【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「シュルルル」
コマちゃんの一撃を避けたトカゲは、背中にくっついた小虫など放って三次元戦闘を開始した。
「えいっ! えいっ!」
元気な掛け声を頼りに追いかける。
こういった場所で有利なのは、通常ならばトカゲだ。
幹に爪を食い込ませ、あちらへこちらへ自由に動き回れるのだから。
だけど、うちのコマちゃんはただの犬じゃ無い。
重力に負けるような情けない鍛え方はしてないんでね。
ゴム鞠のように跳び回って、サラマンドラの意識外から上手いこと一撃を入れている。
……アリサも鱗を一枚割ったみたいだな。
「やったあ!」
可愛い。
ただ、サラマンドラも野生で生きているだけはある。
やられっぱなしじゃ無い。
「──ギャンッ!」
背後から突っ込んで来たコマちゃんを、尾の一撃で弾き返した。
吹っ飛ばされたコマちゃんは空中で体勢を整えたけど、同じ攻撃は二度と通用しないな。モンスターは賢い、学習も行えるだろう。
「ギッギッギッ」
「ガルルルル……」
身体を軽く揺らして笑うサラマンドラと、忌々しいという所作が全身から滲み出るコマちゃん。
若干動きが硬い。
ダメージ喰らったの久しぶりだもんな。
この場に限っていえば支配しているのは、幹から見下ろしているサラマンドラだ。
──サラマンドラの口の端からチョロ火が漏れたかと思うと、一直線に炎を吐き出した。
俺に。
「おい、ふざけんな!」
なんでこのタイミングで俺を狙ったのかなんてわかんねえけど、まっこと許せんぜよ。
抗議の意味も兼ねてエアーガンを連射。
「ギィッ!?」
眉間に叩き込まれた圧縮空気によってたたらを踏んだ拍子に、トカゲとの距離を詰める。
俺みたいな人畜無害を標的にする害悪ゴミモンスターはさっさとぶっ殺すに限るぜ!
地面を蹴って飛び上がり、10mほど距離を稼ぐ。幹に接触すると同時、俺の魔剣(ナイフ)で幹を切り刻む。
切り刻んだ場所に残ったチリ屑をエアーガンで吹っ飛ばして足場を作り、さらに飛び上がった。
俺はコマちゃんみたいに鉤爪とか無いから、こんな事をしないといけない。
不便だ。
アリサは猫化が進んだら爪とか鋭くなるのかしら──っと、もう一回!
「……やっとこさ、近付けたな」
「!?」
サラマンドラの右足を掴んだ。
驚いたな?
お前は知性を獲得しているな?
それは弱体化だ。
お前らモンスターは本能のままに振る舞うのがお似合いで、最も強い。
賢しらにあっちを見たりこっちを見たり、コマちゃんの戦術に対処したり。
そんなのは人間がやる事だ。
弱者の真似事をするのは、自分が弱い奴だって主張しているようなものだ。
掴んだ脚を振り回そうとしても、動かせないだろ?
コマちゃんやアリサと違うだろ?
ナイフを幹に刺して、柄を握って、シッカリ固定してるからな。
「ぜってぇ離さねえからな」
「シッ……! シッ……!」
細かく吐き出される、燃える唾液。
当たればそこから延焼し、重度の熱傷を引き起こす。
でも、離さない。
避けれるんだよな。
舌の向きで分かっちまう。
あっつ、服燃えたわ。
「ヒ、ヒロさん!?」
「アリサ! コマちゃんは今どんな感じだ!」
「え!? えっと、登ってきてます!」
「よし! アリサも攻撃し続けろ! これで予定通りだ!」
「うっす! ……ヒロさんは大丈夫っすか!?」
「だいじょばない!」
「え」
「でも、後にしろ!」
「は、はい!」
油断しなきゃ避けれる。
ちょっと舐めすぎてたわ。
両手塞がってるんだもんな。
「ハグッ、ハグッ」
当たらないことに痺れを切らしたのか、今度は噛みつきに切り替えた。
服が燃え落ちて腹が立ったので、一瞬ナイフから手を離して、鼻っ面をぶん殴った。
アンダーだったら第一階層を余裕で歩ける良い服なのに……
「ギィッ……!」
トカゲだろうがモンスターだろうが、痛いものは痛いらしい。
こちらを構う余裕もなく、頭を振っている。
「割りました!」
アリサも数枚の鱗を割ってくれたようだ。
そして──
「ワォン!」
周りを見ていないトカゲ畜生の腕に、うちの速攻係が噛み付いた。
遠回りだが、計画通りだ!
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない