転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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神の域へ踏み込まんとした王は神の顰蹙を買った

ファイティングライフ 神罰漆攻 収録カード『<神討ち>の叡王』フレーバーテキスト


販促期間は本筋では長かった

「召喚だ!『<神託>受けし勇者』!」

 

 3ターン目、一色が切札を召喚した。

現在の戦況は会長が4点に対して一色が6点でリードしている。

 

「ついにお出ましですか。その謎のカード、一体どこで手に入れたんですか?」

 

「貴女には教えたくないかなーって…‥という訳で勇者の能力!山札より従者を含む『思慮深き従者』を召喚!勇者には仲間がいる物さ」

 

一色のカードは明らかに強い。

他のデッキが手札や点数を削ってやる事をノーコストでやっている。ずるい査定だ。

 

「そしてその召喚した時の能力で山札より『魔術』魔法、『防御の魔術』を発動!勇者が居るため次の俺のターンの始めまで効果でのダメージを受けない!」

 

また山札から使ってやがる…しかも効果ダメージ無効が緩すぎて羨ましい………俺もあのテーマに鞍替えするか?

 

「私あのカード嫌い」

 

黙って見てた捻咲が急に呟いた。

 

「どうした急に?」

 

「言わなくても分かるでしょ」

 

捻咲の置物バーンにとっては実質EXターンを取られるような物か。それは確かに嫌いにもなるだろう。

 

「あら、しっかり対策されちゃいましたね」

 

会長はバーンでのワンキル戦術が目立つ、間違いなく有効な一手だろう。

 

「貴女と戦う時の為に研究してきたんでね、予定より早いがここで引導を渡してやる!速撃!勇者で攻撃!」

 

「更に能力発動!自分のモンスターに速撃と打点を追加!勇者は仲間を呼び鼓舞するぜ!」

 

まだ能力持ってるのかよ………やっぱあのテーマのスペックおかしくないか?

センヤに白い目で見られるかもしれないがやっぱ乗り換えるか?

 

「対抗魔法『実地試験』、このターン攻撃が通る度2枚ドローする」

4→2(会長)

 

「勇者の攻撃に続け!従者!前のターンから居た『使い魔の獣』!」

 

「調査員で従者を防御し破壊、そして次の攻撃は対抗魔法『現地調達』で1点回復後に受ける」

2→1(会長)

 

「ちっ…ターンエンド」

 

なんとか会長は防ぎ切った。

しかしメイン戦術のバーンキルを阻止されているのは流石に辛いだろう。

 

「流石、神が授けるカードのパワーは高いですね」

 

「貴女を倒すのが第一目標で与えられた力だからねぇ、大人しく倒されてくれる?」

 

「私は倒された所で神罰の対象にはならないでしょうけど………負ける気はないんですよね、私のターン」

 

会長を倒すのが第一目標、神罰、情報が一気に押し寄せて来た。

神託モンスターは会長を倒すことが第一目的だが、それに付随して俺やDFCが対象になっていると言う事か?

 

「しっかり対策を練った事は偉いと思いますが、情報は最新の物に上書きすべきです」

 

「なにっ…」

 

「召喚、『叡智の王』効果で2枚ドローする」

 

召喚されたのはユウキとの対戦でも見せた切札だ。

あの時はそのままバーンされ切っていたが今回は魔法の効果でそうはならない。

 

「なんだよ、普段と同じ動きじゃないか」

 

「慌てないでください……魔法『禁忌実験』叡智の王を破壊し………山札より『叡王』を呼び出す………神が遣いを仕向けてくるのなら、それら全てを討ち倒してあげましょう。召喚『<神討ち>の叡王』」

 

「「「<神討ち>だと………」」」

 

試合中の一色と俺、そして観戦していたユウキが同じ事を口にした。

 

「その能力で相手の手札と同じ枚数ドローする」

 

手札の消費を山札からのカードの使用でかなり抑えてる一色の手札は潤沢であり、それと同じ分一気に手札を増やされた。

だがそこだけ見ると相手依存過ぎてしょっぱくないか?相手のハンドが0の時も何か補填があるのだろうか?

 

「まずは魔法『生贄の血』手札を2枚捨てて2点回復、更に魔法『術縛りの儀式』魔法を一枚捨てて相手の墓地にある魔法と同じ魔法を次のターン使用不能に。対象は先ほどの『防御の魔術』」

 

1→3(会長)

 

「1ターンに何枚魔法使うんだよ…」

 

「けどまだ神を討つには足りないと思いませんか?叡王の能力、そのターンの終わりに使った魔法の数だけ相手のモンスターを攻撃不能にする、さあターンエンドですよ?」

 

「俺のターン、このターンで決めてやる!2体目の勇者を召喚!能力で『熟練の従者』を呼び出す!更に魔法『破盾の魔術』を発動し防御不能に!勇者で攻撃!」

 

「対抗魔法『叡智の盾』、『叡智の王』か『叡王』がいる時に使用可能。攻撃を無効にして更にもう一体攻撃を不能にする」

 

先程のターンであそこまでハンドを増やしたんだ。当然対抗魔法も持っているであろう。

ここまでだな、もう効果ダメージを受けない効果は切れている。

 

「くそっ……ここまでかよ」

 

「私のターン。結構楽しめましたよ、さようなら。『試験記録:生物実験』を発動」

 

その後は魔法とモンスター効果でのバーンの連打だった。

呆気なく一色のライフは削り切られた。

 

6→0(一色)

 

「俺の、負けです」

 

「神託の力、よくわかりました。改めてありがとうございました、一色ソメル君」

 

「っ………ありがとう、ございました」

 

それだけ挨拶すると、一色は無言でこちらに戻って来た。

 

「ゼン、会長の恐ろしさを見ただろ?手を切れよ………」

 

戻って来て早々に一色は俺にそんな事を言って来た。

 

「……そうだな、できれば俺も関わりたくないさ」

 

俺もあの何を考えてるか分からない人とはあまり関わりたくない。

 

「ところでさ、神罰ってなんだ?」

 

「…‥知らなくて良いことさ」

 

一色はバツが悪そうに目を逸らした。その顔は何処か罪悪感すら孕んでいるように感じた。

 

「おしゃべりばっかしてて楽しそうね」

 

真顔の捻咲がそんな俺たちに横から声をかけて来た。

 

「あ、シラユリちゃんもしかして慰めてくれるの?」

 

捻咲の目は一色の方を一瞥すらせずこちらの目を見据えている。

 

「悪道、しっかり見てなさい。今の私を」

 

その顔は真剣だった。

 

「ああ」

 

「ありがとう。それじゃ、行ってくるわ」

 

捻咲は俺の肯定を聞いて満足したのか僅かに微笑を浮かべるとこちらに背を向けた。

伝えるべき事は伝えた、そう後ろ姿で語りながら捻咲は卓に向かった。

 

「ねえシラユリちゃん俺スルー?」

 

こいつ思いっきり負けた後なのに何でこんな元気なんだよ……。

 

「ソメル、空気読んで」

 

「ははは、ごめんごめん。あー、ちょっと喉乾いたし飲み物買ってくるわ」

 

そう言って一色は外に出た。あいつがとおった地面には小さな水滴の跡があるような気がするが気のせいだろう。




五戦しっかりやるのは冗長なので次回以降はもっと省略描写になります
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