もう一匹の悪魔   作:華風鱗月

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お久しぶりです。
鉄オル最後の投稿から約半年、おまたせしました。
投稿の遅れの原因ですがモチベが下がってしまい、新しく別の小説を投稿していたりしたのですが、とある事情で忙しくなってそもそも小説自体書く暇が有りませんでした。

そんな私ですが一段落したのでゆっくりとですが全体的に投稿再開する予定ですので良ければ気長にお待ち下さい。

もしこの作品だけ見ておられる方も気が向いたら別の投稿作品も見ていって下さい!

では本編どぞ


襲撃後

『おい何だあれ!?』

『黒い…モビルスーツ…』

 

 ミカがモビルスーツに乗ってギャラルホルンのモビルスーツを倒したと同時に現れた黒いモビルスーツ。それに気付いたのかギャラルホルンは黒いモビルスーツに向かって攻撃を続けている。

 

「何が起こってるか分からんがあの黒いのとは仲間じゃないらしい…ミカ!一先ず黒いのに向かってる奴らは放置で残りを潰せ!」

『分かった』

 

 ミカの奴は短く返事をすると通信を切ってミカへと向かっていくモビルスーツとの戦闘を始めだした。一先ずコレで奴らの注意はミカと黒いのに向いている…その間に

 

「モビルワーカーを動かせる奴は全員退け!動かせない奴も降りて戻ってこい!」

『お、おい!あいつら援護しなくて良いのかよ!』

 

 ユージーンが援護をするべきだと言う。確かに3対1と2対1の状況、普通に考えれば危険だがミカの操縦技術なら2対1程度なんてことは無い。黒い奴は分からんがミカがギャラルホルンのモビルスーツを倒してる間ぐらいは持ってくれるはずだ。それに…

 

「どうせ援護してもモビルワーカーの豆鉄砲じゃモビルスーツにダメージなんて入らねぇんだ。逆に注意引いてやられちまったら意味がねぇだろ」

『そ、それはそうだけどよ…!』

「大丈夫だよ。お前もミカの強さ知ってんだろ?ミカを信じろ」

『……分かったよ。確かに三日月の奴が負けるなんて事は無いだろうし…けどもし三日月が危なかったら俺は援護に行くからな!』

「あぁ、そん時は頼む」

 

 そうして俺達はミカと黒いモビルスーツへいつでも援護で出れるように待っていたが…

 

 5分も経たずにギャラルホルンのモビルスーツは黒いモビルスーツと戦っていた3機はやられ、ミカと戦っていたモビルスーツも損壊して撤退していった。

 

 そうして撤退しだしたギャラルホルンを追い掛けようとしたミカだが何故か急に動かなくなってしまう。一体何があったのか心配して近付こうとユージーンに指示を出そうとした時、

 

『オルガァ!無事か!』

「この声は…ヘルガーか!?」

 

 ヘルガーの声が黒いモビルスーツから聞こえてくる。まさかあれに乗ってるか…!?

 

「まさかお前が乗ってんのか?」

『あぁ、ダンジから話聞いてかっ飛ばして来たんだ』

「そ、そうか…と言うかどっからんなモビルスーツを…」

『その話は後でしてやるから、取り敢えずおやっさん呼んできてくれ。こっちのパイロット、多分気絶してんぞ。』

 

 気絶…そうかだから動かなくなったのか。取り敢えずはヘルガーの言う通りおやっさんを呼んでくるように誰かに頼む。

 

「すまねぇが誰かおやっさんを呼んできてくれ!念の為救急キットも頼む!」

 

 コレで一先ずは大丈夫だ。しかしダンジにヘルガーの奴を呼び戻すよう頼んだがまさかモビルスーツを隠し持って居たなんてな…だがお陰でピンチを抜け出す事が出来た。

 

「助かったぜ…ミカ、ヘルガー」

 

 黒いモビルスーツから降りてくるヘルガーを見つめながら二人に感謝の言葉を人知れず呟いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺とグレイズ達が接敵し、戦闘開始から5分も経たずに戦闘が終了後、うちの動力源となっていた白いモビルスーツ(後で聞いた話だがパイロットは三日月だったらしい)と戦っていたグレイズ2機が撤退し、ギャラルホルン襲撃は辛うじて俺等CGS…と言うよりは参番組の勝利で終わった。

 

 戦闘後はギャラルホルンが残していったモビルワーカーやモビルスーツや、撃破されてしまった参番組のモビルワーカーの残骸の回収を行っている。

 

 生き残った皆が忙しなく動いてる中、俺はオルガ達と話し合っていた。

 

「何人やられたんだ?オルガ」

「まだ完全には分かってないが最低でも数十人はやられた…どうやらギャラルホルンの奴ら、お嬢様が狙いだったみたいだが…」

 

 数十人…なんでも動力源のモビルスーツを起動させるまでの時間、命懸けで戦っていたらしいがかなりの数やられちまった…。

 

「そうか…クソッ…すまねぇ俺がもっと早く着いていれば…」

「いや、気にしなくて良い。そもそもダンジにお前を呼び戻す様に頼んでなけりゃ全滅の可能性だってあったんだ」

「だがよ…つーか一軍の奴らは何処なんだ。俺が付いた時に彼奴等のモビルワーカー一つも見当たらなかったが…」

 

 俺が到着した時には一軍のモビルワーカーの姿が一つも無かった。あいつら普段仕事しないんだ、こういう時ぐらい働けよ…!

 

「一軍の奴らは裏口が社長と一緒に逃げ出してったよ。回り込んで挟撃するって言ってな」

「なっ…フッざけんな!俺等参番組を囮に逃げたのかよ!そんでお前はそれを許したのか!?」

 

 まさかオルガの奴、何もせずに通したのか…いやオルガはそんな事する奴じゃ無いが、それならなぜ…

 

「タダで逃がすわけねぇだろ。一軍のモビルワーカーに照明弾取り付けて打ち上げてやったよ。ギャラルホルンはお嬢様が狙いだったんだ、そんな中ここから逃げ出す集団が居たら追い掛ける筈だからな。普段仕事しない一軍様に一つ花を持たせてやったよ」

 

 そう言ってニヤリと笑うオルガ。なるほど確かに、一緒に戦っても邪魔になる連中なんだ。囮役をしてもらった方が少しは役に立つか。

 

「そうかそれなら良かったよ。ただ大丈夫なのか?あいつらの生き残りが戻ってきたら何か報復でもされそうだぞ?」

「それについては考えがある。取り敢えず気にしなくて良い」

 

 そう言うとオルガは回収作業を行っている参番組の奴らを見つめながら黙ってしまった。

 

「…そうか、まぁお前がそう言うなら俺は気にしないでおくよ。少し歩いてくるわ」

「おう」

 

 踵を返し、後ろ手を振りながらその場を離れていく。取り敢えずは俺の隊の奴らの元に向かうとしよう。

 

 そうして少し歩くと一箇所に集まっている数人の子供(と言っても俺と1〜3歳ぐらいしか離れていない)を見つける。

 

「!ヘルガーさん!」

 

 子供達の内、茶髪のサイドを剃り込みしている奴が俺に気付いて近付いてくる。

 

「無事だったかライト」

「はい!なんとか」

「良かったよ。お前らも無事で良かった」

 

 茶髪の子供、ライトとその後ろでしゃがんでいる金髪で肩まで髪を伸ばしているジン、そしてジンの側に居た腕を怪我したのか包帯を巻いているドグの3人。

 

「他の奴らは…?」

「っ…それが、俺等以外は…」

 

 ライト達以外のメンバーが見当たらない事に気が付いてどうしたのか聞くとライトが言葉を詰まらせる…そうか…

 

「死んじまったのか…」

「…!はい…三日月さんがあのモビルスーツを起動させるまでの時間を稼ぐ為に…モビルスーツに向かっていって…」

「そうか…」

 

 いつもいつか金持ちになると言っていたアンドー、将来は本屋を開きたいと言っていたビリー、モビルワーカーの操縦の腕を上げるためにコツを聞きに来ていたマイク、毎度馬鹿騒ぎをする双子のジェイドとジェイル…全員良い奴らだったのに死んじまった…。

 

「ヘルガーさん…何処に行ってたんですか…」

 

 死んでしまった皆の顔を思い出しているとしゃがみ込んで居たジンが立ち上がってそう言う。

 

「あんたが居なかったから…上手く連携が取れないシノさんや明宏さんの隊に組み込まれて…それであいつら死んじまった…!あんたがいれば!あんたがいれば…死ななかったかもしれないのに…!」

 

 そう言って掴み掛かって来たジンをライトとドグが押さえてせき止める。ジンの顔は涙で濡れていた。

 

「落ち着けジン!皆こんな事が起こるなんて分からなかったんだ!ヘルガーさんを責めるのは「お前の言う通りだよ。ジン」…!…ヘルガーさん」

「すまねぇジン。確かにお前が言う通り俺が居ればアンドー達は死ななかったかも知れない。すまねぇ…!」

 

 ジンに向かって頭を下げて謝罪をする。ジンの気持ちは痛い程分かる。俺が自分の趣味を優先して抜け出しさえしなければジンの言う通り生き残って居た可能性もあった。だけど俺は趣味を優先して抜け出したのは事実、それのせいでアンドー達は死んでしまったのかも知れない。

 

 俺がその場に居たら、俺がCGSを抜け出す日が1日早ければ、これは結局そんなたらればの話に過ぎない。だがジンにとってそんな事は関係ない。ジンにとって仲間だったアンドー達が死んだのが事実であり、俺がCGSに居なかったのも事実なのだから。

 

「…分かってるんです…わかってるんですよ!きっとあんたが居ても、死んでたかも知れないってのは…!でも!でも…」

「…すまねぇ…!」

「……クソッ!」

 

 再度頭を下げて謝罪をするとジンは居た堪れなくなったのかライトとドグを振り払ってその場を離れていってしまった。

 

「ジン!」

 

 ドグはそんなジンの後を追い掛けて離れて行く。その場に残ったのは俺とライトの二人だけだった。

 

「ライト、お前にも謝るよ、すまねぇ…」

「いえ!気にしないでください!さっきも言いましたけど誰だってまさかギャラルホルンが襲ってくるなんて分からなかったんです!仕方ないですよ」

「そう言ってくれると助かるよ」

 

 ライトは気を遣ってかそう慰めてくれる。今はライトだけでもそう言ってくれるのは救いだった。

 

「いえ…俺ちょっとジン達の所行ってきます」

「あぁ、今俺が行っても逆効果だろうしアイツのこと頼むわ」

 

 「それじゃ」と言い残してライトもジンが走っていった方向へと歩き出していく。こうしてその場には俺だけが残る事になる。

 

「はぁ…」

 

 ライトの姿が小さくなっていくのを見届けた次の瞬間、崩れ落ちる様にその場にしゃがみ込んでしまう。

 

「隊長失格だな…」

 

 さっきまではギャラルホルンとの戦闘で出ていたアドレナリンが残っていたが部下の死とジンの叫び、それらが俺の思考を急速にネガティブにしていくのを感じる。

 ギリギリライト達の前ではなんとか保てて居たが…流石にきつくなる…。

 

「暫くジンに顔向け出来ねぇな…」

 

 そう呟いて、暫くの間俺はその場にしゃがみ続けていた。

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