【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
私の幼馴染である加賀美 明宏──アキは変人だ。
超がつくほどの変人。
小学生の頃からずっと変わらない。
彼がそうだと知ったキッカケは、席が隣になったこと。
小学生2年生になって、初めて同じクラスになって、最初に隣だったのがアキだった。
髪色が日によって違う私を、みんな不気味がって近寄らなかった。
良く知られていることではある。
ダンジョンに潜った人たちは少しずつ人間から離れていく。ダンジョンの中にある魔素がナニカを変質させしまうのだ。
魔素。
それは、観測されない素粒子。
それでも人類は、それがあると確信した。
そうでなければ、世界はこうも変わり果てなかったのだから。
故に、魔素による症状だと定義した。
でも子供には、そんなこと関係無い。
見たことが無いものは不気味で、恐怖の対象で、からかいの対象だった。
私はそう、格好の的だった。
お金持ちだったのも関係しているだろう。
カラフル女だとか、気持ち悪いとか、きっちまえそんな髪だとか、子供だった私は本当に傷付いた。
「そういう事もある」
彼が私の髪に対して言及したのはそれだけだった。
ついでに、周りの子達にもあんまり良くないぞと窘めていた。
『そういう事もある』
この世界にいるのだから、髪の色くらい変わるだろうという解釈。
今ならあのときの同級生たちだって、同じ事を言えるはずだ。
歴史を学んで、多くのものを見た今なら。
でも、小学生の彼が放つには、少しだけ早い。
──あのときの彼の目を覚えている。
「…………」
本当に、なんとも思っていなかった。
他の子の髪と同じ、ただの髪の毛。
そうとしか思っていなかった。
私は、当然のように彼に懐いた。
大人びていて、穏やかで、力が強い。
なんでか分からないけど、彼は子供同士の喧嘩を見ると間に割って入った。
「こらこら、怪我しちゃうだろ」
そんな、子供には似合わないセリフを口にして、殴られるのも構わずに止める。
そして、あまりに酷いとゲンコツを食らわせて止める。
何がしたいのか良く分からなくて、聞いた。
そうしたら、答えは……
「……子供が可愛いからかも」
本当に何を言っているのだろう、とそのときの私は思った。
……いや、今でもおかしいと思う。
あのときの彼は確かに子供だったんだから。
その場でもツッコんだ。
「──子供が子供を可愛いと思うのはおかしいのか? ……いや、そうかも……子供ってそうだったっけ……」
ブツブツと呟いて、あざの出来た頬を無視して歩き出すものだから、怒って止めた。
保健室に引っ張っていくと、もはや顔馴染みとなった養護教諭が消毒をしてくれる。
でも、回復薬をかければすぐ治るのに……彼はそれを拒否する。
回復薬で治るのはちょっと怖すぎる、と。
どういう基準か、まったく分からない。
放っておけば治るんだからいいだろ、なんて見ている側の心配を意にも介さずに保健室を出ていった。
養護教諭も、どちらかといえばアキの意見と同じだった。
「回復薬……そうよねえ、子供がこんなの頼らなくてもいいわよねえ」
パックを見つめて、そう呟く。
でも、みんな使ってる。
身体に害だって無い。
「確かにこれも害は無いけどね? そもそも人間には元から備わってるのよ、立派な回復力が」
早く治るならそっちの方がいいじゃん。
そう思ってアキの後を追った。
彼は学校にある小さな池の前に立っていた。
無言で池の中をのぞいている。
私に気付くと、軽く笑った。
「お、来た」
「お魚さん見てたの?」
「まあ、そうだな……魚……これが魚……」
アキは、何かが引っかかったようだった。
私が見たところ、間違いなく魚だ。
胴体から伸びた脚でプランクトンを掴んで食べている。
うん、間違いなく魚。
「帰ろ?」
「おう」
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない