【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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32_トラブルは付きもの

「……相変わらず、静かだな」

 

 声は壁に吸収され、反射せずに消えた。

 一歩を踏み出すと地面が足跡の形に光る。

 それに、第一階層に比べると空気が重い。

 

 俺とコマちゃんは期せずして、第二階層に足を踏み入れてしまった。

 

 モートーリという、手足の燃えるトカゲを捕獲する任務だったのだけど、こいつがかなりすばしこい。

 大きさは小型犬──通常時のコマちゃんくらいで、洞窟の壁を縦横無尽に駆け回る。

 しかもトカゲというと這うイメージだが、こいつは跳ぶ。

 かなり跳ぶ。

 

 それに飛ぶ。

 炎を用いた上昇気流なのか、フワーって空中をスライディングできるようだ。

 

 捕獲方法は虫網だ。

 地道にいくのが良いからな。

 6000℃まで耐える耐熱素材の虫網を持ってきたから、それを振り回していた。

 ただ、網中に捉えるのになかなか苦戦して奥まで来てしまったというわけだ。

 

 第二階層自体は初めてじゃない。

 しかし中に入るということは、ニアイコールで死闘が始まるという事だ。

 今日の俺は虫取り大学生でしかない。

 流石に武器は持ってきているけど、下に行くならもっとガチの装備を採用する。

 市販の分子鍛造鋼製のプレート程度では瞬殺っすよ。

 せめて第一階層最強のモンスター、タイラントの素材が良いね。

 あれは良い。

 第二階層でもしばらくは使えたからな。

 ぶっ壊れたけど。

 

「さてさて、どうしようか」

 

 モートーリの痕跡は第二階層の奥に続いている。

 諦めないといけない。

 別に今日中に捕まえないといけないという縛りも無いから、当然の判断だ。

 だけど、一日中追いかけ回して何の収穫もありませんでしたというのは腹立たしい。

 

「ワン」

 

「ん? ……ありがとう」

 

 コマちゃんが持ってきたのは魔素系の鉱物の一種。

 地層に魔素が染み込んでできた物だ。

 第一階層もここまでくれば、鉱物だって取れるってわけよ。

 

 でもボロクズみたいなのがほとんどだから金の足しにはならない。

 重い、それに純度も高くない。

 ただの綺麗な石だよこんなの。

 加工すれば売れるんだろうけど、そういうことには興味ない。

 

 どうしたもんか……

 

『──―』

 

「ん?」

 

「う゛〜〜……わん! わん!」

 

「誰かが叫んでる……行くか」

 

 声の元は第一階層。

 コレが第二階層なら南無阿弥陀仏だけして帰っていたところだ。

 コマちゃんの声を頼りに進むと、男の子がいた。

 子っつっても、17、8ぐらいだ。

 片腕が無い。

 背後の地面には、血が垂れて暗闇の奥まで続いている。

 壁にもたれ掛かるようにして、何とかここまで歩いてきたようだ。

 

「た、すけて……」

 

「ワン!」

 

 コマちゃんはすぐさま男の子の背後を守るように駆け寄った。

 コマちゃんがそうするって事は、罠では無いんだろう。

 

「待ってろ、回復薬を出すからな」

 

「う……」

 

「あ、おい」

 

 失血の影響か、少年は気絶してしまった。

 早いところ担ぎ出さないとな。

 回復薬を吹きかけ、応急的に血を止める。

 ああ、気持ち悪い。

 何度見てもこの薬だけは慣れない。

 生理的に受け付けないんだよな。

 もちろん、生死が関わってるなら使う事を躊躇したりしないけど。

 

 はてさて、いくらコマちゃんが速いとは言え、その体型は人間を運ぶのには適していない。

 俺が背負うのは必定だ。

 えっちらおっちらとダンジョンの外に出ると、すぐさま顔見知りの監視員が近寄ってきた。

 どうやらこの少年は、仲間と一緒に入ったらしい。

 えー……

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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