【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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47_熱い男

「シュルルル」

 

 コマちゃんの一撃を避けたトカゲは、背中にくっついた小虫など放って三次元戦闘を開始した。

 

「えいっ! えいっ!」

 

 元気な掛け声を頼りに追いかける。

 こういった場所で有利なのは、通常ならばトカゲだ。

 幹に爪を食い込ませ、あちらへこちらへ自由に動き回れるのだから。

 

 だけど、うちのコマちゃんはただの犬じゃ無い。

 重力に負けるような情けない鍛え方はしてないんでね。

 ゴム鞠のように跳び回って、サラマンドラの意識外から上手いこと一撃を入れている。

 

 ……アリサも鱗を一枚割ったみたいだな。

 

「やったあ!」

 

 可愛い。

 

 ただ、サラマンドラも野生で生きているだけはある。

 やられっぱなしじゃ無い。

 

「──ギャンッ!」

 

 背後から突っ込んで来たコマちゃんを、尾の一撃で弾き返した。

 吹っ飛ばされたコマちゃんは空中で体勢を整えたけど、同じ攻撃は二度と通用しないな。モンスターは賢い、学習も行えるだろう。

 

「ギッギッギッ」

 

「ガルルルル……」

 

 身体を軽く揺らして笑うサラマンドラと、忌々しいという所作が全身から滲み出るコマちゃん。

 若干動きが硬い。

 ダメージ喰らったの久しぶりだもんな。

 この場に限っていえば支配しているのは、幹から見下ろしているサラマンドラだ。

 

 ──サラマンドラの口の端からチョロ火が漏れたかと思うと、一直線に炎を吐き出した。

 俺に。

 

「おい、ふざけんな!」

 

 なんでこのタイミングで俺を狙ったのかなんてわかんねえけど、まっこと許せんぜよ。

 抗議の意味も兼ねてエアーガンを連射。

 

「ギィッ!?」

 

 眉間に叩き込まれた圧縮空気によってたたらを踏んだ拍子に、トカゲとの距離を詰める。

 

 俺みたいな人畜無害を標的にする害悪ゴミモンスターはさっさとぶっ殺すに限るぜ! 

 地面を蹴って飛び上がり、10mほど距離を稼ぐ。幹に接触すると同時、俺の魔剣(ナイフ)で幹を切り刻む。

 切り刻んだ場所に残ったチリ屑をエアーガンで吹っ飛ばして足場を作り、さらに飛び上がった。

 

 俺はコマちゃんみたいに鉤爪とか無いから、こんな事をしないといけない。

 不便だ。

 アリサは猫化が進んだら爪とか鋭くなるのかしら──っと、もう一回! 

 

「……やっとこさ、近付けたな」

 

「!?」

 

 サラマンドラの右足を掴んだ。

 

 驚いたな? 

 お前は知性を獲得しているな? 

 それは弱体化だ。

 

 お前らモンスターは本能のままに振る舞うのがお似合いで、最も強い。

 賢しらにあっちを見たりこっちを見たり、コマちゃんの戦術に対処したり。

 そんなのは人間がやる事だ。

 弱者の真似事をするのは、自分が弱い奴だって主張しているようなものだ。

 

 掴んだ脚を振り回そうとしても、動かせないだろ? 

 コマちゃんやアリサと違うだろ? 

 ナイフを幹に刺して、柄を握って、シッカリ固定してるからな。

 

「ぜってぇ離さねえからな」

 

「シッ……! シッ……!」

 

 細かく吐き出される、燃える唾液。

 当たればそこから延焼し、重度の熱傷を引き起こす。

 でも、離さない。

 避けれるんだよな。

 舌の向きで分かっちまう。

 あっつ、服燃えたわ。

 

「ヒ、ヒロさん!?」

 

「アリサ! コマちゃんは今どんな感じだ!」

 

「え!? えっと、登ってきてます!」

 

「よし! アリサも攻撃し続けろ! これで予定通りだ!」

 

「うっす! ……ヒロさんは大丈夫っすか!?」

 

「だいじょばない!」

 

「え」

 

「でも、後にしろ!」

 

「は、はい!」

 

 油断しなきゃ避けれる。

 ちょっと舐めすぎてたわ。

 両手塞がってるんだもんな。

 

「ハグッ、ハグッ」

 

 当たらないことに痺れを切らしたのか、今度は噛みつきに切り替えた。

 服が燃え落ちて腹が立ったので、一瞬ナイフから手を離して、鼻っ面をぶん殴った。

 アンダーだったら第一階層を余裕で歩ける良い服なのに……

 

「ギィッ……!」

 

 トカゲだろうがモンスターだろうが、痛いものは痛いらしい。

 こちらを構う余裕もなく、頭を振っている。

 

「割りました!」

 

 アリサも数枚の鱗を割ってくれたようだ。

 そして──

 

「ワォン!」

 

 周りを見ていないトカゲ畜生の腕に、うちの速攻係が噛み付いた。

 

 遠回りだが、計画通りだ! 

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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