【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
あれからジッと見続けて10分。
根が張ったみたいに全く動かなかった身体を身じろぎさせて、ハッ、と息を呑んだ。
慌てたようにこちらを見る。
「ご、ごめんなさいっあのっ──」
「他に何が見たい? 義手以外で」
「…………遠くから攻撃できるやつ、とか」
どれくらい遠くの話なのか分からなかったので、取り敢えず銃のコーナーへ。
結局武器は育つので、どんな武器を選ぼうがあまり変わらない。
好きなやつを選べばいい。
三船くんがこれまでに使ってたのは安売りの直剣だった。
見たけど、ほとんど変化は無い。
詳しく調べれば貯めているはずだが、どんな物質であれ物体であれ、魔素に晒されれば多少は魔素を取り込むので意味は無いだろう。
「銃って、実際どれくらいの強さなんですか?」
「初期能力の違いは近接武器よりも大きいけど、進化してくと同じ感じだから、見た目で選んだ方がいいぞ」
「あはは……まあ、お金ないんで見るだけで……」
「そうだな」
武器は自分で選んだ方がいい。
大事だ。
「──こ、これ……」
「うん? ……ああ、客寄せだな」
「一億……」
ラプラスの望遠鏡。
狙った相手がどんな動きをするかを予測して弾を放ち、仕留める。
アホらしい。
仕留めるっつってもレベル50くらいまでのモンスターだけだ。
コモンドラゴンがレベル50なので、ドラゴンスレイヤーにはなれる。
ドラゴンの中で最弱だがな。
そしてレベル50の探索者はああいう強いだけの初期武器よりも、自分と共に育った武器を選ぶ。
コウキさんの受け売りだ。
「一億あれば……」
「一億ねぇ」
三船くんも、一億あれば探索者になんてならなくて済んだに違いない。
もう少し堅実で、安全で、人並みの生活を送っていただろう。
「これからも直剣を使うつもり?」
「……みんなでお金を貯めて買ったものなので」
「なら、命と同じくらい大事にしな」
「──はい」
俺もその気持ちはわかる。
昔ミツキがくれた、なんでもしてあげる券はいまだに大切に持っている。
コウキさんに話すと悔しそうな顔をするんだ。
大きくなったらお父さんと結婚する&なんでもしてあげる券はお父さんの憧れだから仕方ない。
ざまあみろ。
「このボウガンは……」
「フロストバイトってやつだな」
魔素を氷属性の弾(?)に変換して放ち、着弾した箇所を凍らせる恐ろしい武器だ。
お値段1500万
これも初心者用の武器ではない。
中級者くらいで、遠距離の攻撃手段がないから補充したいって人向けだ。
こういう、モンスター向けのバカみたいな火力の武器が売っているのがここだ。
男なら、ここに来るだけで胸がくすぐられる。
ミツキは一回連れてきたら二度と着いてこなかった。
俺は買い物いつも付き合ってるのに。
「ミツキさんっていうのは、彼女さんですか?」
「いんや、幼なじみだ」
「…………」
「ほら、こいつ」
「わぁ」
写真フォルダを見せる。
膨大な量の写真に目を白黒させていた。
送ってくるんだからしょうがない。
数千枚の中の一枚だとしても、あいつの物は残さなきゃいけないからな。
「ほ、ほんとにつきあってないんですか?」
「ない」
「…………でも、これ……」
「まぁ、大事であることは間違いない」
「はぁ」
気の抜けた声。
あんまり納得していない感じだなこれは。
「こっちの子は?」
「コイツはアリサ、俺の生徒みたいな子だ」
街で孤独なグルメをしていたら、背後からこっそり飛びついてきた時に撮られた写真だ。
躍動感のあるいい写真だと思う。
「えーと……じゃあ、この子と付き合ってるんですか?」
「いや?」
「…………モテモテですね」
「うん」
まじで癒しだわ。
「すごい枚数ですね」
スワイプしていくと高校生、中学生の時の写真がそのうち出てきた。
「集合写真……」
「生徒会の奴らと撮ったやつだ。この時はみんなで夏祭りに行ったんだよ」
「いいですね」
「甚平着たことある? 甚平」
「……」
無言で苦笑いを浮かべる彼の顔を見て、あまり良い話題じゃなかったかと反省した。
身寄りのない子供が浴衣を自発的に着ることができる機会はそう多くはないだろう。
……それなら作るか。
機会を。
「今度、夏祭りにでも行こうか」
「え……」
「この時代の花火はすごいからな」
「そっ──」
「嫌なら無理にとは言わないけど、どうする?」
「…………今年は、やめておきます」
「そか、じゃあ来年な」
「! …………僕にはそんな権利は、無いですから」
そんな事ねえよ、と言うのも場違いだ。
彼自身の意識の問題なんだから。
──気長に待つか。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない