してるから精神年齢は高いぞ………ああ、そういえば俺は転生しているんだったな…。

 

「で、そんな楽しそうなところ悪いが真面目な話だ」

 

「…なんだよ」

 

急にオッサンの声のトーンが落ちた。

目も真剣にこちらを見ている。

 

「そこに自販機あるだろ?ジュース奢ってやるよ」

 

別に生徒会権限もあるしその辺は奢られ無くても奢りみたいな物なのだが、まあここは年上の顔を立たせておくか。

 

 

 

「………最近な、DFCの団員が次々と行方不明になっているんだよ」

 

「行方不明?怪しい集会にでも来なくなったか?」

 

「そんだけなら良いんだが、そもそも姿を消してんだよ。……阿久野って覚えてるか?」

 

怪しい集会を否定しろよ。

阿久野…俺やユウキが通っていた小学生に勤務している教師だ。

DFCの一員で一度俺達と対立した。

確かあの時はユウキが竜王を進化させていたな。確か名前は『希望の神竜王』…だっけか。

そういえばあの姿あの時以来俺は見てないな……。

 

「阿久野先生がどうしたんだ?」

 

「アイツも行方不明でさ…学校にも来ていないらしい」

 

「………鬱にでもなったんじゃねえか?」

 

「家にも帰ってねえって話だ!アイツはこの世界に女房も子供も居るんだぞ!」

 

オッサンの声は大きかった。

飲み干した飲み物の缶が握り潰されているのが怒りをかなり感じさせる。

 

「……わ、悪い…軽く言いすぎた」

 

「い、いやすまねぇ、俺も急に大声出して……取り敢えず副総帥から忠告をお前にも伝えとけって話だ。………今んところDFCの団員が目立つがそれ以外にも姿を消してる奴がちょくちょく居るらしい、気をつけろよ」

 

「ああ、気を付けるよ」

 

「それとな…阿久野の奴はお前ら卒業生組の事気に掛けてたからさ……見つかったら今度顔見せに行ってやれよ」

 

「ユウキ達とも話しとくよ」

 

「悪かったな、こんな時間に引き留めてよ。じゃ、またな」

 

そう言いながらオッサンは立ち去っていった。

しかし副総帥はなぜ俺に警告するようオッサンに伝えたのだろうか?

この前の感じを見ると今でもユウキとは交流がありそうなのにユウキ経由じゃなくてわざわざオッサン経由で俺に伝えてきた。

副総帥は俺が狙われる理由があると思っているのだろうか?

 

 

「君達を倒すためのカードだ」

 

 

脳裏に響いたのはつい先日の一色の声だ。

君達、それは俺とDFCを指しているのか?

なぜ俺はDFCと同じ括りになっているんだ?

考えても分からない。

 

「あれ?ゼンじゃん俺より早く戻ってんのになんでこんな所チンタラ歩いてんだ?あ…まさか女と逢引きでもしてたか?」

 

「一色か……」

 

「ソメルで良いって言ってんのに…」

 

悩みの種がちょうどアチラからやって来た。

 

「一色、俺達を倒す力ってのはどういう意味だ?」

 

「その話?そのまんまの意味だよ、考え過ぎんなよ」

 

「俺はどうにも頭が悪いようでな、わかりやすく伝えてくれないか?」

 

「まあまあそんな気にすんなよ…それにお前を倒すのは交流戦が終わった後だ」

 

「今すぐにでも勝負して良いぞ?」

 

「今はいいよ、もうすぐ交流戦だってのにこのタイミングで一年生の生徒会メンバーの選抜始まったら大変じゃん?」

 

どうやら俺に勝てる自信が大いにあるらしい。舐められた物だな。

 

「舐めるなよ、今ここで対戦したところで勝つのは俺だ」

 

「っち、悪かったよそんなにマジになんなって。ゼン……俺はさ、この世界が好きなんだよ」

 

「なんだよ急に」

 

「だからさ、この世界を守るってことさ。…じゃあな」

 

真面目な顔でそんな事を言うと一色は去って行った。世界を守る……確かこの前夜に来た奴もそんな事言ってたな…。

結局俺は一色の狙いとDFCの行方不明との関係が何なのか分からないまま自室に戻った。

空は少し翳り出していて、明日にでも雨になりそうな雰囲気がした。

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