【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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10_帰路

「アキィ……」

 

「どうした」

 

「アキィ……」

 

「ちょっと顔見せろ……うん、酔ってるなこいつ」

 

「酔ってないよぉ」

 

「はいはい……」

 

 3次会まで来ると、へべれけになっている。

 しかし、今日のミツキの髪色は紫。

 ラッキーカラーだ。

 目が座った状態で座布団の上に座っている幼馴染は明らかに、正常な判断が出来る状態では無い。

 俺がいなかったら、きっと3人の誰かにお持ち帰りされていただろう。

 

 ただ、ここまで酔ったらあとは、この場にいようがいまいが関係無い。

 帰るか。

 広瀬さんは……まあ、何でも良いか。

 

「広瀬さん、俺はこの酔っ払いを送ってくる」

 

「はーい、じゃあ私も帰りまーす」

 

「えっ──フウカちゃんも帰っちゃうの!?」

 

「うん、ミツキちゃんと一緒に帰ろうって決めてたから」

 

 どうやら、2人はそういう約束をしていたようだ。

 リスク管理ができていて感心感心! 

 別に広瀬さんがお持ち帰りされても気にしないけど、そういう気では無いらしい。

 男3人に、女2人。

 ここから始まるのは熾烈な女の取り合いか……恐ろしいな、若いやつらの飲み会。

 おっと、そうだそうだ。

 

「今日は邪魔してごめんな、これで支払っといてくれ」

 

 今の代金を見て、二倍の額を置いておく。

 これだけありゃあ大丈夫だろ。

 

「拓哉、金に困ったら言えよ」

 

「──おう!」

 

 帰路。

 広瀬さんも少しだけ足元がふらついている。

 肩に掴まるように言うと、素直に従ってくれた。

 ついでに家まで送ろうかと提案したら、そこまでは大丈夫だと。

 なら、せめて駅までは送ろう。

 

「広瀬さんは飲み会、普段は参加しないんだっけ?」

 

「はいー、あ、でもミツキちゃんと2人でならお酒を飲んだりする事もありますよー」

 

「そうか、コイツと仲良くしてくれてありがとな」

 

「いえいえ、仲良くしてもらってるのは私で──」

 

「うん?」

 

 なぜか途中で言葉を止める。

 俺の顔と、俺の背中で寝息をかいているミツキの顔を見た。

 

「アキくんは、ミツキちゃんのお兄さんみたいですねー」

 

「ははっ、そんな事コイツが聞いたら機嫌損ねちまうよ」

 

「そんな事ないですよー」

 

「そうなのか」

 

「そうなのです」

 

 広瀬さんは、思った通り色々と周りが見えている子だ。

 ポワポワしているように見えるのは、落ち着いたところから観察するため。

 この子ならミツキも安心して友達できるだろう。

 客観的な視点と、強固な自我。

 うん、俺も安心だ。

 コウキさんはこの事を知っているのかな。

 

 四門光輝(よつかどこうき)、ミツキの父親で、元一級探索者。

 俺が探索者になろうと決めたのも、実はこの人の影響が多少ある。

 まあ、四門家に着いたら聞けば良いか。

 

「アキくんとミツキちゃんは、付き合ってないんだよねー?」

 

「付き合ってないぞ」

 

「ふむふむ……じゃあー、ミツキちゃんが他の男の子と付き合ったらどう思う?」

 

「寂しい」

 

「そうなのですかー?」

 

「隣にいるのが当たり前だったから、いられなくなるのはとても寂しいよ」

 

「……なかなか、難しいのですねー」

 

「そうだな」

 

 付き合う。

 俺がこの子と付き合う、か。

 近過ぎてあんまり意識した事なかったけど、想像した事が無いわけではない。

 ただ……

 

「コイツと付き合うなら、こわーい親父さんのお墨付きをもらわないと難しいだろうな」

 

「四門光輝さん、だよねー?」

 

「そう、あの人は結構厳しいからな」

 

「ひぇぇ〜」

 

「はっはっは!」

 

「んう……」

 

 広瀬さんはひらひらと、クラゲのように手を揺らす。

 そんな動きが面白くて笑ったら、ミツキがグズついた。

 危うく起きるところだ。

 

「さてー、駅ですねー」

 

「うん、夜道には気を付けてな」

 

「アキくんはー、オオカミさんですかー?」

 

「俺? いや、俺はオオカミじゃないよ」

 

「あらー、予想が外れましたね、ではー」

 

 ふらーっと、改札を抜けていった。

 ……面白い子だな、あの子は。

 見てて飽きない。

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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