転生したらなんかカードゲーム世界のライバルポジになってた 作:大きいホクロ
ファイティングライフ 竜神懐星 収録カード
『生贄村の大司祭』フレーバーテキスト
対戦は勢いなので流し読みで大丈夫です
「俺のターン、『生贄村の飼い犬』を召喚。魔法『生贄村の牧歌』を発動。場に『生贄村』モンスターがいる時に手札の『生贄村』モンスターを捨てて2枚ドローできる。俺は『生贄村の農夫』を捨てる」
「悪道君!頑張って!」
「いくら噂の悪道でも流石にアイツは厳しいんじゃないすか…」
「取り敢えず私たちは見守る事しかできないわ…」
「私のターン、ドローして『郷愁の戦士』を召喚。更に魔法『戦後の悲しみ』手札の郷愁モンスターを捨てて山札の上から2枚を見て一枚を回収、更に場に郷愁モンスターがいれば一枚ドローだ。『郷愁の突撃兵』を私は捨てる」
郷愁モンスター、俺の生贄村と同じく墓地を利用するデッキだ。少し親近感を覚える。
「俺のターン、『生贄村の農夫』を場に出して破壊。山札より同じ属性の『生贄村の大司祭』を手札に加える」
「お手本のような動きだな」
「ターンを終了する」
ここで殴っても面を取られるだけだ。
「盤面を減らすだけになるから攻めないか。私のターン、『郷愁の敗残兵』を召喚。能力で墓地より『郷愁の突撃兵』を回収だ」
着実にゲーム構築をしている。この世界の連中は自然と対戦中に大仰になるやつが殆どなのに、雰囲気が落ち着いていてこの世界での対戦相手としてかなり異様だ。
「魔法『片道切符の特攻』を発動。手札を一枚捨てて手札より郷愁モンスター『郷愁の突撃兵』を召喚し打点を+2、更に防御されなくなる。行け!」
「…ぐっ!」6→3(ゼン)
最近のDFCとの戦いである程度はダメージの痛みに慣れてきたと思っていた。
だがいつも以上に重い、副総帥の強さが反映でもされているのだろうか?
「突撃兵は特攻した事により破壊。破壊された突撃兵の能力により相手に1点だ」
「なにっ……ぐぁっ……」3→2(ゼン)
「私はこれでターン終了だ。さあ来たまえ」
「俺のターン、召喚だ『彷徨いの龍』」
「出たわね」
「俺は初めて実物見るっす」
「来た!悪道君の切札!」
俺の傍に今日も龍が姿を現す。ここ最近は毎日のように見ている気がする。
「『彷徨いの龍』?だと?」
「更に魔法『生贄村の掟』生贄村モンスターが墓地にいる時に山札上より1枚を墓地に置く。それがモンスターなら次に受ける1回目のダメージを無効にする、成功だ。これでターン終了」
「私のターン、一つ聞いてもいいか?」
「なんだよ」
「なぜ『彷徨いの龍』を入れている?」
「俺がどうデッキを組もうが俺の勝手だろ」
「ああ、君の勝手だ。だからこそ不自然だ」
「……どういうことだよ」
「まさか気付いてない訳がないだろ、そのカードは浮いてるんだよ、君のデッキから」
………嫌な所をついてくるやつだ。
「君の動きはとても堅実だった。お手本のようにな、『彷徨いの龍』が出るまでは…」
「……何が言いたいんだよ」
「生贄村のカードとは確かにシナジーがある、しかしそれ以上に君が先程手札に加えた『生贄村の大司祭』の方が先程のターンプレイするには強かったじゃないか」
「……」
「君のプレイングは冷酷だ。私のように勝ちを追求していた。なのにそのカードは浮いている。まるでお守りのようだ、君の手札にはもっと強いカードがあるのだぞ、そしてそれが分からない君じゃない」
瞬間、俺の脳裏に声が響き出した。
『抜いちまえよそれ』
『それ微妙なカードだって皆言ってるぜ』
『お前だってそんな強くないカード入れてるじゃんガチ勢気取ってる癖にさ』
ああうるさい。
『お守りとか言ってピーキーなカードピン投するのやめなさい!』
『そのカードで勝てる試合より負ける試合の方が多いのよ』
『このカードは貴方のために用意したカードよ、これでどんどん強くなりなさい』
うるさいんだよ…。
「……黙れ」
「……ああ黙ってやろう。召喚!『郷愁の英雄』!その能力で相手のモンスターを一体破壊!対象は飼い犬だ!更に魔法『残されし者の願い』!墓地あるいは山札より『塹壕戦』を2枚サーチだ!」
『塹壕戦』、対応魔法で攻撃一つを無効にする魔法だ。それを2枚か…
「俺は飼い犬の効果で1ドローだ」
「更に魔法、『去り行く者への餞別』敗残兵に破壊耐性を付与だ」
「攻撃!まずは行け!突撃兵」
「その攻撃は無効だ…」
「知っているさ。やれ、敗残兵!」
「受ける…」2→1(ゼン)
「続け!速撃だ『郷愁の英雄』!」
「手札より対応魔法!『生贄村の狩猟罠』!手札を2枚捨てて2ダメージ軽減!よってダメージは0だ!更にライフが残り1なので相手のモンスター2体を行動不能にする!」
「『彷徨いの龍』を出してるんだ、当然対応魔法は持っているだろうな。ターンエンドだ」
「俺のターン、まずは魔法『生贄の血』手札を切って一点回復だ」
1→2(ゼン)
「これで突撃兵をケアしたか」
「龍の能力発動!お前の盤面の戦士、突撃兵を破壊だ。突撃兵の能力を受けて一点受ける」
2→1(ゼン)
「召喚だ『生贄村の大司祭』!」
「そうだ、それでいい。本当の君の強さを見せてくれ」
「能力発動!墓地の生贄村モンスターを3枚以上戻し、山札よりカードを5枚捨てる。その中より同じ属性のモンスターを全て蘇生!」
「対象は2枚か」
「『生贄村の用心棒』、『生贄村の飼い犬』を蘇生だ」
「更に魔法!『捧げられし贄』を発動」
「そこまで抱えていたか…」
「俺の盤面を全て破壊、4体以上破壊したら4点を与える!」
「くっ……そして君の盤面の飼い犬が破壊されたという事は…」
6→2(副総帥)
「ああ、一枚ドローだ。そして……手札より魔法『生贄村の収穫祭』だ。墓地の生贄村モンスターを戻し、3枚を山札より墓地へ!」
本当になんで俺は『彷徨いの龍』を使ってるんだろうな。確かにもっと綺麗なリストにするなら抜けるさ。こんな綱渡りなプレイをする必要だってないさ。
「墓地より出でよ!『生贄村の祈祷師』こいつは自身を破壊する事でお前の墓地の条件を満たすモンスターを2体蘇生してターン終了時に破壊する、蘇生したモンスターは攻撃も出た時の能力も発動できないがな。」
それでも毎回勝っているのだから使ってても問題ないだろうと思っていた。
だが今回のファイトではっきりと分かった、そろそろ限界だと。
それを分からせてくれた副総帥様には感謝しておこう。
「お前なら分かるだろ?俺が何を蘇生するか?」
「…やはり君の戦い方は実践的だよ…突撃兵を2体、だろ?」
「ああ。俺はお前の墓地の突撃兵を2体蘇生、これでターンエンドだ」
「そして私は破壊された突撃兵の能力で2点を受けて敗北か……本当にいい腕だな、
2→0(副総帥)
「俺の……勝ちだ」
戦いが終わり世界が元の風景に戻った。
目の前では仰向けで副総帥が倒れている。
「…敗者が口を出すのは無粋だが、あえて言わせてくれ」
「なんだよ」
「……君はもっと自由に戦える」
「余計なお世話だ…」
「お世話ついでにこれを受け取ってくれ」
そう言いながら体を半分起こした副総帥がカードを一枚俺に差し出した。
「なんなんだよほんと…」
「君は私に似ている気がしてな、持って行け」
「……使い潰してやるよ」
「ああ、好きに使え。少しは戦いやすくなるだろう」
俺の手にはカードが一枚握られた。
『郷愁の英雄』その名前を見ると、確かに他人とは思えない、そんな気がした。