【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「アメモラシ……うん、大丈夫だ」
枝を使って、排泄物をかき分ける。
内部には特筆すべきものは無かったが、中心に近い部分を採取用の容器に移した。
「もういいですかね」
「うん、池に帰してあげてくれ」
「ほーい……よっ、と」
「あまり刺激しないようにね、雨が降ったら大変だ」
「はは、気を付けます」
鏡ヶ池。
その名の通り、鏡の如く周りの様子を映し出す性質を持った池。
あまりに反射率が高いので、中は見えない。
名付けたのは永井先生の仲間。
「すっごい……どうなってるのコレ……」
「おそらく、魔素を含んだ事で反射率が内部で何十にも分かれているんだろうね」
「お化粧もできちゃいそう」
「できるだろうね──さて、次のポイントだ」
「池の中にも色々なモンスターがいるんじゃないんですか?」
「お目当てはアメモラシだからね。もう、ここに滞在する必要はないよ──ああ、まだ見ていたいなら暫くはいてもいい。後でちゃんと迎えにくるから」
「違います違います!」
ぶんぶんと大袈裟なくらいに首を横に振る。
モンスターに襲われないとは言え、1人でこんな未開の奥地に取り残されるのは御免被るということだろうか。
一応地図はあるんだけどな。
すっ、と差し出した。
「私、地図の読み方なんて分からないよ!?」
「受付なのに?」
「受付関係無いよ!」
「じゃあ受付ってどんな人なら就職できるんです?」
「顔が良ければ」
「……え? 事務作業とかはするんですよね?」
「そりゃあするけど、複雑なのはしないよ」
「パート?」
「失礼だよ!? そもそも、探索者と面と向かってやり取りするのって結構緊張感あるんだからね! みんなチンピラだし!」
「ああ、なるほど」
確かに言葉遣いとか態度が終わってるやつ、結構いるもんな。この前も喧嘩ふっかけてきた奴がいて殴り合いになったし。
帰りが遅くなってミツキにお小言言われちゃったよ。
でも、俺たちのことチンピラって思ってたんだ。それは初耳だ。
「もう私のことはいいから、次行くよ、次!」
次の場所は黒岩地帯。
言ってしまえば、一つの山が丸々黒曜石でできている。
そこに草木が根付いているので、ところどころ見える黒いものは全部が黒曜石だ。
ちょくちょく紫になっている黒曜石が落ちているのは、魔素を多く吸収したものだ。
そうなると色々話が変わってくる。
分子レベルの鋭さを持つ黒曜石に、鋼鉄の如き粘り強さが生まれる。
意味がわからないけど、とにかくやばい。
医療現場では重宝されているらしい。
「おひょひょひょひょ!」
ここが大当たりだった。
永井先生は奇声を上げながらウンコに向かって走っていった。
街中で見られたら通報間違いなしだ。
「ほら、手伝ってくれ!」
「ゔぇぇぇぇ!」
エグいえずき方をしている方目さんはともかく、急いで採取の手伝いに入った。
……こ、これは!?
「そうだ! 噂に聞く生チョコレートならぬ、生ウンコだ! 新鮮だぞお!」
「早く取らなきゃ!」
「こ゛い゛つ゛ら゛な゛ん゛な゛の゛……ゔぉぇぇぇぇ!」
アンチェンドワーム、飛行性のモンスターのウンコだ。
ミミズが魔素を吸収し続け、ついに地面から解き放たれた姿。
ミミズという生物の、モンスターとしての究極の姿。
レベルは圧巻の70オーバー。
あのちっちゃな虫ケラがこんな立派になって……と、創造主も喜んでいることだろう。
雑食──肉も草も土も岩も食べる──のため、排泄物の匂いはとんでもない。
方目さんは涙目で後ずさっている。
「はんへ……はんへほんはひひはよへふほ!?」
「慣れてるから」
「はへふはへはいへほ!」
そんなこと言われても、こういう事するのが常だし。
ここまでの匂いを発する奴にはなかなか出会えないけど。
「はなへへほいい?」
「危なく無い範囲でね」
「う゛ぅ゛〜!」
鼻をつまみ、小走りで離れていった。
「ふっふっふ、かわいいね」
「いつもあんな感じなら良いんですけどね」
「違うのかい」
「俺に変な仕事を押し付けてくるんですよ」
「変な仕事」
「子供の世話を見ろ、みたいな」
「ベビーシッターの仕事かい?」
「子供っつっても10代ですよ」
「君は子供が好きなんだろう? 良いじゃないか」
「そう気楽に言いますけどね……傷ついた子供って想像以上にナイーブで孤独なんですよ」
「大変だね」
大変なのだ。
──だからこそ、やり甲斐がある。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない