【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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29_うーん、これは青春

「さーて、じゃあ創部も済んだし俺はちょっと出掛けようかな」

 

「……仕事は?」

 

「ん? あぁ、俺の分は終わってるから。はいコレ」

 

「はぁ!?」

 

「うん」

 

「え、ちょ、なん──」

 

「じゃあそれぞれに指示出しまーす。まずはヤマダから、お前は──」

 

 やる事やって、さぁて……男の夢、武器を買いに行きますか! 

 と、ルンルン気分で正門出た。

 背後からドロップキックを喰らわされた。

 気分よくスキップしてたので、マトモに食らってしまったよ。

 未だに朝、着る時は気恥ずかしい学生服についたゴミを払って、下手人に問いかける。

 

「──で、なんで付いてきたんだよ」

 

「一人だけサボらせるわけねえだろ!」

 

 仕事は終わってるし、必要な指示も出したし、サボりじゃないんですが……

 

「そもそも生徒会長なのに無責任過ぎるだろ!」

 

「俺はダンジョン探索部の部長でもあるからな、どっちも大事なんだ」

 

「創部して1時間も経ってない部活が大事なわけねえだろ!」

 

「はぁ〜……なあブラザー、落ち着けよ」

 

「っ……死ねっ」

 

 肩に置いた手をパァン! とはたき落とされた。

 しかし俺は諦めないぞ。

 人生の経験だけなら一日の長がある。

 

「自由な時間があるのなんて、マジで! マジで今だけだぞ? 好きなことやっとかないと後悔するぞ?」

 

「……お前が誘ったんだろ」

 

「うん? そうだけど」

 

「…………もう、良いから! 行くぞ!」

 

「え? だから俺は用事が……」

 

「私も付いてくって言ってんだよ!」

 

「いやだからぁ、お前は仕事が……」

 

「こんなの家でやれるっつの!」

 

「あぁそう」

 

 さすが、記憶力バッチリだ。

 それならという事でショップまで歩く。

 

「どこ向かってんだよコレ」

 

「武器屋さん」

 

「ぶ、ぶきや!?」

 

「そりゃあダンジョン行くんだから、武器無きゃ死ぬだろ」

 

「……いやでも、良いのか?」

 

「良いのかって?」

 

「その……センコーどもの許可とか……」

 

「ぶふぉっ」

 

「なにがおかしんだよ!」

 

「いでっ」

 

「わ、私だって今は生徒会なんだから……気にしたらおかしいかよ」

 

「ごめんごめん、そうだな。俺が悪かった」

 

「けっ」

 

 あの頃のコイツの態度からしたら全く以て想像できないぜ。

 もう、本当……授業もサボりなんて当たり前だったし、来たら来たでガムをクチャクチャと五月蝿えし、気に入らなかったら俺の机蹴るし。

 でもまあ、生徒会になってだいぶ落ち着いたよな。

 変わったもんだ。

 

「で?」

 

「ライセンスはもう取ってある。学校へは……そういう制度が無いのは確認してるからな。確認もしてねえよ」

 

「え」

 

「うん?」

 

「じゃ、じゃあ勝手にやってるのか?」

 

「わざわざ確認なんてしてみろ、ダメって言うに決まってんだから」

 

「当たり前だろ!」

 

「鼓膜破れちゃうから声抑えてくれない?」

 

「……お前……何考えてんだ?」

 

 その質問に、思わず口角が上がった。

 

「焼n──牛肉さ」

 

「…………はぁ?」

 

「俺は牛肉が食べたい」

 

「ギューニクって……牛のこと、か?」

 

「そうだ、牛ってのは高えだろ?」

 

「あ、ああ」

 

「つまり、牛を買うためには大量の金が必要だ」

 

「…………」

 

「探索者になるのが、最短距離だ」

 

「………………」

 

「ん? どうした、頭痛いのか?」

 

 何故か頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。

 流石に突然そんな事をされたら心配にもなる。

 

「大丈夫か?」

 

「…………ばかやろう!!」

 

 キ──ーン。

 耳が一瞬そんな感覚で満たされた。

 

「お前……お前は!」

 

「おお!?」

 

 詰め寄ってくる剣幕はかなりのもの。

 必死で草、というセリフが一瞬喉から出かけたが抑えた。

 

「お前は! 何を! 考えてんだ!」

 

 うん、落ち着かせよう。

 ザワザワと周りから見られてるし、まだ学校をそんなに離れてないから学生服でバレちゃうね? 

 あ、ほら、運動部の子達がチラチラと見ながら横を駆けてくから……

 

「痴話喧嘩だ……」

 

「ぜったい痴話喧嘩だよアレ……」

 

「生徒会長じゃね?」

 

「生徒会長だ……」

 

「生徒会長が痴話喧嘩だ……」

 

「あの人アレじゃね? 不良の……」

 

 ……うん、離れよう。

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