もう一匹の悪魔   作:華風鱗月

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ナベリウス無双は〜じまるよ〜


冥界の番犬

 CGSにギャラルホルンが襲撃を開始して暫くして、CGSの社員である1軍と社長は参番組を囮にその場から逃げ出そうとしていた。

 だがビスケットが事前に1軍のモビルワーカーに取付けていた閃光弾が打ち上がりギャラルホルンのモビルワーカーがそれに釣られ形成を建て直しかけていた。

 

 しかしオルガ達参番組は即座に別の危機が訪れる。なんとギャラルホルンは単眼の異形とも言える人型のモビルスーツ、グレイズをその場に投入。その数なんと6機もである。明らかに過剰戦力だった。

 

 だがオルガ達は諦めない。オルガは三日月に動力室へと向かいCGSの動力源となっていたモビルスーツを起動させる様に向かわせる。その間残った人員でグレイズに対して時間稼ぎを行っていた。

 

 ギャラルホルンは指揮官機であろうグレイズだけが参番組を甚振る様に攻撃をして他の5機はその場に立ち尽くしていた。これはオルガ達にとっては好機だった。流石に6機も相手では如何しようも無いが1機だけなら犠牲は出てしまうが時間稼ぎは可能だった。

 

 指揮官機であるグレイズとの戦闘から少し経った頃、グレイズの指揮官機に搭乗していたパイロット、オーリスは周囲に指示を出していたオルガに気が付く。

 

『貴様が…指揮をしているのか?』

 

 モビルワーカーを操縦しているユージーンは自分達に向かって撃ち込まれるマシンガンの弾丸を避けながら逃げ始める。

 

「死ぬ死ぬ死ぬ〜!!」

「死なねぇ!死んでたまるか!このままじゃ…」

 

 オーリスはちょこまかと逃げ惑うモビルワーカーに照準を合わせるのが億劫になったのか白兵戦用の武装である斧を手に取りユージーン達へと接近する。

 

「こんな所じゃ…!」

 

 逃げていたユージーンはモビルワーカーを反転し立ち止まる。逃げる事に諦めたのかとオーリスは嬉々として斧を振り被ってオルガ達へと飛び込む。

 

「終われねぇ…!!」

 

 

 

「だろ…ミカァ!!

 

 次の瞬間、オルガ達の目の前の地面から白いモビルスーツが大型のメイスを振り被って現れグレイズを迎撃する。胸部にメイスを叩き込まれグレイズに搭乗していたオーリスは何が起こったのか理解していないままコックピットを胸部ごと潰され死んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 な、なんだあのモビルスーツは…!地面から突然現れた白いモビルスーツの手によってオーリスが一瞬にしてやられてしまった…

 

『そ、そんな…オーリス隊長が!ここにモビルスーツが有るなんて情報は無かったのに…!』

 

 いかんアインの奴めオーリスがやられた事に動揺してしまっている。アルト達3人の方はどうだ?

 

『オイオイまじかよ…!』

『そんな…!』

『オーリスの奴がやられただと…ってこれは!?』

 

 どうやらアイン程動揺はしていないがそれでも動揺はしているか。そしてバッカークの奴が何か発見したらしい。

 

「どうした!バッカーク!」

『ク、クランクニ尉!それがあのモビルスーツ以外にエイハブ・ウェーブの反応を捉えました!』

「なんだと!?」

 

 今この場に存在する我々ギャラルホルンのモビルスーツはグレイズ6機のみ。そしてあの白いモビルスーツ以外に新たなエイハブ・ウェーブの反応が取れたと言う事は恐らく奴等の仲間だろう。

 

「数は!方角と距離は」

『数は1!方角は6次の方向、我々の真後ろ約600m、直ぐに接敵します!』

「何!」

 

 グレイズの後方カメラをモニターに映すとかなりの速度で向かってきているのか土煙を出しながら黒いモビルスーツを捉えた。どうやら黒いモビルスーツの方は白いモビルスーツとは違い武装らしい武装は腕のクローだけのようだ。ならば…!

 

「アルト、バッカーク、プロンプト!お前達3人は後ろから来る黒いモビルスーツをやれ!俺とアインはあの白いモビルスーツを足止めする!アイン!貴様は援護だ!」

『『『了解!』』』『りょ、了解!』

 

 総指揮をしていたオーリスが殉職してしまった為俺が指揮を取りアイン達に指示をだす。それと同時に俺は白いモビルスーツへと接近を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会社が見えてきたぞ…!同時に面倒くさいのも見つけたけどなぁ!」

 

 ナベリウスを操縦し会社へと向かっていた俺は遂に会社の建物を視界に捉えると同時に緑色をしたモビルスーツ、(アレはギャラルホルンが採用しているグレイズだな)が5機、いや何故か起動しているうちの会社の動力源となっていたモビルスーツの足元にももう1機倒れているのが見えた。

 

「あのモビルスーツに乗ってる奴が誰かは知らんが助太刀するぜ」

 

 っとグレイズ達との距離が300mを切った瞬間5機中3機のグレイズがこちらに向かって手に持っていたマシンガンを乱射してきやがった!

 

「アッブねぇなぁ!」

 

 即座に腕をクロスする様に胸元に掲げ腕に取り付けられたシールドでガードをする。次の瞬間シールド部分に弾丸が着弾し金属音が連続で鳴り響く。が着弾しているのシールド部分、更に確かサルベージした情報じゃナベリウスのシールド部分にはナノラミネートを複数回重ねて防御力を上げる試験的な試みが試されている。お陰で通常よりも固くなっているシールドはマシンガン程度の弾丸じゃダメージは一切入らない。

 

「もうちょい近付いて……今だ!」

 

 ガードしたままグレイズ達へと接近し距離が150mを切った瞬間、クロスしていた腕を解いてナベリウスの胸部を晒す。次の瞬間肩部分の装甲の一部が開き幾つか特殊弾を発射させる。

 

 発射された弾は空中で弾頭から大量のスモークを散布し始める。肩部に内蔵されたスモークディスチャージャーからスモーク弾を発射したのだ。

 

 瞬く間に周囲一帯を煙で視界を遮る。このスモークもナベリウスの特殊武装の1つで視界と赤外線を遮断する事でレーダー系の探知を妨害する代物だ。

 

 スモーク弾を射出して直ぐに煙幕の中に入る。この煙はナベリウスにもレーダーに影響が出てしまうが問題ない。ナベリウスの頭部の耳の様なアンテナは音響レーダーを搭載しまさに耳の役割を担っている。お陰でグレイズ共の位置が動いていないのは把握出来ている。

 

 グレイズの中でも一番距離が近い奴に狙いを付ける。機体をその場に止めて姿勢を下げ勢い良く地面に向かって腕を下から上へと打ち上げる様に振り上げる。

 

 地面にクローが当たると地面を砕きながら大小様々な岩は狙いを付けていたグレイズの元へとかなりの速度で飛んでいく。

 

 煙幕から飛び出して来た岩をギリギリで避けたのかグレイズの位置が少し動いたのを音響レーダーが拾う。恐らく今グレイズは姿勢を崩している筈だ…ならば!

 

「飛べナベリウス!」

 

 バックパックから推進剤を勢い良く噴射してナベリウスを大きく前へとジャンプさせる。そして煙幕の中から飛び出すと矢張り予想通りグレイズは機体を半身反らした状態で武器を構えていない状態だった。

 

 煙幕の中から飛び出したナベリウスはグレイズを飛び越える機動でジャンプしている。その状態から腕を伸ばしグレイズとすれ違う瞬間、グレイズの頭部、詳しく言えば顎の部分に手を引っ掛けて飛び出した勢いを利用し、着地と同時に腕を振り下ろしてグレイズの姿勢を崩して地面に叩き付ける。

 

『ウグゥ…!!』

 

 グレイズと接触したからか接触回線が繋がり中のパイロットの呻く声が聞こえてくる。声的に年上ではあるがまだ若さのある声だ。

 

「先ずは1人目」

『まっ、待ってくr』

 

 中のパイロットが静止の声を上げていたがコックピット部分にクローを勢い良く突き立てる。グレイズの胸部装甲を難無く貫通しコックピット事中のパイロットを潰した。

 

「命のやり取りをする戦場でわざわざ待つかよ…」

 

 クローをグレイズから引き抜いてついでにグレイズが装備していた斧を手に取って立ち上がる。立ち上がるついでに残っていたグレイズ2機に視線を向けると2機の内1機がこちらへと走り出していた。

 

『アルトまで一瞬で…あの野郎!!』

『待てっバッカーク無理に近づこうとするな!』

 

 味方を一瞬でやられたのに動揺しているのか向かって来ているグレイズは通信回線をオープンの状態で叫んでいる。対して静止していたグレイズはそんな相方に続いて遅れて走り出していた。

 

「んな一直線に向かってきてんじゃねぇよ!!」

 

 グレイズから拝借した斧をアンダースローの姿勢で思い切りぶん投げる。斧はグルグルと回転しながらグレイズへと向かって行き…

 

『し、しまった!』

 

 よし!回避するのが間に合わずグレイズの足に当たって転倒した。後はこのまま一気に近付いて…

 

『何やってるんだバッカーク!早く起きろ!』

 

 ッチ…もう片方のグレイズが追い付いて倒れた方を守る様に前に立ちはだかった。それなら先ずはお前から倒してやる!

 

 ナベリウスを前傾姿勢の状態でグレイズへと迫る。グレイズも迎撃としてマシンガンを放つが両腕のシールドでガードしている為ダメージにならない。

 

『クソッこうなったら!』

 

 マシンガンではダメージを与えられないと踏んだのかグレイズが斧を手に取って向かって来る。そして互いに白兵戦の間合いに近付いた瞬間、グレイズは斧を振り被って…今だ!

 

「オッラァ!」

 

 ガードの為に胸元付近に待機させていた片腕を思い切りグレイズの振り被った斧の柄の部分を横から当てるように振り払う!

 

『何!?』

 

 ガァーン!と甲高い金属音が鳴り響きながらグレイズが振り下ろそうとしていた腕は横から突如として発生した衝撃によって弾かれた。

 

 チャンスだ。腕を振り払われ胸部を晒して大きな空きを作り出したグレイズへ即座に一撃を叩き込む為にナベリウスを操作する。

 

 両腕をグレイズの首の後ろにやって首の後ろで組む。これで万が一にも逃げる事はできない!後は全身のスラスターを上空へとベクトルを向けて噴射、特に左脚の脹脛部位にあるスラスターの噴射量を一気に増やして左膝を胸部に叩き付ける!

 

「これで2人目」

 

 膝蹴りがグレイズに直撃した瞬間、膝の装甲部に搭載されていたギミックを発動させる。次の瞬間グレイズは衝撃によって吹き飛んで行く。

 

 グレイズに密着していたナベリウスからは持ち上げた左脚の膝からは1本の杭が飛び出していた。ニードルパイル、それがこの杭の名称でありナベリウスのコンセプトを活かす最大の武器の一つだった。

 

『化物…』

 

 残り1機になったグレイズは倒れた状態のまま硬直している。そんなグレイズに近づいて行き、うつ伏せの状態を脚で転ばして仰向けにさせる。

 

『なんでお前みたいな奴がこんな所に…!!』

 

 中のパイロットが何か喚いているが無視して逃げ出さない様に腕を踏み付けて拘束する。そして胸部に残っていた脚を照準を合わせるように持ち上げて…振り下ろす。

 

『ひっ!』

 

 1度目じゃコックピットを守る重要な箇所である胸部の分厚い装甲とナノラミネートアーマーは貫通出来ない。だからもう一度脚を持ち上げて振り下ろす。

 

『やっやめ!』

 

 2回、3回、4回、連続で振り下ろす。まるで子供が地団駄を踏む様に、がむしゃらに振り下ろす。回数をこなせばこなす程胸部は凹んでいく。そして最後、トドメの一撃として最後にもう一度持ち上げて…

 

「3人目」

『死にたく…!!』

 

 完全に胸部が凹み中のコックピットはペシャンコになったグレイズからはもう声は聞えなくなっていた。

 

 




型式番号ASW-G-24 ガンダム・ナベリウス
全高 18.5m
本体重量 26.5t
動力源 エイハブリアクター2機
フレーム ガンダムフレーム

 汎用性を求めつつ機動性を底上げして敵へとインファイト戦を仕掛ける事をコンセプトに製造された。その為機動性向上のために装甲が薄くなっている。

現時点で使用された武装

小型特殊シールド
 両腕部に搭載された小型シールド。表面には後にガンダムグレモリーに正式採用されたナノラミネートコートのプロトタイプを試験的に実装され通常よりも高い防御力を誇り、通常よりも装甲が薄いナベリウスを守る。

シールド付属クローブレード
 シールドに搭載されたクローブレード。ブレードと付くように突き刺すだけでは無く斬撃としても使用可能。(簡単に言えばウルヴァリン戦法出来ちゃう)

ニードルパイル
 両膝装甲に搭載されたパイルバンカー。インファイト戦をコンセプトにしたナベリウスはかなりの至近距離で戦闘する為に一撃必殺の武装として採用された。

音響レーダー
頭部に搭載された獣の耳の様な形状をした音響レーダー。後述の煙幕内や越しでも敵機の位置を把握可能。

肩部内蔵スモークディスチャージャー
肩部の装甲に内蔵されたスモークディスチャージャー。ディスチャージャーから射出されたスモークは赤外線レーダーを阻害しナベリウスの居場所を隠す。
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