元銀眼の魔女の死神代行の話   作:ラキアー

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 メゾン・ド・チャンイチが好きです。よそ様で散々題材にされてますし、拙作ではネタバレになるので、結局描けないんですよね。

 あんまりキリよくはないですが、今回は2話分だけ、とさせてください。



【#17】元銀眼の魔女の少年、死神の力を取り戻そうとする

 

 夜一を名乗る、喋る黒猫にレッスンを受けるよう言われ、石田雨竜を誘いに、井上織姫と茶渡泰虎がとある山奥へ足を運んでいたそのころ。

 

 

 

 

 

 浦原商店地下の勉強部屋にて、一護は浦原をにらみつけていた。

 

 背中には鉄裁にのしかかられて、にっちもさっちもいかなくされている。

 

 こういう時、『戦士』だったころの膂力が懐かしくなる。

 

 「怖ぁ。そんな人殺した目で睨まないでもらえます?」

 

 「何故鎖を切った?これが何なのか、当然知ってるんだろう?」

 

 扇で口元を隠す浦原に、一護は唸るように問いかける。

 

 「もちろんですよ。

 “因果の鎖”を切った以上、黒崎サン。あなたはもう肉体には戻れない。死ぬだけです。

 さらに、切断面から徐々に“鎖の浸食”が始まり、それが胸にまで達すれば」

 

 浦原は紙吹雪を吹かせながらこともなげに言った。

 

 「胸に孔が空いて(ホロウ)になってジ・エーンド♡」

 

 ぐっと一護は息をつめた。以前、ルキアが話した通りだ。

 

 このままでは、一護は(ホロウ)になる。

 

 「でも大丈夫。因果の鎖が切れても、(ホロウ)にならず、生き延びる方法が一つだけあります。

 それは・・・“死神になること”です!」

 

 浦原の言葉に、一護は目を見開いた。

 

 「そう!レッスン2とは、死神の力を取り戻すためのもの!

 このレッスンを終えた時、キミは再び死神の力を手に入れる。

 さあ、始めましょうか、レッスン2。“シャッタード・シャフト”!

 GO!」

 

 と、浦原は一護の前方を指さした。

 

 だが、一護の足元の地面がパカンと消え、「ああああああっ?!」と悲鳴を上げる一護とその背にのしかかる鉄裁は、深い穴の中に消えていった。

 

 なお、この穴は(ウルル)が張り切って掘ったので、浦原が想定している以上に深かったりする。

 

 穴の底で、一護はうめいて身を起こそうとした。

 

 だが。

 

 「?!」

 

 動かそうとして、腕が動かない。後ろ手に黒いひもで縛られたように固定され、楔のような金具を打ち込まれてさらに固定を重ねられている。

 

 「これは・・・?!」

 

 「縛道の九十九!“禁”!

 勝手ながら、このレッスンが終わるまで、貴方の腕を“禁”じさせていただきました!」

 

 胡坐をかいて印を組む鉄裁に、はるか穴の入り口から浦原の声が降ってきた。

 

 「さあ!その状態でここまで上がってきてください!それがレッスン2!

 “絶望の縦穴(シャッタード・シャフト)”!」

 

 「・・・無茶苦茶を言ってくれる・・・!」

 

 「おやぁ、無茶だのなんだの言ってる暇はないでしょう。

 ほぉら」

 

 悪態をつきながらも膝立ちになった一護をあざ笑うように、浦原がいった。

 

 「浸食はすでに始まってますよ」

 

 ぎょっとした一護の胸元。因果の鎖の端に、無数の口が現れ、それがぼりぼりむしゃむしゃと、鎖を貪り始めている。

 

 「?! うああああっ?!」

 

 さすがの一護も悲鳴を上げる。

 

 「断ち切られた因果の鎖は、それ自身が自らを食らい始めるんス。それが、“浸食”」

 

 「ぐううっ!」

 

 淡々と説明する浦原に、一護はそれでも抵抗しようと、鎖の端を地面にこすりつけ、“浸食”の妨害を試みる。

 

 だが。

 

 「駄目スよ。食うのを邪魔すると」

 

 次の瞬間、一護はわき腹の肉を引きちぎられていた。自らをむしばむ鎖についた口の一つによって。

 

 「自分が食われちゃいますよ」

 

 「っ・・・~~~っあ、がっ・・・!」

 

 激痛にもだえるしかできない一護に、浦原はさらに絶望的な事実を突きつけてくる。

 

 「通常、鎖の切断からその状態に移行するまでには数か月から数年かかりますが、この“絶望の縦穴(シャッタード・シャフト)”の底にはその自己侵食を活性化させる気体が充満させてあります。

 “絶望の縦穴(シャッタード・シャフト)”の底において、自己侵食が完了するまでの時間は・・・およそ72時間!3日です!

 それまでに死神になってそこから這い出してきてくださいね。でないと(ホロウ)になったあなたを、アタシらが始末しなきゃならなくなる」

 

 歯を食いしばり、侵食の痛みに耐える一護はあらゆる罵倒を喉の中に飲み込んだ。

 

 頭を下げたのは自分だ。了承したのは自分だ。だが、これは文字通り、悪魔と取引したような気分だった。

 

 「殺す気か?とでも言いたげですね?

 あなたがあきらめるなら、そういうことになる」

 

 せめて顔を上げて穴の入り口をにらみ上げる一護に、浦原は冷徹に言い放った。

 

 

 

 バリバリと何かを砕く硬質な音がする。鎖が自身を咀嚼する音だ。

 

 激痛に一護は歯をくいしばって耐えるしかできない。

 

 しばしの咀嚼が続き、満腹になったのか、鎖についた無数の口はちびたような傷となって、静かになった。

 

 現在、5度目の侵食が終わった。

 

 どうやら、これは数分間の“侵食”と、数時間の“睡眠”を繰り返すらしい。

 

 息を切らし、のろのろと一護は立ち上がる。

 

 “侵食”中は激痛で身動きもままならず、結果一護が行動するには、“睡眠”中である時しかない。

 

 ちょうど今のように。

 

 一護は両手を後ろに固定されたまま、微妙に反り返った壁を駆け上がる。

 

 3メートルほど登ったところで、足を滑らせて穴底に落ちる。何度それを繰り返しただろう?

 

 だが、現在一護に他にできることはない。

 

 霊力の操作は、死神でなければ難しいらしく、最初に無理やり腕を使おうとしたが、時間の無駄と判断してからは現在の方法に切り替えた。

 

 死神の力を取り戻すなど、具体的な方法がわかるはずもない。

 

 となれば、できることはこのくらいしかないのだ。何もせずに座して“その時”を待つなど、冗談じゃない。

 

 ハアハアと息を切らし、一護は仰向けのまま穴の入り口を見上げる。

 

 「うおーい」

 

 穴の入り口から声をかけてきたものがいる。花刈ジン太という少年だ。

 

 「腹減らねーかー?」

 

 「・・・っ・・・どういう意味だ」

 

 「質問してんのはこっちだぜ?腹減らねーかー?」

 

 からかうような調子のジン太の声に、一護は舌打ちした。賭けてもいい。絶対ろくな理由じゃない。

 

 幸い、一護は今は腹が減ってない。魂魄体なのだから、減るはずがない。つまり、その状態で腹が減るということは、まずいということだ。

 

 「・・・問題ねえ」

 

 ポツリと言って跳ね起きて、そのまま一護は壁を駆け上がる。

 

 「そりゃよかった!いいこと教えてやるよ!

 魂魄の状態で腹が減ったらそいつは危険信号だぜ。(ホロウ)になる一歩手前って信号さ」

 

 意地悪そうに笑いながら言ったジン太に、再度足を滑らせて穴底に落下しながら、一護は息をのんだ。

 

 「っ!」

 

 そらみろ。ロクなもんじゃなかった。

 

 「まー喉が渇くぐらいならまだ平気だぜ。そしたら俺の唾でも飲めや」

 

 言いながら、ジン太は穴の中に唾を垂らしてきた。

 

 チイッと一護は舌打ちすると、跳ね起きてちらっと一度ジン太を見上げてから、別の場所に向かって歩いていく。聞き分けのないガキを相手にするつもりはない、というかのように。

 

 「あ゛あ゛?!」

 

 ビキリッとジン太の額に青筋が浮かび上がる。このジン太様が、あの糞生意気なガキに、ガキ扱いされたのだ。

 

 「上等だコラァ!おい、(ウルル)!あのガキに当てるぞ!ぺっぺっぺ!ペッ!」

 

 「あい」

 

 「・・・っ!」

 

 穴の中を覗き込んで、無数に唾を吐き散らかすジン太と、それに続く(ウルル)。一護は体を唾で汚しながら、青筋を立てつつもこらえた。

 

 あとでこのガキども泣かす。

 

 一護は内心でそう強く誓った。

 

 なお、ジン太と(ウルル)による唾降らせ合戦は、同じく穴の内部にいる鉄裁(唾によって眼鏡がネトネト)の低い声に、中断となった。

 

 ジン太が震えあがっていたのは余談である。

 

 そんなある意味阿鼻叫喚の様子を尻目に、浦原は時間を確かめた。そろそろ外は夜だろうか?この部屋は時間が分かりにくくていけない。

 

 

 

 何度それを繰り返しただろうか。穴底に横たわる一護は、完全に時間感覚が狂っており、わからなくなっていた。

 

 穴を上るのも、この状況では難しいと結論を出さざるを得なかった。

 

 不意に、穴の上に影が差した。

 

 ジン太が飛び降りてきたのだ。大皿にフルーツを山盛りにして。

 

 「よお!

 食いもん持ってきてやったぜ!そろそろ腹減るころだと思ってよ!」

 

 意地悪そうな顔で笑うジン太に、一護は顔こそ上げて視線を向けはしたが、黙したまま答えなかった。表情も普段の仏頂面のまま、眉一つ動かさない。

 

 そろそろ腹が減る。つまり、早くてもう(ホロウ)に堕ちるということだ。鎖はまだ十分あると思っていたが、思っていた以上に時間がないらしい。

 

 「ちっ。この無表情野郎。何が楽しいんだ、テメー。

 まあ、とりあえず飯はここに置いとくぜ。この穴ん中じゃ時間がわかんねえのも仕方がねえしな」

 

 舌打ちして、ジン太は大皿をおいたが、一護は黙ったままだった。

 

 「いーこと二つ教えといてやるよ」

 

 つまり、悪いニュースが二つ追加ということだ。

 

 ジン太の言葉に、一護は「何だ」と話を促した。

 

 「あんたが“絶望の縦穴(ここ)”に入ってから、ちょうど70時間経った。早い奴なら、そろそろ(ホロウ)になるころだ。

 それともう一つ」

 

 ひときわ意地悪く笑って、ジン太はそれを告げた。

 

 「最後の“侵食”の規模は、今までの比じゃねーぜ!」

 

 その直後。その言葉が皮切りになったように、一護の胸の鎖に、無数の口が出現する。鎖のすべてに。

 

 「っ?!」

 

 息をのむ一護をよそに、鎖たちは共食いをして見る見るうちに鎖が減っていき、そして。

 

 鎖と胸をつなげる、蓋のような部分を食い破ってしまった。胸に、中心(こころ)を失った孔が開かれる。

 

 「あ゛」

 

 一拍呆然とした一護の目から、否、顔じゅうの穴という穴から白い泥のようなものが零れ落ちる。

 

 「ああああああああああああああああああああ!!!」

 

 こみ上げる膨大な苦痛と甘やかな恍惚にもまれ、一護は膝をついたまま絶叫した。

 

 抑え込めない。飢えていく。渇いていく。こみ上げてくる。力が。破壊衝動が。どす黒いものが。同時にどうしようもないくらい気持ちよかった。抑え込むのが馬鹿らしいという気さえしてくる。

 

 黒崎一護という自我が砕かれて失われていく。それは、妖力の制御を誤った『戦士』の末路――覚醒にも似ていた。

 

 白い泥はなおも吐き出され、一護の顔面にまとわりついて、徐々に仮面を形成していく。髑髏のような、剝き出しになった本能を外界から守る仮面を。

 

 ぎょっとする鉄裁。それでも、腕の拘束を維持しようと、霊圧をコントロールする。

 

 「おいおいおぉ!やっぱアイツ(ホロウ)になっちまったぞ!」

 

 大慌てで穴から脱出したジン太が叫ぶ中、穴を覗き込む(ウルル)が憐れむようなまなざしを一護に向け、やがてその手を一護に向けた。

 

 「“救済措置”に入ります」

 

 「待った」

 

 その肩に手をかけて、浦原が待ったをかけた。

 

 「キスケさん・・・」

 

 「よくごらん、彼を」

 

 言いながら、浦原は一護を見下ろした。

 

 「普通、(プラス)(ホロウ)に堕ちるとき、最初に霊体が爆散して組み変わるもんス。

 ところが、彼は順序がめちゃくちゃだ。体は(プラス)のまま、最初に仮面が生まれてきている。

 これは、彼の抵抗の証です」

 

 加えて、浦原は言わなかったが、一護の仮面を形成する速度は、通常の(ホロウ)のそれと比べると、異様なほど遅い。

 

 まだ希望はあるのだ。

 

 「彼が死神に戻る可能性はまだ残っている。

 もう少しだけ様子を見ましょ。彼が本当に、(ホロウ)になってしまうまで。

 ほんの、少しだけ」

 

 ポツリと浦原が言った。

 

 

 

 『聞こえるか?一護』

 

 呼ばれた気がして、一護はふっと目を開けた。

 

 いつの間にか、彼は異様な場所にいた。

 

 天を突くような摩天楼。現代的なガラス張りのビルと、石造りの塔が混じった奇妙な場所だ。加えてなぜか重力は横向きに働くそこに、一護は座っていた。

 

 ビルのガラス窓に、尻もちをつくような格好で。

 

 「・・・?」

 

 なぜここにいる?そもそもここは一体?不思議に思い、一護は周囲を見回した。

 

 『こっちだ』

 

 また声がした。

 

 そちらに目を向けると、そこに誰かがいた。

 

 流れる白い雲と蒼天とは対照的な、漆黒の長衣を風になびかせ、彼はそこにいた。一護が座り込むビルから突き出たポールの上に、見事なバランス感覚で立っていた。

 

 癖のある黒髪に、短いヒゲと目元をミラーシェードで隠した、長身痩躯の男だ。

 

 「・・・誰だ」

 

 『誰だ?何を言っている。私だ、■■だ』

 

 一護の問いかけに、男がしゃべるが、肝心な部分でノイズがかかったように聞こえない。

 

 眉を寄せる一護に、男が悲しげに目を伏せた。

 

 『・・・そうか。お前にはまだ届かないのか。

 悲しいことだ。一体幾度声を嗄らせば、私の声はお前に届く?

 お前以上に私を知る者など、この世の何処にも居はしないのに!』

 

 「? どういう意味だ?初対面のはずだと思ったが・・・っ?!」

 

 問い返そうとした一護は、ぎょっと目を見開いた。男がポールの真横に立ちなおしている。どうやって立っているというのか。

 

 『驚いたな。なぜそんなところに座っていられる?』

 

 男の言葉に、一護は気が付いた。男が異常なのではない。ビルの壁面にかかっていた重力が、突然正常化したのだ。

 

 「?! うあああああっ?!」

 

 当然落下する一護は、たまらず悲鳴を上げる。

 

 『絶叫とは余裕だな!頼もしいぞ!

 安心しろ!死神は死を司るもの!多くの霊なるものを支配する!』

 

 一護の隣に並んで落下しながら、黒衣の男が語った。

 

 「っ・・・俺は死神じゃねえ!」

 

 『そう!大気中に無数に飛び交うこの霊子さえも、足元に固めれば踏み台とすることができるのだ!』

 

 「!」

 

 思い当る節があった一護は言葉を詰まらせた。井上の兄であった(ホロウ)の攻撃で空中にたたき出されたとき、空中に踏みとどまったことがあった。あのことだろうか。

 

 『そう!そのように!』

 

 一護の内心を読んだように、黒衣の男が声を上げる。

 

 『そして知れ!朽木白哉に消された“死神の力”は、朽木ルキアから譲り受けた“死神の力”だけだったということを!』

 

 「っ?!」

 

 『当然だ。奴はそれだけに狙いを定めていた。それだけを消せばことは終わると思っていたからだ!奴は油断した!』

 

 ミラーシェード越しの男の赤いまなざしが、一護を射抜いた。

 

 『お前自身の“死神の力”を、奴は見落としたのだ!』

 

 「っ・・・俺自身の、“死神の力”?」

 

 『そうだ。朽木ルキアの“力”によって目覚め始めていたお前の“力”は、朽木白哉の攻撃の寸前に魂の奥底へと身をひそめたのだ』

 

 訊き返す一護に答えながら、黒衣の男は空中に踏みとどまった。

 

 『さあ、捜せ』

 

 黒衣の男が告げる。

 

 『隠れ去った“死神の力”を捜し出せる時があるとすれば、それはこの世界が崩壊を始めた今を於いて他に無い!』

 

 男が告げるとともに、摩天楼が崩れ、無数の白い箱と化して降り注いでくる。

 

 『今降ってきている無数の匣。この中のたった一つだけに、お前の“死神の力”が隠れている。それを、見つけ出せ!』

 

 「・・・っ、また無茶を言ってくれる・・・!時間がないんだろう?」

 

 『その通りだ。この世界が完全に崩れ去る前に見つけなければ、お前は(ホロウ)となるのだ!』

 

 苦々し気に顔をゆがめた一護に、黒衣の男は冷然と頷いた。

 

 直後、落下する一護の体躯は頭から地面に・・・たたきつけられる前に、崩れたアスファルトの裂け目から、漆黒の海の中に投げ出された。ひどく冷たい海だ。不思議と息ができるのは、現実ではないからだろう。

 

 こうしている間にも、現実の一護は刻一刻と(ホロウ)へと変化しているのだろう。何かが失われていくような焦燥感だけは、ここで目を覚ましてからずっと感じていたことなのだから。

 

 漆黒の海には、無数の白い匣が泡のように揺蕩っている。探す。この中から、たった一つの匣を。時間がない中で。

 

 そういえば、石田が言っていた。一護も、ルキアを見ていて、気が付いたことがあった。

 

 死神の霊絡は色が紅いこと。

 

 すぐさま一護は動いた。無数の匣の霊絡を出現させ、その中の赤いものを引っ張った。バカンッと匣が開かれる。

 

 そこから見えたのは。

 

 「斬魄刀の、柄・・・?」

 

 使い込んだ、茶色の柄巻きに、青い飾り紐をなびかせる柄は、何度も握りこんできたものだ。見間違えるはずがない。

 

 『よく、見つけてくれた・・・』

 

 背後から声がした。いつの間にか一護の背後に立っていた黒衣の男が、うれしそうに笑みを浮かべながら、こちらを見ている。

 

 『次こそは・・・私の名が、お前の耳に届くといいな・・・』

 

 思わず一護は、男に向き直ろうとした。

 

 だが、その時、わずかに残っていた摩天楼が、いよいよ完全に崩れようとしていた。限界だ。

 

 『何をしている!崩れるぞ!さっさと私を引き抜け!』

 

 男の叱責に、一護は斬魄刀の柄に手をかけた。




 そして、この話は続いていく。





 精神世界描写が違うのは、前世の記憶の所為です。

 でも、住民は健在です。誰がいるかはお察しください。

 次回は、勉強会終了、から尸魂界(ソウル・ソサエティ)行きになります。
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