転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた   作:大きいホクロ

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その日運命が始まった。

ファイティングライフ 竜王黎明 収録カード
『運命の子竜』フレーバーテキスト

バトル描写は勢いなので読み飛ばしても問題無いです。



主人公と邂逅するめんどくさい系ライバル

「違う!そこはこうするのが定石でしょ!」

「お守りとか言ってピーキーなカードピン投するのやめなさい!」

「そんな古いカード!助けられたなんて言ってもそれ以上にそのカードのせいで負けてるのよ!」

「良い子ね、そのまま一点一点確実に詰めるのよ」

「その山は今の環境にはあってないわ!捨てなさい!」

「強ければ認めてもらえるのよ?強さを示し続けなさい、そうすれば貴方の後ろにはたくさんの人がついてくるのよ」

 

 

 嫌な夢を見た。この世界に来たのが15歳だからそろそろ精神年齢が25くらいになる筈なのにまだ大人になれないと感じるのは15から0に戻った時に精神年齢も体に引っ張られたからだろうか?

 

 

 

いつも通りの放課後、デブとガリに声をかけられなかったので帰ろうとすると、

 

「悪道ゼン君はいるかな?」

 

またこの展開か…。

 

そこに立っていたのはいかにも主人公然とした髪を逆立てた少年だった。

 

「君がゼン君?」

 

「誰だよお前ゼンに…」

デブガリがまた絡みに行こうとしてる。

 

「お前ら黙ってろ」

こいつらを噛ませると碌なことにならないと昨日分かった。

 

「何の用だ?それとお前は?」

この世界の俺は礼儀正しく振る舞いたいのだが、なぜか態度がいつも悪くなってしまう。

初対面をお前呼びするこれも精神年齢に引っ張られてるのだろうか?

 

「僕はユウキ、勝導ユウキだ。リンや皆にカードを返してくれないか?」

 

「昨日も思ったが何のことなんだそれ」

 

「カード狩りを辞めてカードを皆に返してくれと言っているんだ」

 

「だから何なんだよそれ、俺に関係あるのかよ」

 

「……どういうことだ」

 

勝導は何か違和感を感じたのか少し考え込み出した。これは話が通じそうだぞ。

 

「まず一回話合わ…」

 

「ゼンのカード狩りは邪魔させはしねーぜ!」

「ゼン君に勝ったらこのレアカード全部やるよ!ただお前が負けたらお前のデッキごと寄越せよ!」

 

デブとガリが口を挟んできた。手にはバインダー、入ってるのは俺が勝って返しておけと渡したカード達だった。そして理解した、こいつらはいつからか俺に取り返すと言う名目でカードを奪わせていたんだ。だからはたから見たら俺はカードを奪っていく悪魔のカード狩り。

酷い話だ、少しは友達と思っていたんだがな…。

 

「…分かった、デッキを全て賭けてやる!みんなのカードを返してもらうよ」

 

話がまた勝手に進んでしまった。

まあいいや、こいつ強そうだし楽しそうだ。 

勝っても負けてもカードは返せば良い。

 

「「レディー、ファイト!」」

 

「俺のターン、ドローして終わりだ」

 

「僕のターン、『運命の子竜』を召喚し速撃持ちの為攻撃だ」

速撃、このゲームでは出たターンにモンスターは攻撃できないがこれを持つ奴は攻撃できる。

デュ⚪︎マでいうスピードアタッカーだ。

 

「受けよう」6→5(ゼン)

 

「俺のターン、『生贄村の農夫』を召喚、能力で自壊して山札より同じ属性のモンスターをサーチ、手札に加えるのは彷徨いの龍だ。ターン終了」

 

「僕のターン、『定めの竜騎士』を召喚。能力で子竜の打点をプラス1。さらに打点を追加したモンスターの攻撃が通ると一枚ドローだ。そのまま攻撃!」

 

「受けよう」5→3(ゼン)

 

「能力で一枚ドローしてターン終了」

 

「俺のターン、『彷徨いの龍』を召喚。更に魔法『生贄の血』を発動。手札を2枚捨てて2点回復する。ターンエンドだ」3→5(ゼン)

 

「僕のターン」

瞬間、何かの鳴き声が聞こえた気がした。

とても雄々しい竜のような声が…

 

「場に定めの竜騎士がいる為条件を軽くして召喚だ!『希望の竜王』」

 

瞬間、俺の目の前に赤い竜が現れた……。

それは一瞬だった。錯覚かもしれない。

 

「『希望の竜王』の能力、自陣一体に1打点の付与と全体に攻撃の無効を受け付けない能力を与える。更に竜王は速撃持ちだ」

 

「くっ……」

 

「いけ!竜の戦士達よ!打点が2になった子竜で攻撃!」

5→3 (ゼン)

 

「続け!竜王!こいつ自身も2点だ!」

 

「くっ…」3→1(ゼン)

 

「トドメだ!竜騎士よ!」

 

「対応魔法カード、『龍の生き血』を発動!盤面にドラゴンを種族に持つカードがいる時、手札を一枚捨てて一点回復だ」1→2 (ゼン)

対応魔法、遊⚪︎王でいう速攻魔法、バト⚪︎ピで言うフラッシュだ。

相手ターンに発動できるカードだぞ。しかしその便利さ故大抵コストが重い。

 

「しかしこれで後1点だ!」2→1(ゼン)

 

「ターンエンド、次で決める」

 

ああ、楽しい。ここ最近一方的なファイトばっかだったから追い詰められるのは最高に気持ちいい。

 

「俺のターン、彷徨いの黒龍の能力発動!相手の元から場にいたモンスターを全て破壊する!」

 

「だが竜王はさっき居なかったから盤面に残る!」

 

「そこは織り込み済みさ!魔法カード、『生贄村の収穫祭』を発動!墓地の生贄村を名前に含むカードを全て山札に戻し同じ枚数を墓地に送る。

農夫ともう1枚を俺はコストで捨てているからそれらを戻して2枚墓地に落とす。」

 

「そしてその中から召喚可能なモンスターを一体普通の召喚に含めずに召喚しターン終了時に破壊する」

 

「墓地から召喚回数を追加!?」

 

「墓地に落ちた『扇動する狂信者』を場に出す。能力で自身を破壊して相手のモンスター一体のコントロールをこのターンのみ得る」

 

「な!?つまり…」

 

「ああ、希望の竜王をいただくぜ」

 

「な、僕のエースが…しかも収穫祭のデメリットを帳消しにしてる…凄いね」

 

「更に手札より『邪な薬売り』を召喚。能力で俺の場のモンスター一体に打点を一つ与え、ターン終了時に破壊する。対象は竜王だ、これでこいつの打点は3だ」

 

「僕に返す前に破壊するって言うことか‥憎たらしいほどに徹底的にデメリットを踏み倒すな」

 

「攻撃だ!いけ、龍と竜よ!」

 

「防御札は、ない」

6→1(彷徨いの龍2点、希望の竜王3点)(ユウキ)

 

「これでターンエンドだ。『希望の竜王』は破壊。そして『希望の竜王』は破壊された時の能力で俺は一点回復。俺の場には防御可能な薬売りがいる。さあどうする」

1→2(ゼン)

 

「この引き次第に、なるかな……」

 

相手に対する今の要求は盤面一体の破壊と2打点の用意だ。

それらを用意されたら手札がない俺の負けだ。

 

「ドロー!」

 

「来た!まずは『運命の子竜』を召喚」

こいつは速撃持ちだ。まず一点分。

 

「更に魔法カード、『魂の再燃』を発動!場と墓地に同じ名前のカードがある時に自身のモンスターに打点を+1し、攻撃がヒットしたら山札の上から2枚を見て一枚を回収する能力を与える!」

 

打点は揃えられた。あとは盤面の破壊だ…。

 

「魔法カード、『竜の吐息』薬売りを破壊だ」

全ての条件を、しっかり揃えられたか…。

 

「これで阻む者は何もない」

 

「そうだな、来い」

 

「ああ、攻撃だ運命の子竜」

2→0(ゼン)

 

「俺の、負けだ」

 

「ああ、僕の勝ちだ」

 

「さて……そこの君たちカードを返してもらおうか」

 

「ゼ、ゼンの奴負けやがったぜ…」

「くっそー逃げるぞ!」

 

「な、待てっ!」

 

「やだよー……おい、どけよ負け犬」

「弱いお前に用なんてねーんだよ」

 

 前に立ち塞がった俺に対して冷たい言葉をデブとガリが言い放つ。

こいつらにとって俺はやはり使い勝手の良いカード回収マンだったらしい。本当に悲しいよ。

母さん、強さで付いて来るのはこんな奴らばっかなのかな?

 

「ルールはルールだ大人しく置いてけよ」

 

「逃がさないよ。カードをみんなに返すんだ」

後ろからも勝導が圧をかける。

 

「っち、覚えてろよ」

「次はもっと強い奴連れて来るからな」

 

2人はそう言ってカードを大人しく置いて去って行った。

 

「ごめん、僕は君を誤解していたよ。戦って分かった、君はそんな人じゃ無いって」

 

「いや、俺もあの2人がやってることに気が付かなかったさ。俺が悪い」

 

「また、今度は純粋に勝負をしよう」

 

そう言いながら彼は手を差し出す。

 

「次は俺が勝つ」

 

 

 差し出された手を俺は握ることができなかった。彼は俺には眩しすぎる。

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