【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「……ありません」
無い。
無いよ。
神様とか言われても良くわかんないよ。
覚悟とか言われても分からない。
怖いよ。
痛かったんだよ。
──だけど……
「だけど…………それでも……逃げたく、無いんです……」
「…………」
「たとえ辛くても……どれだけ苦しくても……それだけは、しちゃ、いけないんです」
僕は、なんでこんな事を言っているんだろう。
みんなが死んで、のうのうと生き残って、それで綺麗事なんて。
「みんなの分まで、僕は……僕、は……っ!」
ああ、みんな……ごめん。
僕が止めるべきだったのに。
お兄ちゃんとしてみんなを……
「約束、したん、です……! みんなで幸せになろう、って……!」
「幸せになる……か……」
みんなの命を見捨てて生き延びた僕が、みんなに報いるたった一つの方法。
「僕は……! 幸せに、ならなきゃいけないん、です……!」
「それは──分かった、それならもう何も言わない」
「うぅ……うぅぅぅぅぅ……」
「ごめん、辛い時に」
首を横に振った。
そんな事ない。
最初はどんな人か分からなかったけど、でも、一人の僕にお見舞いに来てくれる人は加賀美さんしかいなかった。
一日の中で、あまり長い時間はいない。
でも、それは気を遣ってのことだと分かっていたし、人と少しでも話すと気が楽になった。
だけど、口から言葉を発せるような状態じゃなかった。
嗚咽を抑えるのに必死だったから。
「俺みたいな知らん奴が……何様だよな」
また首を横に振る。
だけど反応がない。
顔を上げると、加賀美さんは窓から外を眺めていた。
つまり、僕が首を振った事に気付いていなかった。
慌てて目元を拭う。
泣くのを見られるのは、流石に恥ずかしい。
「──らって、──わな」
何かをつぶやいて、振り返った。
「三船くん、探索者を続けるなら片腕じゃ厳しいんじゃないか?」
頷いた。
腕を引きちぎられた時のことを思い出そうとするだけで眩暈がしてくる。
威勢良く啖呵を切ったはいいけど、恐ろしくて暫くは挑むことすら出来そうに無かった。
「治すアテはあるのか?」
首を振る。
また、涙が滲み出してきた。
僕には何も無いんだってことを、ありありと突きつけられていた。
「回復薬でも直すのは難しいだろうな、せめて腕が残っていれば……」
「…………」
無理なのかな。
お金も力も無い。
僕みたいなのは、幸せを望んではいけないのかな。
少し大人の人がつっついただけでこれだ。
何もかも、無茶苦茶なことを言っていたんだ、僕は。
「……まぁ、とりあえずは義手でいいだろ」
「…………?」
義手…………義手?
義手でいいってなに?
僕がつけるの?
どうやって?
買うお金も無いのに?
「……ハハ、そう、かもです、ね」
色々な疑問が頭の中でぐるぐる回って──結局、口から出たのは曖昧な返答。
それに、上手く笑えたかも自信が無い。
「セントバックスだったかな、探索者用の義手を扱ってるのは」
「…………」
「ほら、見ろよこれ」
加賀美さんが見せてくれた画面には、色んな義手が映っていた。
なんの変哲も無いやつ。
伸びるやつ。
ロケットパンチ付き。
火炎放射機能付き。
電撃発生装置付き。
自動防衛システム。
…………えっと……
「遠慮せず見ていいからな──あ、ごめん18禁だわここから」
エッチなやつもあった。
「ごめんごめん、別にセクハラとかそういうのじゃないから……いや、本当に」
「だ、大丈夫です、興味ないんで」
「なら良かった。とりあえず、退院したらまずはセントバックスに行くか」
「…………」
「あぁ、もしかして行きたいところでもあるのか? ならまた日にちを改めて──」
ぽんぽんと話が進みそうになって、一瞬呆気に取られる。
なんとか手を掴んだ。
驚いたような顔を向けてくる加賀美さんに、なんでそんな顔してるんだよと文句を言いたくなる。
僕だよ、驚いてるのは。
「違くてっ……僕、お金、ないんですっ」
「大丈夫、俺はある」
俺はある???
この人は何を言っているの?
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない