【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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100_ああ、懐かしい

 椅子に座った状態で目が覚めた。

 目の前には平原の一本道。

 

『…………あぁ』

 

 これは、なんて懐かしい夢を見るんだ。

 久しぶりにここに来た。

 昔のことを思い出したからだろうか。

 それとも、お伽話の話をしたからだろうか。

 何にせよ……やることは分かっている。

 

 素足のままに。

 歩く。

 歩き続ける。

 どこまでも歩いていく。

 

 太陽は隠れた。

 銀河が渦巻き、クラゲが遊泳する夜空からはいくつもの流星が堕ちてくる。

 これは知らないな。

 視界に入る火の球。

 草原に降り注ぎ、衝突するたびに巨大な地響きと音を撒き散らす。

 火球と呼称されることもある流星そのものではないか。

 

 いいや、よく見れば宇宙より来る隕石では無い。

 一つ一つが第二期の世界で見た物だ。

 新たな秩序の中に生み出された、人類の新たな歴史。

 ミツキ達が何も思わずに享受する奇跡の世界。

 

 素晴らしいと、第一期の人類を代表して拍手を送りたい。

 彼らは地殻変動という、B級映画でしか見たことのない絶滅の危機を乗り越えたのだ。

 

 きっと、俺の想像では再現できないような苦難があっただろう。永井先生の調査だけでも、魔素が人間と世界にもたらした試練は凄まじいものだった。

 そして現実とは常に、俺たち人類の想像を超えてくる。

 俺がこの世界にやってきたように、調べきれない暗がりの事実は地面の下に眠っているに違いない。

 

 平原──そんな下地に乗っかっている世界を無視して歩く。

 火球が、現実が、大地に衝突してどうなったかを見る必要は無い。

 大事なのは道。

 目指すのは彼方。

 遥かな過去。

 俺が持っていた物。

 

 培った経験。

 築いた財。

 愛した人。

 

 この手の中にあった筈の俺の人生は、余さず加賀美明宏に受け継がれた。

 

 人生とは記憶でしか無い。

 証拠はどこにもなく、個人の記憶の中でのみ生き続ける。そして記憶とは、脳に刻まれる物理的な現象だ。

 多くの者はそう考えている。

 だけど、俺は違う。

 魂に刻まれた記憶。世界を超えて尚、俺の中にある愛しいモノ。

 確かに俺が経験した人生。

 

 或いはあれは、胡蝶の夢だったのかもしれない。

 数十年間、俺は子供のままに夢を見ていたのかもしれない。想像力豊かな子供の妄想が生み出しただけなのかもしれない。

 本当は俺なんか存在しなくて、加賀美明宏の夢の中の登場人物なのかも。

 

 それでもいいんだ。

 たとえ夢の中であろうとも、俺は確かに生きていた。

 記憶にあるものが俺の人生ならば……

 アイツと出会って、あの子と共に生きた。

 それが真実だ。

 

 ここに来ると、何でこんなに感傷的になるのか。

 どうしてこんな夢を見るのか。

 いつまで俺は歩き続けるのか。

 どうやったらこの夢を見なくなるのか。

 どこまで歩き続けるのか。

 それは分からない。

 だけど、一つだけ分かっていることがある。

 

 俺の夢だ。

 

 目指すものを思うだけで全身に力が漲る。

 たとえそれが他者には理解されずとも。

 幼馴染にすら微妙な顔をされようとも。

 関係無い。

 

 夢への道は長く、果てが無い。

 水面に映った月に触れることができず、空に浮かぶ月に歩いて辿り着くことができないように。

 成し遂げるにはどれだけの時間がかかるのか、全く見えない。

 

 だからこそ価値がある。

 だからこそ、やる気が出る。

 だからこそ──人生を賭けるんだ。

 

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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