【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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あれだな……話を遡っていく時間を取るためにも一旦止まるかも……?


86_口の軽いやつ

 

「おじいさまから認めていただいた以上、あなたはそれ相応の責任を持っているんです」

 

「えーと……つまりなんだ?」

 

「私が番う人間としておじいさまが認めるとしたら、今のところあなたしかいません」

 

「さっきまでの話なんだったんだよ。今ので全部通ってただろ」

 

「それは……おじいさまの名前を出せばあなたは従うでしょう。あなたはそういう存在です」

 

 目的語が大きいな。

 せめて存在じゃなくて人間とかにしろよ。

 

「いいえ」

 

「いいえじゃないが」

 

「おじいさまのご威光によってなど、何も……良くないないではないですか」

 

 それなら最後までおじいさまのことは黙っていてほしかったと思うのは俺だけだろうか。

 

「あなたがいつまでもわがままを言うからです」

 

「俺が悪いみたいな方向に持って行くなよ……そもそも、見識が狭いうちに相手を決めるもんじゃないと思うんだけど。蒼連郷だけでも何十万人くらいはいるだろうし、もっと人と出会って決めなよ」

 

「…………私が人間とまともに話せないことはご存知では?」

 

 そうだった。

 コイツと話すとみんなヘブン状態になるんだった。

 なんなのアレ。魂がコイツの声を受け止めきれないとか言ってたけど、結局どういうことだよ。

 

「だからですね、あなたには私を番にする義務が半ば発生しているのです」

 

「すたぁぁぁっぷ!」

 

「なんでしょうか」

 

「あなたの身体のことも、声のことも、大変なのはわかったけど……適してるからとかおじいさんに言われたからとかそんな──そんな理由なら、ほかに相性ピッタリの人探してよ!」

 

「そ、それは……」

 

「アキは私たちのなんだから!」

 

 ミツキは俺に抱きつきながらそんなことを言った。

 わずかに震える腕は何かを必死に守ろうとしているようで、心が痛くなる。

 

「なあ。さっきも言った通りだけどお前と番にはなれないよ。友達としてお婿さん探しは手伝うからさ。それくらいにしてくれねえか」

 

「……わかりました」

 

「探索者ならその声も乗り越えるような奴がいるはずだから。そういうやつの中で探すことで、一つここは矛を収めてもらえると助かる」

 

「…………」

 

 こっちはこっちでシュンとなってて心が痛いけど、後で困るのは俺達だ。

 とにかく、これで落ち着いて過ごせる。

 

 そう思ったのも束の間だ。

 

『──』

 

 いつのまにか。

 目を離した隙に、ではない。何せ俺たちは彼女のことをまっすぐ見つめていたのだから。

 では、いつ? 

 問うことすら無駄なのだろう。そこにいるのは白銀の瞳ではなく、黄金に染まった瞳を持つ少女なのだから。

 そして見覚えのある現象でもあった。

 

『それほどに難しいか? 我との約束を守ることは』

 

「約束……?」

 

『大事にするという約束だ』

 

「そんなに粗末には扱ってないと思うんですけど……お気に召さなかったことが何かちょっとわからないです」

 

『…………もしや、勘違いか!』

 

 声変わらないのに口調がまるで違うから脳がバグりそうだ。

 

 威圧感は間違いなく黄金の竜そのもの。

 可憐な少女の姿のままで腕を組み、顎に手を当てている。

 ドラゴンのくせに人間の姿操るの上手いですね。

 

『そこな小娘、寄れ』

 

「はへ!? わ、私!?」

 

『…………やはり、強大な魂のカケラだな』

 

「あ、あの……どなたですかあ?」

 

『聞いとらんのか?』

 

「へへ、すっごく偉そうなのは伝わってくるんですけど……」

 

『……』

 

 ぶっちゃけ話してない。

 おじいさますごかったぜ! とか全く言ってないし、この地方を治めているらしき王様4体のことを暴露するのは身内とて無理でしょ。俺自身のことならともかくな。

 

『律儀なやつめ……』

 

 後の三体はおじいさまほどフレンドリーじゃなかったし、ほぼ死にかけてるからな。つまり3回死にかけてる。おじいさまの時と比較にならないくらい死にかけてる。

 傷は増えてます。

 

『つまりワシ自ら話せと?』

 

「──あ、あの!」

 

『む?』

 

「それって、空がおかしくなった時の話ですよね?」

 

『そうだぞ』

 

「私、何があったのか知りたいです! アキは何にも話してくれないし……教えてください!」

 

『…………うーむ』

 

 迷っているようだ。

 話とらんのか? と言った割には素直じゃない。

 

「お願いします!」

 

『…………そんなこと言われてもな〜』

 

「……だ、ダメですか?」

 

『聞きたいのが1人だけでは、話す気にならんの〜』

 

「ええ!?」

 

『どうしようかの〜』

 

 なんか、雰囲気が……いけ! アリサ! 

 

「あ、ええと……わ、私も聞きたいニャ〜♪ ……なんて……言ってみたり……」

 

『お主らだけ〜? 3人だとしても少なくなーい?』

 

 …………ええい! 待っとれ! 

 

「あの、呼ばれてきてみましたけど……どういう状況ですか?」

 

『この童は、お主のお気に入りのか』

 

「わ、わっぱ? それにしても『娘』さん、雰囲気が変わったような……」

 

『……色々と言いたいことはあるが、まあいいじゃろう』

 

「じゃろう……なんでおじいさんみたいな話し方なの?」

 

「…………あの女じゃない」

 

『つくづく思うが、敵だとわかっていて身中に置いておくのはどうなのだ?』

 

「っ!?」

 

『分からないと思うてか? ワシはこの子ほど純粋ではない』

 

 孫の身体借りて下腹部抑えるのやめてね。

 というか、話すならそろそろ話してくれてもいいのよ? 

 

『まだ少ないの〜……』

 

 ミツキアリサヒナタ。

 早苗ちゃん。

 三船くんシエルハシュアー。

 俺。

 8人もいるんだぞ。

 

『最低10以上は欲しいの〜……』

 

 はいはい。

 

「──あの……あ、本当にみんな集まってる」

 

「ここがアキヒロくんの新しい家か〜」

 

 扉を開けてきたのはアオイちゃんとナナオさんだ。

 10人ほしいっつーからちょうど呼んでみた。

 

『10以上欲しいって言ったら普通はもうちょい盛らんか? お主、ケチ臭いの〜』

 

「で、出た……プライベートだとそんな感じなのね!」

 

『勘違いするな。今話してるのはお主らが知っているあの子ではない』

 

「へ? …………なにが?」

 

『…………こいつ、大丈夫なのか?』

 

 ナナオさんは酒に酔うとアレなところがあるし酒に酔ってなくても変なことを言い出すけど、真面目な場面では締めてくれるので問題ない。商工会の人間ってところだけがネックか。

 

『ふむ……まあ良いか』

 

 

 ──────

 

 

 俺は基本的に知識をひけらかしたいとは思わない。

 そういう歳はとうに過ぎてるし、そもそも知識は使うものであって人に見聞きさせるためのものじゃないからだ。

 内部的に使うべきと言おうか。

 こうやって人を集めて話すのは、個人的には好みじゃない。

 

『赤き夜は所詮よそ者の力。支配者である我らを飛び越えて展開するまではできても、あとは力を細々と補充することしかできない』

 

「どうやって補充するの?」

 

『それは無論、集めるのだ』

 

「集める?」

 

『意思持つ存在ならば、強く願うことで世界を変える力を持つ。それを寄せ集めて力とする事こそ神どもの本懐よ』

 

「補充は?」

 

『この地からも、無垢な猿どもが拐かされて出奔しておるだろう。一匹一匹のチカラはタカが知れているが、アレだけ集まればあの雲を維持するどころか育てることもできよう』

 

「じゃあエリュシオンの仲間になった人たちがいなければ、あの赤い雲もすぐに消えてたってこと!?」

 

『愚かさをサルから無くすことが出来るならば、もう少し住みよい世界になるだろうよ』

 

 何も隠さない。

 俺が話した時は命懸けで防御に徹するようなワンサイドゲームを経て答えをくれたってのに、ナナオさんの質問に対して律儀に答えている。

 ……いや、アレは王としての振る舞いか。

 

『──』

 

 あの雲をはらったときのコトを語るだけ語って──あくまで彼がやったことについてのみだけど、満足したのか話は終わりとなった。

 本当にナナオさんとアオイちゃんに話して良かったのかは知らん。

 

「な、なんか……色々凄いことを聞いた気がします……!」

 

「私も……本当に聞いて良かったのかな」

 

 知識は牛肉に通ず。

 これが良い未来への一歩になることを願ってるよ。

 

『何を良い話で終わらせようとしているんだ?』

 

「え?」

 

『元はと言えば、お主がグダグダと…………』

 

「……?」

 

 なぜかストップした。

 

『おい娘』

 

「なんですか?」

 

『男が女を大事にするとはどういう意味だ?』

 

「……は? なにいきなり。大事にしてくれる相手もいないってバカにしてんの?」

 

『な、何を怒っているのだこの娘は』

 

 おお、ドラゴンをキョドらせてるぞ。

 

『お主を下げる意図はない。ただの質問だ』

 

「ただの質問ン〜? まあ、それなら……大事にするっていうのはそりゃ…………アレよ……あ、あの…………」

 

『疾く答えよ』

 

「なんでこんなコト真面目に答えなきゃなんないわけ……しかもこの場で……しかも私だけ……ちょームカつく…………ムカつく!」

 

『!?』

 

「そんなのアキヒロ君とかハシュアーに聞けばいーんじゃないですかねえ!」

 

 ドシドシと足音を鳴らしながらナナオさんは出て行った。

 室内なのに、冷たいからっ風が吹いたような気がした。

 

『な、なんだあの娘は……まるで年頃のような……ま、まあ良い。ではお主!』

 

「──僕ですか?」

 

『同じ問いを投げよう。女が男を大事にするとは?』

 

「えっと……守るって事です!」

 

『んん……んぅ……』

 

「な、何かダメだったかな……」

 

「大丈夫」

 

「シエルちゃん……ありがとう」

 

「うん」

 

 いやもう、ぶっちゃけて言えば何を言わせたいのかは分かってるんだけど人選がダメだよね。そして人選が誰によるものかを考えて貰えばわかると思うけど、お見通しなんすわ。

 

『おのれ……役に立たんやつらめ』

 

「俺分かるぜ!」

 

『……ほう?』

 

「姉ちゃんアレだろ? 姫様みたいに神様がくっついてんだろ?」

 

『敢えて名言は避けたが、やはり分かるか。鉄の申し子よ』

 

「てつのもーしご? なんかかっけー!」

 

『それで、答えは?』

 

「大事にするってのはアレだぜ。嫁にするってこと!」

 

 なにいいいいい!? 

 

「それ以外の意味、いるか?」

 

「……ハシュアー、大事にするってのは色々な意味があるんだぞ?」

 

「え? な、なに?」

 

「たとえ友人であったとしても大事にすることはできる。男女の仲であることだけが、大事にする術じゃない──だろ?」

 

「…………でもそれって、好きじゃないけど居心地いーからそばにいて欲しいだけでしょ? 男らしくねーよ」

 

「んなっ!?」

 

 こ、こいつ……本質を! 

 

『どうやら答えは見えたみたいだな』

 

 そんな〜……

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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