【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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11_厳格?な父

「ふーん、ふん、ふん、ふーん」

 

 軽く鼻歌を唄う。

 背中のミツキが目覚めないように。

 子守唄代わりに。

 変わらず俺が覚えている、前の世界の歌。

 この世界には無い歌。

 ああ、俺は絶対的に俺だ。

 何と素晴らしい事なんだ。

 

 バッグには魔石とスマホ。

 この魔石はそこまで大きく無い。

 明日にでも換金しよう。

 そして、探索のための資金にする。

 俺は今すぐ焼肉を食べたいわけじゃない。

 ……いや、本当は食べたいけど我慢はできる。

 俺は焦らない。

 一歩一歩、進んでいくぞ。

 何事も耐えてこそ新たな道が開ける。焼肉のことばかりを考えるのは良いけど、思わぬ角度から道が開けるかもしれないのだから。

 

 タクシーを呼んでミツキを押し込む。

 運ちゃんに行き先を告げると、少し驚いたようだった。

 

「四門家じゃないですか、その住所」

 

「まあ、はい」

 

 チラッとバックミラーを見て、ミツキの顔を確認する。

 事情は理解したようだ。

 とはいえ、運ちゃんもプロ。

 それ以上の深入りはしてこない。

 ミツキは窓際に座らせて、俺は真ん中に座った。

 車の揺れで首がぐわんぐわん行きそうだったからな。

 怪我させたらシャレにならん。

 

 「はい毎度」

 

 車を走らせること30分、ミツキの実家に着いた。

 1人暮らししてる方のアパートに連れていっても良かったんだけど、親父さんにあらぬ嫌疑をかけられても面白くない。

 代金を支払い、ミツキを背負う。

 タクシーが走り去ったあと、門前に立ってベルを鳴らした。

 

「ちわーっす、宅配でーす」

 

『おう、入れ』

 

「うっす」

 

 相変わらず話が早いことで。

 家に入ると意外と質素……に見えて、そこら辺にいかつい武器が飾ってある。

 俺のナイフが比較にもならないほどにはやべえ物だらけだ。

 

「ミツキ、家に着いたぞ? 起きろー」

 

「んん……」

 

 靴を脱がせても、いまだに意識は夢の中。

 あとはコウキさんに引き継げば良いか。

 ……いや、せっかく娘が来たんだから出迎えくらいしろよ。

 

「コウキさーん……」

 

 特に返事は無い。

 

「ミツキはここに置いておきますねー、じゃあ、おやすみ……ん?」

 

 ミツキを玄関に置いて帰ろうとしたら、ガタガタと床が鳴り出した。

 地震とかじゃなくて、コウキさんが走ってるっぽい。

 何してんのあの人。

 

 おっさんが1人、廊下につながる扉から慌てて出てきた。

 

「──何で帰るんだ」

 

「何でって、夜じゃん……」

 

「いや、美月を置いて帰るなよ」

 

「ここがミツキの家だろ」

 

「でも、俺が触ると臭いとか何とか……」

 

「何の話してんだよ……ミナさんいないの?」

 

「寝ちゃった……」

 

「あっそ、おやすみ」

 

「ちょっと待ってって」

 

 今度こそ帰ろうとしたら、腕を掴まれた。

 何だよこのシチュエーション……

 何でおっさんに呼び止められないといけないんだよ。

 

「そもそも、ミツキを起こせば良いじゃん」

 

「……信じて美月を預けたのに」

 

「だからこうして返したんだよ」

 

「……けち」

 

 おっさんのそんなセリフ聞きたくないね。

 それとも、ここが地獄の一丁目?

 ……めんどくさいから聞いてやるか。

 というか毎度のことながら、ミツキにももっとその一面を見せてやれよ。

 

「ミツキ、家だぞ」

 

「うん……」

 

 うん、じゃないが。

 眠いんだろうけど、家帰ってきたんだからお風呂入らなきゃ。

 

「ほら、洗面所行くぞ」

 

「うん……」

 

 洗面所の前に立たせた。

 ここまで来てもうつらうつらしてやがる。

 流石に顔を洗うのは自分でやらないと水が飛び散るしな……

 貸してる肩を軽く揺さぶる。

 

「美月、美月、家だぞー」

 

「……おしっこ」

 

「はいはい」

 

 幼児退行してる幼馴染をトイレに連れて行き、シーシーしてる間にコウキさんと話す。

 

「……飲み会、美月は楽しそうだったか?」

 

「多分」

 

「多分てお前……」

 

「俺も久しぶりだったから楽しんじゃった」

 

「はぁ……まあ、無事に帰ってきたから良いか」

 

「飲み会ごときで無事とか……ていうか、監督者責任って何だよ。保護者の責任押し付けんなよ」

 

「良いだろ別に、今更ギャーギャー言うな」

 

「なんだそりゃ」

 

「そういう事もある、だろ?」

 

「ねえよ ……おっ?」

 

眠り姫が目覚めたらしい。

 

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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