【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「……ああん? ロイスん家にぃ? なんでまた」
「これを綺麗にしてもらえないかなって」
「意味わからん」
お守りの元々の色と汚れのことを話すと、露骨に嫌そうな顔をした。
「その顔、三船くんもしてたな」
「……まあなあ」
「なんでそんな妙な顔すんだよ」
そんなに人が後輩と会うのが嫌なのだろうか。
「ロイスがどうとかじゃねえよ」
「じゃあなんだよ」
「……とにかく! それなら私もついてく」
「ええっ!?」
「はあ? なんだよその反応。知り合って半年の男は良くて私はダメなのかよ」
「いやいや、驚いただけだけど」
なんで揃いも揃って人のやることについてこようとするんだろうか。暇じゃないのに。
「別に私は良いだろ! ……か、彼女なんだから」
「道場建てるって話は? 進んでるのか?」
「こんな1ヶ月やそこらで進むわけねえだろ!」
「ええ? でも本当にやる気なら業者にもう頼んでても……」
「う、うるさいうるさい! お前が早すぎるんだよ!」
そうだろうか。
……まあ、急ぎ過ぎるのも良くないか。この世界では成人してるとはいえ、まだモラトリアムの時期抜けてないしな。
「そもそも、そんなに早くお金だって貯まんねえんだから!」
「……俺に言えよ」
「え?」
「いや、そこは俺に言えよって」
家族になるんだから。
「…………ふ、ふんっ」
「──という話はまた今度にするとして、本当に来るんだな? ロイスに一応連絡しときたいから、誰がいくのかって話」
「いくっ!」
「じゃあそういうことで……早苗ちゃんは?」
「連れていかない」
「……」
「べ、別に前のことは気にしてねえよ!」
前回のふわふわタイム存続ディスカッションでは結局2人で泣きついて許してもらったけど、一応控えてはいる。日向に嫌な思いさせたいわけじゃないからな。
ただ、仲間外れにするのも違う気がした。
もちろん日向のことは大事だけど、早苗ちゃんのことだって大好きだ。
しかし、どうやらそういう変な話でもなかったようだった。
「その……ほら……2人で遠くに出かけるのとか、した事あんまりないから」
あら可愛い。
SNSがあったら即座に自慢するレベルだけど、残念ながらこの世界ではそういうのはまだ存在しない。あったらとんでも自撮りで死亡事故が絶え無さそうだから無くて正解だな。
それに、高校生の時はあんなに尖ってた日向のこんなに可愛い姿を見られるのは俺だけだから特別感が半端ない。だけど……一つだけ忘れてる。
「2人じゃないぞ。三船くん達もいるぞ」
「う、うるせえ! そういうのは良いんだよ!」
細かいことは気にしないスタイルらしい。それなら早苗ちゃんもいて良いような気もする。
──しかし! 俺はやればできる男なのでそういうところにはこれ以上突っ込まない!
「分かった、じゃあ早苗ちゃんは不参加な」
「ん」
かわい〜!
お家に持ち帰っちゃおっ!
……あっ! ここが俺の家だった! いけない! いけない!
「なんか気持ち悪いこと考えてんだろ」
「いや、なにも」
「……いつ行くんだ?」
「え? 一応は明日行こうかなと思ってたけど」
「急すぎんだろ!」
「うわっ」
ドタバタと床を踏み抜きそうなくらい足音荒く出ていった。かと思えば、一瞬だけ戻ってくる。
「──準備! 準備してくるから!」
「お、おう」
──────
『え!? 先輩来るんですか!』
「ちなみにコマちゃんは来ないぞ」
『えー!』
「やっぱお前俺じゃ無くてコマちゃんに来て欲しいだけだろ」
『いやいやまさか! でも会いたかった〜……ちなみになんで?』
「女の子を1人で残してくわけにはいかないからな」
『……ソフィアー! 先輩が女の子連れ込んでるってー!』
「おいバカ何言ってんだ、そこ実家だろ! 人いるだろ!」
こいつ、なんちゅうデリカシーのなさ。
『やっと春が来たんっすね先輩! 秋から一周回って!』
「いつの間にそんな皮肉が言えるようになったんだ?」
『いやーめでたい! このままじゃ先輩が婚期逃しちゃうんじゃないかってソフィアと心配してたんですよ!』
なんで俺の婚期をこいつらに心配されなきゃならんのだ。そもそも男だぞ俺。
『だって、先輩何も無かったら焼肉のことしか考えないじゃないですか!』
「……」
『はい図星ー!』
「お前の分のぬいぐるみはいらないな」
『嘘じゃないですか! 先輩大好き! もー本当大好き!』
「そういうお前はそろそろ結婚したのか?」
『え? ……どっちだと思います?』
「いや、もういい。今ので大体わかったから」
『まだわかんないだろ! 来てからのお楽しみ! はい! じゃあね!』
好き放題言って切りやがったのに、10秒後くらいにはまた掛け直してきた。お前らそれ流行ってんのか?
『先輩!』
「はい」
『何人来るんですか! 聞き忘れてました!』
「5人だな」
『多っ!? そ、そんなに来る人いましたっけ!? ……もしかして家族みんなで?』
「えーっと……俺と三船くんとシエルとハシュアーとヒナタ」
『誰!? 誰!? 誰!? 誰!? ……んいや山田先輩!?』
「そういうわけだから、頼むな」
『……頼まれますけど! 3人は誰!?』
「三船黎人、辺見シエル、ハシュアーだ」
『だから誰って!』
「後輩だよ、後輩」
『後輩ぃ? …………あ、大学ですか!』
「そっちじゃなくて探索者の」
『……窓ガラス割ったりしないですよね?』
「そういう子はいない」
ヒナタが生徒会になって最初の頃に暇すぎて投げた小石が生徒会室の窓ガラスを破ったことがあったから、そのイメージがあるんだろう。あれ以降反省してやってないんだけどな。お仕置きしたから。
『もうわかる。絶対変な奴らしかいない』
「…………いや、普通だぞ?」
どう考えても探索者の中だと上澄だ。
『そもそも探索者ってだけでヤバいイメージしかないのに、そこに
「いやいや、西の部族みたいな奴らじゃないから。全然普通に会話できるし」
『そこは別に心配してねーって!』
「ああ、そう。とにかく5人な」
『くぅぅ!』
くぅぅ! って言って電話切ったぞアイツ。
というわけで、アリサとミツキにも一応報告はした。
『OKです! そしたら……帰ってきたら今度は私と別のところ行きましょうね!』
アリサは普通に了承してくれた。サラッと約束取り付けられたけど、どこか考えておこう。こういう時に遊園地がないと途端に選択肢が狭まる。やっぱプレートテクトニクスってクソだわ……
──ミツキは不満そうに唇を尖らせた。
「えー……ヒナタちゃんと……?」
「いつの間にちゃん付けするようになったんだ」
「だってほら、いがみ合ってても良いことないし?」
「その通りですね」
本当にその通り過ぎる。
少し前はアリサからミツキへの矢印(良い意味ではない)が強かったし、日向とアリサの相互矢印(良い意味ではない)も強かったし、ミツキは日向に何故か気まずそうだったしで、大変だったんだからね! 全然、大丈夫じゃなかったんだからね!
「……一番は私だからね!」
「分かった分かった」
「何その適当な感じ!」
逆に、俺はなんて返すのが正解なんだよ。
「それにしても……こんなお守り貰ってたんだ」
「父さんからな」
「……エリックさんってちょっと変だよね」
「いきなり人の家族を批判するヤツがあるか!」
「ち、ちがうよぉ! だって変じゃん!」
「お前の親父の方が変だろうが! なんだあの格好、世界観が違いすぎんだよ!」
「お父さんはどうでも良いでしょ! そもそも、一級探索者の中だったらまだマシな方だし!」
「それはそうだな」
「どこでこんなお守り貰ってきたのって話!」
「…………?」
確か、これをもらった時に父さんは──
『神社でもらったお守りだよ』
そんなようなことを言っていた。
それの何がおかしいってんだ。
「お守りなんて、どこに売ってるの?」
「売ってるだろそりゃあ」
「どこ?」
「いや知らないけど。持ってきたんだから無いわけないじゃん」
そんなことは聞けばわかる話だ。
『──僕は今、通話できない場所にいます。じゃあね!』
「今度聞くけど、なんでそんなことが気になるんだよ」
「だって、聞いたことないもん。そんなのが売ってるなんて」
聞いたことないだけだ。
現に俺は何度も見たことあるからな。
「…………絶対変だって」
「分かったって、今度父さんに聞いとくから」
「ちゃんと聞いといてね! あと私は秋川くんの家には行かないから」
「なんかあんのか?」
「お母さんの実家に行くの」
「へー」
「お婆ちゃん達久しぶりに会うから楽しみなんだ!」
「そっか、楽しんできてな」
「うん! アキはあんまり楽しんでこないでね!」
「お前なあ……」
「…………」
「はいはい」
本当に……うちのお姫様達はワガママで面倒の見甲斐がある。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない