【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「アキィ……」
「どうした」
「アキィ……」
「ちょっと顔見せろ……うん、酔ってるなこいつ」
「酔ってないよぉ」
「はいはい……」
3次会まで来ると、へべれけになっている。
しかし、今日のミツキの髪色は紫。
ラッキーカラーだ。
目が座った状態で座布団の上に座っている幼馴染は明らかに、正常な判断が出来る状態では無い。
俺がいなかったら、きっと3人の誰かにお持ち帰りされていただろう。
ただ、ここまで酔ったらあとは、この場にいようがいまいが関係無い。
帰るか。
広瀬さんは……まあ、何でも良いか。
「広瀬さん、俺はこの酔っ払いを送ってくる」
「はーい、じゃあ私も帰りまーす」
「えっ──フウカちゃんも帰っちゃうの!?」
「うん、ミツキちゃんと一緒に帰ろうって決めてたから」
どうやら、2人はそういう約束をしていたようだ。
リスク管理ができていて感心感心!
別に広瀬さんがお持ち帰りされても気にしないけど、そういう気では無いらしい。
男3人に、女2人。
ここから始まるのは熾烈な女の取り合いか……恐ろしいな、若いやつらの飲み会。
おっと、そうだそうだ。
「今日は邪魔してごめんな、これで支払っといてくれ」
今の代金を見て、二倍の額を置いておく。
これだけありゃあ大丈夫だろ。
「拓哉、金に困ったら言えよ」
「──おう!」
帰路。
広瀬さんも少しだけ足元がふらついている。
肩に掴まるように言うと、素直に従ってくれた。
ついでに家まで送ろうかと提案したら、そこまでは大丈夫だと。
なら、せめて駅までは送ろう。
「広瀬さんは飲み会、普段は参加しないんだっけ?」
「はいー、あ、でもミツキちゃんと2人でならお酒を飲んだりする事もありますよー」
「そうか、コイツと仲良くしてくれてありがとな」
「いえいえ、仲良くしてもらってるのは私で──」
「うん?」
なぜか途中で言葉を止める。
俺の顔と、俺の背中で寝息をかいているミツキの顔を見た。
「アキくんは、ミツキちゃんのお兄さんみたいですねー」
「ははっ、そんな事コイツが聞いたら機嫌損ねちまうよ」
「そんな事ないですよー」
「そうなのか」
「そうなのです」
広瀬さんは、思った通り色々と周りが見えている子だ。
ポワポワしているように見えるのは、落ち着いたところから観察するため。
この子ならミツキも安心して友達できるだろう。
客観的な視点と、強固な自我。
うん、俺も安心だ。
コウキさんはこの事を知っているのかな。
四門光輝(よつかどこうき)、ミツキの父親で、元一級探索者。
俺が探索者になろうと決めたのも、実はこの人の影響が多少ある。
まあ、四門家に着いたら聞けば良いか。
「アキくんとミツキちゃんは、付き合ってないんだよねー?」
「付き合ってないぞ」
「ふむふむ……じゃあー、ミツキちゃんが他の男の子と付き合ったらどう思う?」
「寂しい」
「そうなのですかー?」
「隣にいるのが当たり前だったから、いられなくなるのはとても寂しいよ」
「……なかなか、難しいのですねー」
「そうだな」
付き合う。
俺がこの子と付き合う、か。
近過ぎてあんまり意識した事なかったけど、想像した事が無いわけではない。
ただ……
「コイツと付き合うなら、こわーい親父さんのお墨付きをもらわないと難しいだろうな」
「四門光輝さん、だよねー?」
「そう、あの人は結構厳しいからな」
「ひぇぇ〜」
「はっはっは!」
「んう……」
広瀬さんはひらひらと、クラゲのように手を揺らす。
そんな動きが面白くて笑ったら、ミツキがグズついた。
危うく起きるところだ。
「さてー、駅ですねー」
「うん、夜道には気を付けてな」
「アキくんはー、オオカミさんですかー?」
「俺? いや、俺はオオカミじゃないよ」
「あらー、予想が外れましたね、ではー」
ふらーっと、改札を抜けていった。
……面白い子だな、あの子は。
見てて飽きない。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない