【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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3_はい、集合

 

「まあ、そんなことだろうと思ったよ」

 

 ウルフは当然のこととしてーールクレシア、アオキ、ネル、フブキ、ソフィアにロイスまで。

 つまりは勢揃いだ。

 ソフィアが連絡をして来た理由も分かった。

 

「じゃじゃん! 驚いた?」

 

「少しな。お前ら、実は昨日もいたのか?」

 

「そう! アキヒロくんが顔抑えてるのも見てたよ! というか、昨日より前からいる!」

 

 懐かしい呼び方だ。

 高校に入ってから、先輩呼び・会長呼びの方が長かったからな。

 

「良い劇だったな!」

 

「俺のキャラ付けを除けばな」

 

「ぶふっ! あれな!」

 

 コイツらだって見る人が見れば分かる感じの特徴があるのに、俺だけ何故味変を喰らわなきゃならんのか。

 

「仕方ないって。目立つんだもん」

 

「そんなこと言ったら、霊領の管理者とか冷気を放ってる一般人の方がよほど目立つだろ。ロイス、お前は髪色も赤だし注目浴びやすいだろ?」

 

「そういう見た目だけなら変えれば何とかなるけど……内面だよね問題は」

 

 内面は目に立たないから内面と呼ばれるんですが。

 滲み出る内面ってやつの話をしたいんだとしても、そこまで極端な内面じゃない。

 ウルフやコウキにこそ当てはまる話だ。

 

「会長。振る舞いですよ、振る舞い」

 

「ソフィア……お前も中々言うな」

 

「ふふ、私たちも一杯振り回されましたから」

 

 とても嬉しいことに、久しぶりにネルさんの顔を見た。

 

「聞いたよ、すごい活躍してるんだね」

 

「ネルさんはご結婚なされたとか」

 

「うん!」

 

「おめでとうございます」

 

「本当はカガミくんも結婚式に呼ぼうかなーって思ったんだけど、絶対捕まらないなって思ってやめたの」

 

「…………旦那さんはいらっしゃってないんですか」

 

「当たり前じゃん! 普通に関係ないし! そもそも教えてないし!」

 

 幸せそうだ。

 良かった。

 旦那さんの顔が見たかったな。

 

「懐かしいなあ。でもこんなカッコいい感じの劇になるなら、私も付いて行っといたら良かったかな〜」

 

「はは…………ダメです」

 

「まあね〜」

 

「──ネルさんは少し落ち着きましたね」

 

 見た目も、雰囲気も。

 

「カガミくんは変わらないよね。見た目は少しだけ変わったけど……探索者で、しかもレベル50ならずっとそのままなんだ?」

 

「どうなんでしょうね、まだ立証された話じゃないですから」

 

「感慨深いな〜!」

 

「?」

 

「小物になるとは思ってなかったけど……これから更にどうなるか楽しみだよ!」

 

「最近も死にかけましたけどね」

 

「そりゃ加賀美くんのやる事が無茶なせいでしょ?」

 

「まあ」

 

「早死にしそう」

 

「かかってこいって感じですかね」

 

「うわー……あ、ソフィアちゃーん!」

 

 一瞬で俺への興味がなくなっていた。

 次は──

 

「会長、久しぶりです」

 

 フブキだ。

 最後に顔を見た時とあまり変わらない。

 高校一緒だしね……

 

「どうだ? お父さん達とは」

 

「なんとかって所かな……」

 

 フブキはなんと、深山商会を継ぐのではなく自分の店を持つという道を選んだ。真面目に競争相手として考えると深山商会に潰されておしまいだと思うけど、取り扱いの違う仕事をしているらしい。

 そもそも家出に等しい話なのでお父さんはカンカンに怒っているとか。

 今年に入って高校を卒業してからやっと始めた話だから、軌道に乗るかさえ分からない。良いじゃん。

 

「頑張ってるんだな」

 

「……どこかの誰かさんは全然来てくれませんけどね」

 

「応援で行ったところで馴れ合いにしかならないだろ。こういうのは地道に足で稼ぐところから始まるんだよ。誰かの力を借りてやろうと最初から思ってたら創意工夫がなくなる」

 

「出来ないことは他の人にやらせるのが会長流でしょ?」

 

「違うね。できる事も他にやらせる、それがリーダーの役目だ」

 

「そういう話じゃなくて……」

 

「今度顔出すよ。でも……店開いたばっかで災難だったな」

 

「本当ですよ! すんごい揺れだったんですから!」

 

「まあ、なんかあったら連絡しろよ?」

 

「ロイス君たちには自分から連絡してるって聞きましたけど」

 

「達、じゃなくてロイスだけ」

 

 俺が女の子に自主的に連絡を取ってるなんて話、あそこにいる怖いお姉さん達に聞かれたら捥がれちゃうかもしれない。ただでさえ信用ないんだから。

 ほら、こっち見てるし。

 

「そういえば……ソフィアちゃんから聞いたんですけど」

 

「おう」

 

「……か、彼女できたんですか?」

 

「おう」

 

「…………梯子外しが本当に上手いですよね」

 

「?」

 

「私と同じで、一生独り身なのかなって思ってました」

 

「あーね、俺も」

 

 フブキは以前から結婚とか男とかそういうのはいいって言ってた。お家事情の婚約が相当イヤだったとかなんとか、そんな事を言ってた気がする。

 

「あー、そういう設定でしたね……ソレはよくて!俺も、とか言っといて彼女作るのおかしくないですか!?」

 

「何の約束もしてないだろ……」

 

 俺たち一生独り身だな〜、あははうふふ、と話していただけの事だ。時間が進めば物事は変わる。俺の人に対する向き合い方は多少変わって、フブキも縛られていた所から解放された。

 その二つには何の違いもない。

 あと、設定について詳しく。

 

「ソレはよくて!知ってますよ! こういうのって大抵、30まで独り身だったら結婚しようね、ルートなんですよね!?」

 

「どこで聞いたのそれ」

 

「これ!」

 

「──それ、何でここに持って来たんだ?」

 

 フェイルスシリーズをなぜワザワザこの場に持ち込んだのか、あまりにも奇行過ぎた。

 

「こうなることを予測してたからです!」

 

「お前ら、俺のことを予想しすぎだろ」

 

 あと、そういうのはもっと腐れ縁みたいな奴らが交わす約束だ。俺たちがしたらタダの告白に等しい。

 そういうまどろっこしい事するくらいなら正面なら行くほうが好きだし。

 

「……いいですか!?」

 

「はい、ストップ」

 

「セーフ」

 

 フブキが何かを言いかけて、ミツキ&アリサが乱入した。

 今の今まであっちでソフィアと話してた筈なのに、この素早さは探索者としての可能性を感じる。

 でもミツキに探索者はやらせません。

 

「はい、フブキちゃんあっち行こうね〜」

 

「えっ!? ちょ、ちょっと!」

 

 速攻連行。

 何だったんだ……

 

「コユキちゃんも久しぶり!」

 

「う、うん……」

 

「ん?」

 

 おかしい。

 腕を開けているのに飛び込んで来ない。

 なぜだ。

 まさか匂いが……!? 

 

「俺、臭い?」

 

「えっ? い、いや、そんな事ないケド……」

 

「じゃあ、ほら!」

 

「…………ナシで」

 

「そっか……」

 

「あ……」

 

 どうやら、本格的な思春期に入ってしまったらしい。もう、コユキちゃんを抱っこすることはできないんだ……確かに以前と比べてだいぶ女性的な体型になっている。触られるのが恥ずかしいと思うのは当然のことだ。

 ても寂しいなあ……時が過ぎるのは早い。

 

「コユキちゃんは最近、学校はどうなの?」

 

 以前は家庭教師オンリーだった深山家は、フブキが俺と同じ高校に入ることになったのをきっかけにコユキちゃんも学校に行かせるようになったらしい。

 まあ、そうだよ。

 それが健全だよ。

 

「……普通」

 

「勉強は簡単ってこと?」

 

「うん」

 

 目を合わせてくれないところからしても、やっぱりそういうことなんだ。

 

「友達はできた?」

 

「……ちょっとだけ」

 

「じゃあ大丈夫だな」

 

「…………あの、さ」

 

「うん」

 

「アキヒロくん──アキヒロさんって、思ってたよりずっとすごい人なんだって、最近知った」

 

 さん付けされてしまった。

 しかも親しみすらない。

 ひたすらに心の壁を感じて悲しい。

 そうだよな、思春期ってこういうもんだよな。

 

「前みたいにくん付けでいいんだぞ? 俺なんかそもそも凄い人間じゃないし!」

 

「私、色々世間のこと勉強したんだ。だから、アキヒロさんがどんな人か──普通とどれだけ違うかもわかるよ」

 

「うーん……」

 

 天丼だ。

 どれだけ説明すればいいのやら。

 さっきネルさんに対してした説明を共有しておいてくれないかな。

 

「せめて呼び方は昔に戻して欲しいよ」

 

「……じゃあ、アキヒロくん」 

 

「そうそう! それそれ!」

 

「…………ぷっ」

 

「お! 笑ったな! じゃあ改めて──久しぶり、コユキちゃん」

 

「……うん、アキヒロくん久しぶり──ひゃっ!」

 

「綺麗になったな」

 

「な、なななな──」

 

 持ち上げると、やっぱり軽い。

 それでも成長を確かに感じ取れる。

 吹雪()、そして()によく似た顔は、あどけない可愛らしさから綺麗な方向へと成長していた。

 このままいけば、間違いなく美人になる筈だ。

 

「よいしょ」

 

「──」

 

「あれ? おーい」

 

 放心気味のコユキちゃんの前で手を振っていたら、輩が近づいて来た。

 

「よう」

 

 相変わらず、どこでもヘルムを外さない人だ。

 

「顔、ここに至っても見せてくれないんですね」

 

「けっ……一生見せねえよ」

 

「ほう! じゃあ葬式で拝ませてもらうとしますか!」

 

「それよりも先にお前の化けの皮が剥がれたりしてな」

 

「そうなるときは、世界が変わるときですよ」

 

「……はぁ……レベル50到達、おめでとう」

 

「ありがとうございます」

 

 ガッチリと握手を酌み交わした。

 久しぶりに握ってみれば意外と華奢な手をしている。

 俺も成長したということか、はたまたバイアスによって記憶が歪んでいたのか。

 

「世間話は散々しただろ」

 

「ええ」

 

「俺たちは各地を回って団員を集めながら、アレを進めてた」

 

「…………物騒な話ですね」

 

「そうだな」

 

「どうするつもりです?」

 

「決まってんだろ」

 

「……そうですか」

 

「俺たちはもう腹括ってるぜ」

 

 なんとも物騒なことに、久しぶりに出会ったはずの俺たちは共通認識を持っていた。

 それは逃れようのない事だった。

 直近の出来事から考えても、どういった手合いかは明白だから。

 

「気を付けてください」

 

「お前もな」

 

 アオキとは場に相応しくない話をしてしまった。

 あと残されたのは──

 

「よっ、久しぶり」

 

「ルクレシアさん……若くなりました?」

 

「変わってねーよ!」

 

 バシバシと背中に走る衝撃。

 相変わらず男勝りな性格だ。

 だけど今日はイヤリングを着けている上にドレスを着ている。前は知らなかった、非常に女性的な一面だ。

 ウルフも彼女から視線が離れない。

 メロメロだな。

 

「相変わらずウルフさんは浮気性なんですかね」

 

「まあ、最近はそこまでだな」 

 

 そこまで、ということはゼロじゃないということだ。

 やはり女の敵だな。

 

「でもソフィアから聞いてるぜ。お前、女3人侍らしてるんだろ? あの2人がそれか?」

 

「…………」

 

「図星か」

 

 ソ、ソフィア……さん……? 

 

「四門の娘はまあ分かるぜ。あっちの耳女はなんだよ」

 

「耳女て……アリサです」

 

「アリサね。どういうやつなんだ」

 

「良い子です」

 

「お前が近くにいること許してるガキなんてみんな良い子ちゃんなんだから、そんなこと聞いてねえよ!」

 

「……か、かわいい」

 

「判断の軸、浅すぎないか?」

 

「俺、人に対してそこまで複雑なこと求めたことないんですよね」

 

 可愛いかカッコよくて、悪人じゃない。

 それで120点。

 悪人じゃなければ100点。

 そんな感じだ。

 

「性格の良し悪しは?」

 

「俺も性格良くはないし、それこそ性格悪い人と関わりを持っておこうとは思わないので……」

 

「でも、性格悪いやつって頭回るやつ多いだろ? 使えるんじゃねえのか?」

 

 そういう極論をたまに聞くことはある。

 だけど、頭が回るとかお金持ちだとかそういう部分は性格の良い人間も持っている。わざわざ性格が悪い人間を選別する意味はない。

 

「使えるかどうかより、長く付き合えるかどうかですかね」

 

 ムカつく! って周りから思われるような人間はあまり長生きできない。

 それこそダンジョンで背中を刺されてしまうだろう。

 

「アリサは良い子で可愛くて、真面目です。それで十分じゃないですか」

 

「口ん中がシャリシャリしてきたぜ」

 

 へい! 一貫お待ちィ! 

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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