もう一匹の悪魔   作:華風鱗月

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前回書けませんでしたがおやっさんのバイクは独自設定です。ただの使い捨てである参番組にバイクは持たせないだろうしモビルワーカーを持ち出せば即座にバレるだろうと言う事でおやっさんにはバイク所持者になってもらいました。


運命の日 その5

「よしやっと着いた!」

 

 おやっさんから借りたバイクを飛ばす事しばらくすると目的地であるクリュセの街の外れに存在する倉庫街へとやって来た。

 バイクから降りて近くの大型倉庫へと近づいて行き扉を開ける。中は真夜中と言う事もあって真っ暗だが入ってすぐの場所にあるスイッチを上げる事で電気を点ける。

 

 すると部屋中の電気が点灯し部屋の中に鎮座する巨大な人型の物体が視界に入る。

 その人型は全身が基本黒く細部に紫が散りばめられ、頭部には両頬部分が顎へと尖って牙のように見え、そして獣の耳の様な形状をしたアンテナが2本後頭部の方へと伸びている。そして両腕部に巨大な爪が2本ずつ伸びた小型のシールドが搭載されている。スラリとした造形をしながらもどこかマッシブかつ獣の様な印象を見せている。

 

「よう、数ヶ月ぶりだな」

 

 その人型こそ、ご先祖様から代々受け継いで来たラインハルト家のモビルスーツだった。

 

「明日から地球に行くせいで数ヶ月間はお前の整備をしてやれないからな。今日はとことんしてやるよ」 

 

 そして今回の仕事で貰える金で良い部品を買ってやれば全盛期だった頃の300年前の状態に幾分か近付けるはずだ。

 

「じゃあ早速始めるか」

 

 モビルスーツの近くに立てられた階段を登っていき途中階段に放置していた整備道具を手に取ってコックピットの中に入る。中に入れば数ヶ月感放置していたせいか埃っぽくなっているが気にせずシートの上に置いてあった端末を手に取りながら座る。

 

「取り敢えず始めにサルベージをっと…て言っても殆ど発掘し終わってるからなぁ」

 

 端末とコックピット内の機器をコードで繋げて情報のサルベージを開始させながら呟く。元々会社に入社する前からサルベージは続けていたし、掛けられていたロックも阿頼耶識を取付けてからは突破している為見たことない情報なんて殆ど無い状態だろう。

 

「なんか新しい情報が出てきたら儲けモンって事でいいか。んじゃサルベージは端末に任せて整備をだな…」

 

 端末が自動でサルベージし始めたのを見届けてからモビルスーツの整備を始めた。

 

 

 

 

 

 しばらく整備をしていると倉庫の窓から少しずつ薄っすらとだが光が差し込み始めたのに気が付く。時折仮眠していたがどうやらかなり集中していた様で数時間も時間が経っていたらしい。

 

「ん〜!はぁ…整備の方もかなり進んだし今日はここ等で終わりにするか…」

 

 長時間同じ姿勢でいたせいで体が凝り固まっているのを伸びをしながら解して行く。肩や背中からパキパキ!と鳴る辺りかなり固まっていたようだ。

 

「さて、そろそろ帰るか…って何の音だ?」

 

 早速帰ろうとモビルスーツから降りていると聞き慣れた駆動音が聞こえてくる。この音はモビルワーカーだろうけど…いったい誰が早朝間際のこんな寂れた倉庫街来たんだ?

 

 倉庫街にやってきた人物の事が気になるがとっとと帰ろうと階段を降りていく。すると突然倉庫の出入り口の扉が開かれた。

 

「ヘルガーの兄ちゃん!大変なんだって…なんだこれ!?」

「ダンジ!?なんでお前が…」

 

 扉を開け放って入って来たのはまさかのダンジだった。なんでこんな時間にダンジの奴が…?と言うか大変って…

 

「おいダンジ、大変って何があったんだ?」

「っとそうだ!大変なんだヘルガーの兄ちゃん!今うちの会社にギャラルホルンが襲って来てるんだよ!」

「はぁ!?なんでギャラルホルンが…ってまさか!」

 

 まさかお嬢様関連でギャラルホルンが来たのか…!?火星独立運動の旗頭なんて治安を不安定にしている筆頭そのものだ。それがギャラルホルンからしてみたらどう言う訳か周囲の安全を気にしなくていい街の外にある警備会社に居るんだ。お嬢様を捕まえる絶好のチャンスじゃないか!

 

「しかし襲ってきてるってまさか攻撃されてんのか?」

「そうなんだよ!モビルワーカーの大群で今の所オルガさん達が対抗してるけど…俺オルガさんにヘルガーの兄ちゃん連れて来るように言われたんだ!」

 

 モビルワーカーって…確かギャラルホルンのモビルワーカーはうちのより大型かつ装甲が分厚い筈だ。そんなもんが大群で襲撃してきたらいずれやられるじゃないか…こうなったら

 

「だからヘルガーの兄ちゃん!モビルワーカーに早く乗っ「いや待てダンジ」何!?」

「モビルワーカーじゃ戻るのに時間が掛かる。それならアイツを動かして向かった方が早い、手伝ってくれ」

「アイツって…ってかさっきから気になってたけどあれってモビルスーツだよね!?」

「そうだよ!良いから手伝ってくれ!」

 

 踵を返してモビルスーツへと戻って行く。リアクターに関しては起動するのに時間が掛かるからずっと付けっぱなしにしているし直ぐに準備は終わる。早くしないと…!

 

「手伝うって何を」

「一先ずそこに置いてあるインターフェイスを持って来てくれ!」

「わ、わかった!」

 

 コックピット付近に近づきながら服を脱いで上半身裸になる。そしてコックピットを開いて中に乗り込んでモビルスーツのシステムを起動させていく。

 

「ヘルガーの兄ちゃん!持ってきたよ!」

「よし!直ぐに背中に取り付けてくれ」

「わかった…ハイ繋げたよ!」

 

 ダンジに背中を向けて阿頼耶識のインターフェイスを付けてもらう。ついでにモビルスーツのシステムも完全に起動したから後は阿頼耶識で俺とモビルスーツを繋げるだけ…なのだが前に1度繋げた時、流れ込んでくる情報がモビルワーカーとは段違いすぎて気絶した事がある。その後は情報の伝達量に一部制限を掛けたがそれ以降繋げていなかった。だからまた気絶しないかと不安になってしまう。

 

「ふぅ…ケーブルを繋げてくれ」

「わかった。行くよ?」

「おう…うグッ…!?」

 

 ダンジがケーブルを繋げた瞬間モビルスーツから大量の情報が流れ込んでくる。クソッ制限掛けてもこんなきついのかよ…!だが気絶する程じゃ無い分マシにはなっているみたいだ。

 

「だ、大丈夫かよヘルガーの兄ちゃん!」

「だ、大丈夫だ…!今からコイツを動かすから離れてろダンジ…!」

「お、おう!」

 

 

 コックピットから降りて離れて行くダンジを見届けてコックピットを閉じる。よし体の方も大分マシになってきている。早速動かすか。

 

「300年ぶりのお目覚めだぞっ…と!」

 

 足元のペダルとレバーを操縦して片膝立ちの状態だったモビルスーツを立ち上がらせる。すぐ側にあった足場を押し退け、更には倉庫の高さが合わないらしく天井も打ち抜いて立ち上がる。

 

 モビルスーツの胸元まで外に飛び出してしまったが気にせずそのまま背部に背負っていたバックパックから注入していた推進剤を噴射してジャンプ、そして道路に降り立って会社のある方向を向く。

 

「ダンジ!お前はそこのモビルワーカーで後から来い!良いな!」

 

 倉庫内の安全な場所の方まで下がっていたダンジには遅れて来るように言っておかないといけない。どうやら俺のモビルワーカーでここまで来たみたいだが黒い俺のモビルワーカーは夜間なら闇夜にまぎれて抜け出せる。恐らくオルガの差し金だろうがそんなモビルワーカーも朝日が登り始めた今じゃ逆に目立っちまう。

 

 まぁそもそもモビルスーツとモビルワーカーじゃ機動力が段違いだ。そこまで気にする事じゃ無いかもしれないが…念の為だ。モビルワーカーにまだ乗り込んでいないダンジからは返事が届かないが気にしてる場合じゃ無い。

 

 一先ず周囲の地形を確認する為に網膜投影を開始するが…その前に少し目線を下げると小型のモニターが円形状のマークとモビルスーツの型式番号、そしてモビルスーツの名前を映し出していた。

 

 型式番号ASW-G-24、つまりガンダムフレームの24番目にロールアウトされご先祖様が乗りこなした悪魔…その名は

 

「これが初陣だ。頼むぜ…ナベリウス!」

 

 ガンダム・ナベリウス。これがコイツの名前だ。網膜投影を開始したナベリウスの全身のスラスターから推進剤を噴射、会社へと急行する。即座にナベリウスはトップスピードに到達し全身に掛かるGから血液が後ろへと向かうのを感じた。

 

「行くぞナベリウス…!」

 

 

「皆を助けに!!」

 

 

 

 

 




ハイ。と言う事でガンダム出せました!ヘルガー君が搭乗するガンダムはソロモンの悪魔の24番目、ナベリウスです!

え?前々回に登場と活躍は次次回で描くと行ったじゃないか?

アレは嘘だ。

登場シーンと活躍シーン分けて書いた方が一つ一つしっかり書けそうだったんで分けちゃいました。まぁそう言う事で次回、ナベリウスとヘルガーの活躍お見せしますんでお楽しみに









久々に鉄オル見返したら網膜投影で周り見てたみたいなんでちょいと修正しました…
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