こんな世界でも美味いコーヒーが飲みたい   作:yamaneko3

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 作者はブルアカもやってるんですが、アークナイツとの差よ......。
 同じ会社が出してるとは思えねえよ。
 ブルアカには救いがあってアークナイツにはない。はっきりわかんだね。

 
 今回はちょっと短いです。


一人でゆっくり飲むのもいいが、友人と語らいながら飲むコーヒーもまた格別の美味さ

 

 見事に滑って気まずくなった俺は、時間稼ぎも十分だろうと帰ることにした。ミーシャはどうしようかと思ったが、この状況で攫える程薄情で空気が読めないわけじゃないからな。正直この作戦の成否には興味ないし、ガスマスクボーイには悪いが、もうちょっと苦労をかけることになりそうだ。

 とりあえずアーミヤ達と別れて拠点に戻ろう。コーヒーが飲みたい。

 

「じゃあそろそろ。またな、ウサギちゃん」

「ウ、ウサギちゃん。......ええ、また」

【また会おう】

「おう、ドクターも気をつけてな」

 

 敵である俺が言うのもおかしいだろうが、これぐらいは言わせてほしい。

 アーミヤ改めウサギちゃん達に背を向け、来た道を戻る。そこそこ時間がかかりそうだが、帰った時の言い訳を考えるにはちょうどいい時間だろう。ありがたく有効活用させてもらう。

 それから数十分、歩いたから想定より遅くなってしまった。

 拠点のガタついているドアを開ける。中は相変わらずボロくて、慣れてしまった悪臭が漂っている。

俺が入ってすぐに、ガスマスクボーイが睨んできた。何か言わなければと思って口をついて出てきたのは、道中考えていた言い訳だった。

 

「あー、別に何もしなかった訳じゃないぞ?ミーシャは捕まえられなかったけど、時間稼ぎぐらいはしたし」

「......もういい。どうせあいつらは逃げられないんだ。お前のことなんて当てにしたのが間違いだった」

「そう言うなって。今回のはちょっと運が悪かったんだよ」

 

 適当な言い訳を並べるが、こいつは呆れたようにため息を吐くだけだった。今のところ何の役にも立ってなくて、明らかに年下の奴に呆れられるとか、大人として情けなくなる。だがちょっと前まで喧嘩すらしたことのなかった俺に期待されても仕方ないというか。ともかくこんなヒョロガリに期待しないでほしい。

 憂鬱になったからコーヒーでも飲んで落ち着こうとした。インスタントでマズイがないよりマシだ。とりあえず二杯作った。

 

「それで?次はどうすんだ?」

「......追手は既に送った。情報が来るまで待機だ」

「てことは今暇なのか、お前。じゃあちょっとばかし俺のコーヒーブレイクに付き合ってくれ」

 

 そう言って俺は二杯の内まだ口を付けていない方をガスマスクボーイに差し出した。少し強引かもしれないが、こうでもしないと一緒にコーヒーなんて飲んでくれないからな。

 なんで一緒に飲むのかって?そりゃこのクソマズイコーヒーを少しでも美味くするためだよ。飯が人と一緒に食べた方が美味いように、コーヒーだって人と飲んだ方が美味いんだ。

 ガスマスクボーイは不服そうだったが、やがておずおずといった様子でガスマスクをずらし、口だけ露出させてコーヒーを飲んだ。

 

「......苦いし、まずい。なんだってお前はこんな物を飲んでいるんだ?」

「最初はみんなそう言う......というか、ここのコーヒーがマズイだけか。まあ、一度ハマりだすともうやめられねえんだよ。どんだけマズくても、そこにコーヒーがあるなら飲みたくなるんだ」

「......コーヒー狂いが」

「ひっでぇ」

 

 もったいないとかどんな理由かどうかは知らないが、ガスマスクボーイはずらされたガスマスクから覗く口元を歪ませながら、ちびちびと飲んでいた。本来初めて飲む奴にはミルクや砂糖を入れるのを薦めるんだが、生憎ここにはないから二人ともブラックだ。

 それにしても、こうしてゆっくりする時間ができると色々考えてしまう。これからどうなるのかとか、結局美味いコーヒーはいつ飲めるのだろうか、とか。他にもこいつのミーシャへの明らかな執着心も気になる。

 もうこの際思い切って本人に聞いてしまおうか。

 

「そういや聞いてなかったけどさ、結局ミーシャってお前の何なの?」

「......あいつの父親は名のある科学者で、政治的にも重要な立ち位置にいた。だから何か重要な情報な情報を知っているかもしれないあいつを、レユニオンは狙っている」

「......答えになってねえよ。レユニオンじゃなくて、お前にとってどういう存在なのか聞いたんだよ」

 

 入ったばかりで信頼できない新人への対応としては妥当だが、こいつは俺に一切身の上話をしないから、ますます気になってしまうのだ。これまでの感じからミーシャが大事なのは分かるが、どういう関係なのか知らない。恋仲じゃないのは分かってるが。

 ガスマスクボーイはしばらく沈黙していた。そこで、部屋の隅にいたレユニオン兵がこちらに歩いてきて、ガスマスクボーイの後ろで止まった。

 

「なあ、スカルシュレッダー。こいつには話してもいいんじゃないか?どうせある程度は察されてるだろうし、こいつが裏切るような奴じゃないってことは、ここ数日の働きで分かってるだろ」

「............」

 

 その言葉に俺は面食らう。

 そうか、他のレユニオンの奴らからしたら、俺はスラム街の名を上げた感染者で、かつガスマスクボーイの命令に忠実、まさに立派なレユニオン兵ってわけか。

 実際は怠惰だし、脅されてるから忠実なんだけどな。まあ、嬉しい誤算か。

 そのレユニオン兵のことが信頼に足る人間だったからか、理由は分からないが、ガスマスクボーイは重々しく口を開き始めた。

 

「......ミーシャは俺の姉だ。昔離れ離れになってから、生きているかどうかも分からなかった。......今回の任務で、初めて生きていることを知った。俺はミーシャを連れ戻したいんだ。できることなら、レユニオンに来てほしい。それが、俺にとってのミーシャだ。............質問には答えたぞ」

「なるほどねえ。......安心しろよ、口外なんてしねえから」

「......何も言ってないぞ」

 

 自分の想いを語ったことと、思考が読まれたことに照れているのか、わかりやすく態度に出る。

 はっ、少しはガキっぽいところもあるじゃねえか。可愛げのない奴だと思ってたが、意外な一面もあるもんだ。

 笑ってガスマスクボーイに睨まれたところで、ちょうどコーヒーがなくなっていたことに気がついた。

 それと同時に、ガスマスクボーイにレユニオン兵が耳打ちし、ガスマスクボーイは立ち上がり全員に指示を出した。

 

「ロドスの奴らが見つかった。現在追撃部隊が交戦中だが、苦戦しているらしい。お前達、同胞達を助けに行くぞ!」

 

 ガスマスクボーイの声に呼応して、大きな喚声が上がる。

 仲間を助けたいっていう思いは嘘ではないだろうが、一番はミーシャを連れ戻したいってことだろうが。信頼の置ける部下なら、本音で話したっていいだろうに。まったく、これだから組織ってのは嫌なんだ。

 さっきまで飲んでいたコーヒーは美味かったはずなのに、口の中に残ったコーヒーの味が、心底マズく感じられた。

 

 ほんと、クソマズイ。





 あれ?なんかシリアスになってる。シリアル目指してたのに。
 クソッ!これもどう足掻いても絶望しかないアークナイツっていうゲームが悪いんだ!許さんぞ陸八魔アル。
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