【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
コマちゃんとバトンタッチで飛び降りる。
落ちながら見上げると、噛みついた前左腕を、頭をブンブンと振って引きちぎっていた。
「ギギャッ!?」
そのまま腕を一飲み。
せめて味わって食ってさしあげろ。
「──そうかよっ……!」
しかしすぐさま、引きちぎられた断面に炎を吹き掛ける。
止血かと思って見ていると、断面から腕がニョキニョキと生えてきた。
ふぁ、ふぁんたじぃ……!
「このっ、このっ!」
「アリサ! 背中は一番硬いんだから一旦戻ってこい!」
「…………高くて無理です!」
「はぁ……」
本当にバカで可愛い。
「だから──このまま鱗を剥いでやるっす!」
斧を鱗に差し込むと、ベリィッという生々しい音の後に一枚が剥がれ落ちた。
やればできるじゃん。
「ギィィィィィィアアアアアア!!」
「ぶええええええあああ!!」
とんでもなく痛かったらしい。
腕を引きちぎられた時よりも、よっぽど痛がっている。
背中を跳ね上げて、尻尾を打ちつけて、なんとか背中の上の無礼者を落とそうとし始めた。
アリサも奇声を上げながらしがみついている。
「──あっ」
案の定、本家よりも激しいロデオに晒されたアリサは落とされた。
幹の下部ではあるが、高さは2〜30mだ。
地面に落下すれば、その時の速度は時速70km以上。
……探索者だから大丈夫な気もするな。
そもそもあいつヒーリングファクターあるし。
とはいえ、それで判断を変えるほどアホじゃない。
「コマちゃん!」
「ワンッ」
コマちゃんは軽く幹を蹴り、横向きにアリサの身体を攫う。そのまま幹から幹へと上手くベクトルを変えながら戻ってきた。
「うぅ……」
口の中から地面にペイッて転がされ、半泣きのお嬢様を立たせる。
「怪我が無くて良かったな」
「心が大怪我っす……」
「シャキッとしろ! 奴さんはやる気100倍だぞ!」
「…………ヒェ」
上に広がる光景を見て、アリサの顔が一気に青ざめた。
先ほどまではトカゲの顔そのまま、突起の少ない顔をしていたのに──鱗や骨格が隆起し、禍々しい顔つきになっていた。
恐竜なんて生優しいものじゃない。
真に他の生物を脅かすモンスターとはこういうものだ、という顔。
腕は、地面を這うのに事足りる程度の細さではない。数倍は太くなり、爪を食い込ませていた幹を最早へし潰しながら掴んでいる。
「──ォォォオオオオオオオオ!!!」
咆哮と共に炎が噴き上がり、周囲の木々を覆う。
今度は先ほどの比では無い。
大炎上だ。
そういえば、商工会も大炎上した事があったらしいな。
「な、な、な、なんであんなに姿が変わっちゃったんすかあ!?」
「知らん、大事なのはあいつを討伐する事だよ」
「なんでそんな落ち着いてるんですかー!?」
「見た目くらい変わらなくてどうすんだ」
「なんすかその価値観……」
異世界でモンスターの姿が変わるなんて当たり前だと思うんだが、異世界の人にはあんまり分からないらしい。
日本人としての意識が足りないんじゃないかと常々思っている。
……日本じゃないけどな。
「あ、ちょ、アイツこっち向いて──ひっ」
煌めき。
そうとしか言いようがない。
大気を貫いて突き進んできた赤を、ナイフで受け止めた。
「ぐおおおおお!?」
「っっっ!!」
想像を超える衝撃が骨を軋ませ、弾き飛ばされそうになった。
「ヒ、ヒロさん……!」
や、やべえ……トチってる……魔剣がかき消してくれると思ったのに、普通に重い……!
峰に手を添え、なんとか重心に近い位置をキープする。
俺の最大出力はザックリ言って重機ぐらいなんだが、それでもこの重み。
伊達にレベル30台の難易度じゃねえ。
なんで炎がビームみたいになってんだよ、ゲームじゃねえんだぞ!
「わっ、私がなんとかして止めます!」
「は、早くしてくれ……! このままじゃあ……このままじゃあ焼肉を食べるどころか俺が焼肉になっちまう!」
「……いきます!」
渾身のナイスジョークだったのに、アリサは反応してくれなかった。
ただ、突き進む足取りに迷いは無い。
煤けた地面を踏み締め、土を飛ばしながらコマちゃんと並走していく。
「コマちゃん! 協力して!」
「わん!」
……なんか、アイツらかっけえな。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない