【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
約束通りヒロさんと図書館で勉強をしていたら、いきなり見知らぬ女が乗り込んできた。
どうやら幼馴染なようで、ヒロさんは少しだけ驚いていた。
「ミツキ、お前も図書館に用事があったのか」
「……この子、なに」
顔を引き攣らせてヒロさんに質問をする。
私には挨拶すら無し。
「この子はアリサ。俺の…………なんだろう」
「はっ!? まさか……」
「あん?」
「つ、付き合って──」
「それは違うけど……まあ、成り行きでな? 勉強を教えてるんだ」
「わ、私との時間よりもポッと出のこの……この!?」
「どうしちゃったんだよお前」
今は勉強の時間なんだけど……
「ヒロさんヒロさん」
「あぁごめんごめん。じゃあミツキ、お互いの紹介はまた今度な」
「その、ここの配列なんスけど……」
「これはstgで一括りだから──」
構わず続けたら、なぜかその女もヒロさんの隣に椅子を持ってきた。
「ヒート素子が織り込まれて──」
「ふんふん」
「……ミツキ、勉強の邪魔はするな」
「はーい」
それ以降は黙ったけど、何で隣に見知らぬ女がいる状況で勉強しないといけないのか。
すごいやり辛かった。
でも、分からなかったところが少しだけ分かった気がした。
次は2人きりだったから、最初よりも集中できた。
その次も、またその次も。
私のレベルに合わせて、話し方を変えて、全部の教科を教えてもらった。
それにしてもヒロさんは近代史にやたらと詳しい。
魔素が世界に広まる前の……第一期の世界。
この総理大臣はこんな人だったとか、有名な配信者がどうだとか、紙媒体が衰退していた事とか。
『うん、よくできました』
折につけてヒロさんは褒めてくれる。
そして、褒めてもらうと胸が軽くなる。
普通からはみ出していた私の、欠けていた物が埋まっていくような気がした。
嬉しくて、勉強が楽しくなった。
私だけじゃなくてみんなも勉強を教えてもらって、学校に行けるようになった。
自然と、交友は無くなった。
みんな違う学校の子だったから。
そうなると、不思議になる。
私たちみたいな学校に適合できなかった半端者と違って、ヒロさんは優等生だ。
少なくとも、学校生活には完全に適応している。
……そんな人が何で探索者に?
その疑問は、直接聞く前に氷解した。
『アキはね、狂ってるんだ』
『狂ってる?』
『アキの夢は知ってる?』
『……知らない』
『牛肉を焼いて食べたいんだってさ、それもお腹いっぱいになるくらい』
『…………?』
『ふふ、まあそういう反応になるよね』
幼馴染である彼女曰く、出会った時には既に「そう」だったらしい。
誰に言われるじゃなくて、誰かに影響される訳でもなくて、焼肉を追い求める。
普段の言動を見ると、とてもそうは見えない。
『あれは擬態してるだけでしょ』
人間社会で生きる為に人間を模倣する。
そういうこと?
『ちょっと違うかな……アキの場合はなんていうか、目的地に進む為の最短距離を逆算してそう振る舞ってるみたいな?』
『ヒロさんはそんな機械みたいな人じゃない』
『そうだね。でも、情熱だけの人間と理性だけの人間は案外、同じような行動をとるんじゃないかな』
『?』
『かーわい』
『やめろ』
この女に頭を撫でられるのは癪に触る。
私の方が先だから、みたいな余裕をヒシヒシと感じる。
アンタみたいな悠長な女はいつか置いてかれるんだよ。
『──おお、お、お、おいてかれないし!』
『ふん、どーだか』
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
-
いる
-
いらない