もう一匹の悪魔   作:華風鱗月

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お待たせしました。タグにオリキャラアリを追加しました。と言っても殆どがモブで終わると思います。それと今回から原作とは異なる一部改変された部分が発生します。ヘルガーが居るからね。バタフライエフェクトですな。


運命の日 その4

 ヘルガーがCGSを抜け出す夜中から時を遡ること1日前、火星の軌道上に存在するギャラルホルンが所有する火星支部、静止軌道基地【アーレス】にて二人の男が居た。

 

 男の内、一人は治安維持を目的とした武装組織であるギャラルホルンの軍服を赤くした物を着込んでいる。男の名はコーラル・コンラッド、階級は三佐。ギャラルホルンの火星本部全体を取り仕切る支部長である。

 

「若さとは、純真さとはなんと美しい事だろう。地球との関わり深いバーンスタイン家の娘が独立運動の旗頭として扱われるとは皮肉なものだな。ノーマン・バーンスタイン君」

「はぁ…愚かな娘で…」

 

 もう一人の男はスーツを着こなしつつも緊張しているのか額から流れ出る汗をハンカチで拭き取っている。男の名はノーマン・バーンスタイン、ヘルガー達CGSの参番組に地球渡航の護衛を頼んだクーデリア・藍那・バーンスタインの実の父親である。

 

「いやぁ愚かさもあそこまで行けば立派なものだ。だからこそクリュセの…いや火星中のならず者達も彼女を支持するのだろう。ならば完全なるカリスマとして永遠の民衆の記憶に残る様、我々も手助けをしようじゃないか」

「はい…お手柔らかに…コーラル閣下」

 

 コーラルとノーマン、二人はコーラルの執務室にてコーラルの腹心である部下を一人側につけて会話をしている。どうやらノーマンは自身の娘をコーラルに始末してもらおうとしている様だった。

 

「ではそう言う事で…私は失礼します」

「えぇ、お帰りは部屋の外に待機している部下に案内させましょう」

「心遣いありがとうございます…」

 

 要件を終えたと言わんばかりにノーマンは座っていた肌触りの良い高級なソファから立ち上がりそそくさと部屋から出て行った。そんなノーマンを見届けたコーラルはフンッ…と鼻を鳴らし、自身も部下を引き連れて部屋を出ていく。そして部屋を出た通路の先にあるエレベーターに乗り込んだ。

 

「自分の娘を売っておきながらお手柔らかにと来た。腑抜けとはあの男の事だな、娘の爪の垢でも飲むといい」

「ハッ」

 

 コーラルはノーマンが居なくなり狭い密室となっているエレベーターにてノーマンは馬鹿にする。

 

「しかしこれで厄介な地球からの監査も好機に変わる。ノブリスからの援助を受ける為にもあの娘にも頑張って貰わないとなぁ」

 

 エレベーターが目的の階に到着し扉が開く。その階には重力が無いらしくコーラルと部下の二人はふわりと浮かんでいた。

 エレベーター内から出た二人は直ぐに巨大な人型のロボット、モビルスーツが複数機並んでいるカタパルトデッキへと辿り着く。

 

「オーリス!作戦が決まった。今回はお前に指揮を取ってもらう!」

「了解!」

 

 コーラルはカタパルトデッキの側にある足場にて待機している数名の兵士の内、金髪の男に呼び掛ける。金髪の男の名はオーリス・ステンジャ。

 

「クランク!お前は元教え子をサポートしてやれ!アルト、バッカーク、プロンプトの3人も共に出撃だ!」

「「「「ハッ!」」」」

 

 オーリスの側に居た髭を生やした中年の男性、クランク・ニーと赤毛でメガネを掛けているアルト、坊主頭のバッカーク、そして他のメンバーよりも一回り図体の大きな筋肉質の男プロンプトの4人が返事をする。

 

「アイン!」

「あ、はい!」

「貴様は今回が初陣だ。しっかり励め!」

「了解であります!」

 

 そして最後の一人、黒髪で他のメンバーより若く新米パイロットであるアイン・ダルトンにコーラルが激を飛ばす。そしてコーラルはその姿を見てうむ!と頷き「作戦内容は貴様等で決めろ!良いな!」と言い残して自身の執務室へと帰っていったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オルガさん!大変だ!襲撃されてる!」

「解ってる!お前らは車庫に行ってモビルワーカーの出撃準備を急げ!俺もすぐに行く!!」

「了解!!」

 

 時は進みヘルガーがCGSを抜け出して約2時間後、時間で言えば真夜中の3時頃に突如としてCGSは何者かに襲撃されていた。

 参番組の隊長であるオルガは参番組の年少に位置する子供からの報告を受けながらモビルワーカーが置かれている車庫へと向かっていた。

 

 そして車庫にたどり着くとそこには上半身を裸にして今からモビルワーカーに乗り込もうとしていたユージーンの姿を見つける。

 

「状況は?」

「おせぇぞ!今三日月と当直のシノの隊が出たとこだ!第二ハンガーから明宏たちも出てる!ただヘルガーの奴が居ないってアイツの隊の連中はまだ出れてねぇ!」

 

 ユージーンは遅れてやって来たオルガに文句を言いつつも直ぐに現在の状況を説明する。そこにビスケットがやってきてオルガの背中にある阿頼耶識に機械を取り付けてもらう。するとそこに…

 

「何やってんだ!?お前ら参番組は総員で敵の頭を抑えろ!」

 

 一軍の隊長とその腰巾着であるハエダ・グンネルとトド・ミルコネンがやって来た。

 

「敵って、相手が分かったんですか?」

「う…そ、それは…ギャラルホルンが…」

 

 言い淀んだハエダの口からは治安維持を目的とした巨大な武装組織であるギャラルホルンの名が出てくる。そこに側にいたユージーンが「なっ!?」と驚き、

 

「どうしてギャラルホルンが!?」

 

 と疑問を口にする。しかし…

 

「知るわけねぇだろ!」

「良いからとっとと出ろぉ!」

 

 とハエダ達も何故襲われているのか分かっていないながらもそれでも参番組を出撃させようと声を響かせる。

 

「一軍は?本隊はどう動くんです?連携は?」

 

 そこに冷静なオルガはハエダに一軍の動きを聞く。がハエダはまた言い淀みながら

 

「お…俺達は回り込んで背後を撃つ。挟撃だ!だからそれまでお前らはしっかり相手を抑えとけ!」

「分かったな!?」

 

 とその場しのぎである事が明確な作戦を伝え立ち去っていく。それに対しユージーンは直ぐに出撃しなければならない為、舌打ちをしながら「行くしかねぇか…!」と呟きながらモビルワーカーに乗り込んだ。

 

「オルガ…」

「あん?」

「うちの動力炉以外のエイハブウェーブが観測されてる…しかも数が最低でも5個も…」

 

 オルガの側に居たビスケットは不安を隠しきれない表情でエイハブウェーブを観測した事を伝える。

 

「相手がギャラルホルンならもしかすると…!」

「クッ…」

「オルガ、早くしろよ!」

「……ビスケット、頼みがある」

 

 オルガはビスケットの話に一瞬悩むがユージーンの急かす声に直ぐに何か決めたのかビスケットへと向き直りとある事をビスケットに頼み込んだ。

 

「分かった、直ぐにやるよ。それじゃあ」

「あぁ頼む…そこのお前ら!」

「「「はい!」」」

「シノと明宏を1度下がらせる!そん時にあいつ等の隊に組み込んでもらえ!」

「「「了解!」」」

 

 隊長であるヘルガーが不在となっている隊員達はオルガの支持の元直ぐ様モビルワーカーへと乗り込み出撃を始める。

 

「よし、すまねぇ待たせたユージーン。出てくれ」

「やっとか!掴まってろよ!」

 

 オルガは自身もユージーンが乗り込んでいたモビルワーカーへと搭乗口から上半身を外に出した状態で乗り込む。それを確認したユージーンは直ぐに車庫から戦場へとモビルワーカーを発進させる。

 

「シノの隊は一旦下がれ!ダンテの隊と交代で補給だ!」

『オルガぁ!?おせぇぞ!』

「わりぃな、ミカと明宏も戻れよ?あと補給ついでにヘルガーの隊の連中をそれぞれ組み込んでやってくれ」

『ヘルガーの隊って…まさかアイツまた抜け出してたのかよ!』

「あぁ、最悪なタイミングで襲撃されちまったが頼む」

『仕方ねぇな…!』

『わかった』

 

 車庫から出て直ぐにギャラルホルンのモビルワーカーによる砲撃が鳴り響く中、オルガは指示を出す。そんなオルガの元へとダンジとタカキの二人が駆け寄って来る。

 

「オルガさん!数足んないならオレを出してください!ヘルガーの兄ちゃんのモビルワーカー退けても1台空いてます!」

「ダンジ!お前そんな…「駄目だ」!」

「っ…何でですか!少しでもモビルワーカー出して戦わないと!」

 

 ダンジは戦力として己も出す様にオルガへと頼み込み、タカキはそんなダンジを止めようとするがオルガは即座にダンジの頼みを拒否する。そしてダンジへ別の仕事を頼む。

 

「ダンジ、お前には別の仕事をしてもらいたいんだ」

「別のって…?」

「正面のギャラルホルンの連中にバレねぇ様にモビルワーカーでここから抜け出して欲しいんだ。んでもってクリュセの外れにある倉庫街にいるヘルガーを呼び戻して欲しいんだ」

 

 ダンジへ頼んだ仕事、それは会社から抜け出しているヘルガーを呼び戻す事だった。ヘルガーはCGSの中でもモビルワーカーの扱いが三日月に続いてかなりの腕前をしている。そんなヘルガーが戻ってくれば三日月、明宏、ヘルガーの三大戦力でギャラルホルンの連中を押し返せるかも知れない。

 そしてダンジの性格的に戦闘に出してしまえば前に出過ぎてやられてしまう可能性がある。故にオルガはダンジを戦闘に参加させず別の事で役に立ってもらおうとしていた。

 

「あと数時間で日が登っちまうがまだ暗い、ヘルガーのモビルワーカーならまだ連中の目を誤魔化して抜け出せる筈だ」

「でも戦力は多いほうが」

「だからだよ、お前がヘルガーを連れてきてくれりゃ戦力二人分増えるんだ」

「……わかった!直ぐにヘルガーの兄ちゃん連れてくる!タカキ、阿頼耶識繋げるの手伝ってくれ!」

「わ、わかった!」

 

 自身も戦いに出て手柄を立てたい気持ちを押し殺し、自身に与えられた仕事をこなそうとダンジはすぐ様走り出した。その後を追う様にタカキもまたオルガの元を離れていく。

 

「頼んだぞ!……よし待たせたなユージーン、進んでくれ」

『気にすんな。しかしヘルガー呼び戻すっても間に合うのかよ?』

「さぁな。だができる事はするしかねぇよ」

 

 とは言うもののオルガは内心先程ビスケットに伝えられた事が

心に引っ掛かっている。

 

(ビスケットの言う事が本当ならやばいかも知れねぇ…そん時は動力室のアイツを使うしかねぇか…)

 

 オルガは不安になりながらも決意し、仲間が死なない様に指示を出し始めた。

 

 

 

 運命の時まであと少し

 

 

 




今回は三人視点かつギャラルホルンが襲撃する前にアーレスで起こった出来事と襲撃された時のお話でした。
原作との改変としてギャラルホルン側にオーリス、クランク、アインの三人に追加でアルト、バッカーク、プロンプトと言うパイロットが参加します。つまりモビルスーツが6機も襲撃します。お嬢様殺害するのにそんな数いらんやろ…。

そしてダンジにはヘルガーに襲撃された事を伝えると言う重大な仕事を任された事で死亡回避ルートに入ります。ヤッタゼ
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