クトゥルフ世界に飛ばされる一般PL君 作:冷たくて美味しい紅茶
「どう……して……」
焼け野原となった家の庭と、ボロボロになり地面に横たわっているみんなを眺める。……どうしてこんなことになったんだろうか。
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時を遡ること今日の朝。朝早くに荷物を持って家を出発してあの屋敷にやってきていた。警察の人が軽く掃除をしてくれていたのか鬱蒼としていた雰囲気は無くなっていた。
「それじゃあやっていこうか」
「了解、じゃあ俺は玄関からやっていくわ」
ドライタイプのワイパーを使って上の方から順番に埃を拭き取っていく。下からやっていくと上の方を掃除した時に埃が落ちてしまい効率が悪いので注意が必要だ。また、水拭きからやると綺麗なった感じは出るが埃によって床などを傷つけてしまう恐れがある。
「終わったから次は……」
「えーっと、すいませーん」
ホームセンターで購入したアルカリ電解水を使おうとしたがその前に外から声がかかる。
「あ、君は?」
振り返ってみるとそこには金色の髪を首元まで伸ばした赤い眼を持った女の子が立っていた。
「あっ、私は桃花の友達の
「なるほど、俺は䋆井凪都。俺の方も好きに呼んでくれていいよ」
この子が桃花さんの言っていた助っ人か。あれ? でも2人呼ぶって言ってたような……
「もう1人の方は桃花の荷物持ちで買い物に付き合わされてる。私は人数多いし掃除手伝ってきてって言われたんだ」
「そういうことか、だったらそこにある道具使って適当な部屋を掃除してきてくれない?」
「了解りょーかい。掃除は得意だから任せて」
知命さんが家の中に入っていくのを見届けてから掃除を再開する。埃を取った次は皮脂などの汚れを取ることが必要だ。皮脂などは酸性の汚れなのでアルカリ性のもので掃除をすると効率良く汚れを落とすことができる。アルカリ電解水は水を電解して酸性とアルカリ性に分けた上でのアルカリ性の部分だけを抽出したもので、成分としては水なので掃除後に洗剤が残ったりせず二度拭きの必要がない。アルカリ電解水は直接かけるのでなくタオルにかけて使うのが一般的だ。
「これでよしっと」
玄関だけでも綺麗になると気分が変わるな。玄関を開けて入ってくる時の見栄えも見たいが空気を通すと埃が舞い上がってしまい掃除が大変になってしまうので自重する。
「次は何処にするか」
2人が掃除をしていない場所を探してリビングへと入る。地面に置かれていたはずのカーペットは撤去され、扉があった場所はちゃんとした床に置き換えられてもう地下には降りられないようになっていた。地面を軽く叩いてみても空洞になっている様子は無くまるで石を叩いているような気持ちになるのでもしかしたら何かしらで内部も埋められているのかもしれない。
「時間かかりそうだな」
最初に入った時は全く気づいていなかったが、この部屋はリビングだけで無くキッチンやダイニングがくっついているタイプのようで、かなり広々としていた。これなら柊夜でも呼ぶか? いや、でも柊夜は柊夜で別の部屋掃除してるだろうしな……止めとくか。
「つべこべ言ってもしょうがない……やるか!」
とは言っても玄関と掃除の仕方はそこまで変わらない。強いて言うならシンクなどにある水垢などの汚れはアルカリ性の汚れなどで酸性のレモン水などを使うことによって簡単に落とすことができる。トイレの黒ずみなども同じタイプなので覚えておくと楽だ。
「今思ったけどシンクの掃除はいらなかったか?」
一通りの掃除を終わらせて一言そう呟く。そういえば柊夜がこの家にあるものは大半捨てちゃうから掃除しなくていいって言っていたような気がする。いや、でもシンクの取り替えってお金かかるしやらないか? ……うーん柊夜の金銭感覚がわからないからなんとも言えないな。
そんなこんなで全ての部屋を掃除して、部屋の中にあったベッドやソファなどの捨てる家具を庭に運び出していく。物置に黒く輝くトラペゾってる石を見つけて粉々に砕いたり、重い荷物はみんなで協力して待とうと思ったが知命さんが軽々と運んでくれてちょっとびっくりしたなど色々なことがあったが比較的楽に終わらせることが出来た。
「やっと終わったね」
庭に置いたゴミの山に腰掛けながら一息つく。朝7時から掃除を始めたというのに現在時刻はお昼頃となってしまっていた。
「あいつらもそろそろ来るかな?」
お昼頃には掃除が終わってるであろうと予想して集合時間をこの時間にしていためそろそろ来るだろうと思い、様子を見るために門から道路に出て辺りを見渡したのだが……
「何アレ?」
視界に映るのは不機嫌な様子で台車を引く真白、その台車の上で座って談笑している優と鋼我、その横で頭を押さえている黒髪で青いメッシュの入った青年、そして最後に少し離れたところからその様子を眺めている桃花さんの姿があった。
「随分と買ったみたいだね〜」
横から顔を出した柊夜の視線の先には台車が映っている。近づいてくることで見えてきたのだが台車の上には様々な家具家電が乗っていた……いや、どういうこと?
「よっ凪都、必要だと思ったから買ってきたぞ」
俺の目の前まで台車が着くと上から鋼我が飛び降りてくる。それに続いて優も飛び降りてきた。
「ねぇ疲れたからお茶出してくれない?」
相変わらずな調子の真白はさておき初めて会う青年に声をかける。
「俺は䋆井凪都、君の名前は?」
「……あぁ、俺は
半分現実逃避をしていたのかやや遅れた反応が返ってきた。まぁ、気持ちはわかる。こんなのが近くにいたら現実逃避したくもなるよな。
「とりあえず入れよ。あーでも、家の中何もないからこの台車のやつ運び入れてくれると助かる」
「お邪魔します」
「邪魔するぜー」
「ねぇ、お茶まだー?」
「失礼する」
「迷惑かけるわね」
皆が思い思いの反応をしながら家に上がっていく。流石にみんなに任せきりにするのもアレなので俺も荷物を運んでいく。……誰だよボードゲームまで買ったやつ、絶対いらないだろ。
「僕はご飯の準備でもしておくよ」
「了解」
俺が反応すると柊夜は台車に乗っかっていたBBQセットを担いで庭に運んでいく。まじでどんだけ買ったんだ……いや、もうツッコミはやめよう。俺のキャパシティを超えてしまう。
買ってこられた家電や家具をそれぞれの部屋に置いたりしていたらお腹の空きが限界を迎える。この後家具たちの組み立てなどもしなきゃいけないが別にそれは今日ではなくてもいいので一旦置いておこう。
「これは壊しておくぞー」
「じゃあどっちがいっぱい壊せるか勝負ね」
「言ったな? 俺が勝ったら今度飯奢れよ」
鋼我と真白が庭に置いていた捨てる予定だった家具たちを粉々に粉砕していく。山になってたはずの家具はあっという間に姿を消し、代わりに木屑の塊が生み出されていた。
「凪都〜こっち手伝って〜」
荷物を入れるのが終わったのと同タイミングで柊夜から声がかかる。食材の下処理はほとんど済んでおり炭も既に火が付けられていた。
「これはもう焼いていっていい感じ?」
「うん、よろしくね」
柊夜に確認をとってから肉を焼いていく。肉は脂が多く火が通りにくいので先に焼き始めた方が野菜と時間の調整がしやすくて同時に焼きあがらせることができる。まぁ、困ったら網の端っこのほうに置いておけば焦げないけれども。
「お前をたけのこ派にしてやろう」
「何言ってんだこいつ……たけのこの食い過ぎて頭まで貫かれたか?」
「そんなこと言って、きのこのせいで頭終わったの?」
「これだからたけのこ派は分かり合えないな」
「悪いが私もたけのこを譲るわけにはいかない」
「だったら俺だってきのこを譲るつもりはないぜ」
「私もどっちかって言うとたけのこかな?」
「しゃーねぇ……なら潰すしかねぇな」
「あんた何言って……」
「死ね、真白!」
「お皿とか持ってきたよ、あっちはなんか盛り上がってるね」
少ししたら柊夜が紙皿や割り箸を持ってきてくれたのでそれを受け取って焼き上がった物たちを乗せていく。ちらりと他のみんなの方に目を向けると二つのグループに分かれて勝負をしていたので邪魔するのも悪いし先に食べ始めることにしよう。……お腹が空きすぎて待っていたくないわけじゃないぞ、うん。チガウヨ
「そういえば来週大丈夫?」
ご飯を食べていると柊夜が突然そんなことを聞いてくる。
「ん、何のこと?」
何かあったりするんだろうか。
「……あぁ、言ってなかったっけ? 来週の水曜日から3日間テストがあるんだよ」
この時期だし、中間テスト的なやつか。いや、でも編入してから1週間しか経ってないけどテストってあるもんなのか? 明日先生に聞いてみるか。
「それとこれからのことなんだけど、掃除もしたことだし一番最初の約束通りこの家を使う? それとも今はまだ一緒に暮らす?」
「うーん……どっちにするか」
ぶっちゃけこの家に一人暮らしとなると家は広いし色々と必要なものが多い。その点今まで通り柊夜と暮らすのは勝手が分かり始めたからやりやすい。いや、でもせっかく買ってこられた家具や家電を無駄にするのもな……
「問題がないならひとまずはこっちで暮らしてみようかな。せっかく買ったんだから家具とかを設置しておきたいし。まあ、食べ物はどうしようって感じだけど」
「そこらへんは当分問題ないんじゃない? だって今日買ってきてた食べ物が馬鹿みたいに多いし」
確かにな、触れてはいなかったが買い物組が買ってきた食べ物の量は異常だ。肉だけで15kgはあるし、余った分を小分けにして冷凍しておけば普通に何とかなるか。
「それに……いや、これは明日にはわかるから別にいっか」
「そういう気になる言い方はやめてくれ……」
明日一体何があるんだ? 悩みを解決できるような何かなんだろうか?
「冷めるのもあれだし僕みんなを呼んでくるね」
いくつかの食べ物を食べた後に柊夜が立ち上がる。
「よろしく」
「うん」
「みんなーごは」
柊夜がパタパタとみんなの方に行ったかと思えばゴンっという鈍い音があたりに響く。
「「あっ」」
綺麗な放物線を描きながらこちらへと飛んでくる柊夜。何事かと思い柊夜の飛んできた方向を見ればそこにはやっちまったという顔をした鋼我と優……そして、足元に転がった真白たちの残骸と焼け野原と化した庭が存在していた。
「どう……して……」
柊夜がそう言い残して気絶する。いやまじで何があったんだ?
今回の話はほぼ脳死で書いてたせいで全然記憶にないんでなんか変なところがあったら申し訳ない……それはそれとして評価やコメントなどを貰えるとモチベが上がるのでお願いします!(乞食)