【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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44_君は無力だ

 モートーリを捕まえられなかった時の、三船黎人くん。

 彼が目を覚まして、面会できるようになったということで、商工会から連絡が来た。

 

 詳細は直接との事で、指定された日になった。

 病室に赴くと、上体を起こした少年がこちらを見ていた。

 

「あの……ありがとう、ございました」

 

 三船くんは疲労感の濃い顔をしている。

 きっと、あれから眠れない日々を送ってきたんだろう。

 

「どういたしまして、無事なようで安心したよ」

 

 折角助けたのに、飛び出してダンジョンに突っ込んだなんてなれば、やるせないからな。

 ……結局、残りのパーティーメンバーは助からなかったのか? それを彼に聞くのはあまりに酷だし、思うだけに留めるけど……気になるな。

 

「無事……無事……ははっ」

 

 おっと、地雷だった。

 だけど他に、なんて声をかければいいんだ? 

 

「うぅ……」

 

 顔を手で覆ってしまった三船くんは、苦しそうにうめいている。

 コレがアリサだったら抱きしめるが、果たして俺はこの少年に対してどんなアクションを取るのが正解なのやら。

 逡巡した末、手を伸ばし、肩を軽く触ろうとした瞬間。

 逆に俺が後ろから肩を掴まれた。

 

「加賀美君」

 

「あ、方目さん」

 

 廊下に出て、何故彼女がここにいるのかを問う。

 

「一応、今日は私が記録をやらせていただくんだよん」

 

「そうですか……でも、あの子と話すってのは少し……」

 

「うん、だから加賀美君がいるんだよ」

 

「はい?」

 

「君はそういうのが得意だよね」

 

「いや……そんなことは……」

 

「関根有紗さんの件、私はよく覚えてるよ」

 

「……流石に、仲間を亡くした子に対して、俺のような素人が上手く話すなんてのは……」

 

 アリサの件はグーパンで解決してるから、対処もクソもないんだよ。

 

「んふふ、でも私は君を信じてるからさ」

 

「はぁ……?」

 

「精神科医だって万能じゃない。特に、魔素の影響が強く出る探索者に対してはね」

 

「……あまり良い結果を期待されても困りますからね」

 

「大丈夫」

 

 この人からは変な期待をかけられることが多くて困る。

 ……だから彼氏ができないのでは!? 

 

「今、失礼なこと考えなかった?」

 

「いや何も」

 

 ジト目の方目さんを無視して部屋に戻ると、三船君は俯いていた。

 

「ひまり……」

 

 喪失の苦しみ。

 俺もかつて、何度も味わった。

 そして、誰もが聞いた事のある通り、時間だけが解決してくれる。

 俺がこの場で彼の心を癒すなんてことはできない。

 そもそも、顔を合わせるの2回目だし。

 

「みんな……」

 

 胸を抑えている。

 想像をはるかに絶するような苦痛が、彼の心中には渦巻いているのだろう。

 

「……僕は……なんで……」

 

 あの時の彼の様子。

 助けを求めていた彼の顔。

 気絶寸前に、無意識にか指差していた方向。

 

「なんで逃げてしまったのか、か……」

 

「……あの時、みんなは生きてたんです……まだ、生きてたのに……!」

 

「助けられたんじゃないか、そう思ってるんだね?」

 

「うぅ……」

 

 頭を抱え、くしゃくしゃと髪をかきむしる。

 金髪が数本、パラパラと掛け布団の上に落ちた。

 

「それは幻想だ」

 

「……っ!」

 

「俺が君を見つけた時、回復薬を使わなければ君は間も無く死んでいた」

 

「そ、うだとしても……!」

 

「生きたいと、あの時の君はそう思っていたはずだよな? その意思は、決して間違いなんかじゃない」

 

「だけど!」

 

「君は何も悪くない」

 

「っ……」

 

「また明日、話そう」

 

「ぐ……ぅぅぅ……!」

 

 呻き声を背に帰るのは、とても気分が悪いな。

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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