【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「いっぱい取れたねえ」
「取れましたねえ」
「なんだかんだで方目さんも手伝ってくれているし、今回は大成功だよ」
ポンポンと背嚢を叩く。
なによりも、アンチェンドワームの排泄物を手に入れられた事が嬉しいに違いない。
「ウンチだらけ……」
「方目さん本当にありがとう、助かったよ」
「どういたしまして……コレ、匂い落ちますよね……?」
「ちゃんとお風呂に入れば落ちるさ」
「服は?」
「…………わはははっ!」
手が増えた──ということ以上に、方目さんを連れてきてよかったと思う。
懐かしい。
昔の、初々しかった方目さんが少しだけ戻ってきたような気がした。
出会った当初はもう少し堅かったし、言葉遣いも丁寧だった。
──おっと、永井先生に置いてけぼりにされるところだ。
思い出は心にしまっておこう。
「どーかしたの?」
「いえ、なんでもないですよ」
「嘘だぁ」
「俺が嘘なんかつくわけないでしょ」
「嘘つきはそう言うんだよ!」
「……ほら、荷物貸して」
「あ、ありがとう…………って、誤魔化すなぁ!」
再び歩くこと20分。
既に資料集めは終わっているが、どこかを目指していた。
当然、わかっている。
この世ならざる景色というやつを目指しているのだ。
受付として探索者の相手をしていては味わえない世界。
大学生が飲み会をしていても、髪色が変わる子をいじめても、学校から逃げても、社会に出て働いていても。
人間の営みの全てを網羅しても、見たことがなかった世界だ。
「…………うわぁ」
「ここは精霊の泉と名付けた場所だ」
単に美しいだけならば。
俺だって色々なものを目にしてきた自信はある。
コレはそうじゃない。
ここは、人為的だとか、自然豊かだとか、そういう話をできる場所ではない。
人間によって調整されたものは美しいし、自然が生み出した奇跡というのもまた美しい。
ならばコレは、きっと神が調整して生み出した奇跡なのだろう。
「そうだね、その解釈は概ね合っているんじゃないかな」
「すごい……臭くなければ完璧だったのに……」
「それはすまない」
クリスタルがあちこちに露出しており、内部から仄かな光を見せている。
方目さんがクリスタルに触れた。
触れた部分は指の形に淡い光を発し、小さな光の粒が空気中に放たれる。
光粒の先を追った。
空中に浮かんだクリスタルに粒が吸い込まれ、ランタンのように辺りを照らし出す。
大小様々な塊が浮いていた。
クリスタルにはガジュマルやパキラのような植物が根を張り、相互の間隔を保ちながら泉を取り囲んでいる。
暫くポケーっと見ていた状態から、慌てて端末をいじり出した。
「写真写真……」
「方目さん、写真はダメですよ」
「あ、そだっけ」
「一応ね」
「そっかぁ……お母さんたちに送ろうかなって思ったんだけど」
絵ならいいらしいけどな。
目に焼き付けて帰るんだよ。
「──うん、美味しい」
永井先生は畔にしゃがみ込むと、手で水を掬ってそれを躊躇なく飲んだ。
「よくこの状況で飲めるね……」
「慣れてますから」
「臭くて味なんか分からないでしょ」
「飲んでみたら?」
「……衛生基準とか大丈夫?」
「少なくとも俺たちはお腹壊したことないですね」
「…………じゃあ、少しだけ」
恐々とカップで泉の水を掬う。
ジッと、中を見つめているのは虫でもいないかと気になっているのだろう。
やがて腹が決まったのか、口元に近づけた。
チビッと口に含み、喉を通す。
「──おいしい」
「でしょう?」
「うん、持ち帰りたいかも」
「それくらいなら良いんじゃないですかね」
「そりゃそうだよね、だってウンチ持って帰ろうとしてるもんね」
「ははは」
まぁそこはね、永井先生の長年の功績というか。
「水筒に入れちゃお」
ゴポポポと空気が抜け、代わりに泉の水で満たされていく水筒。
こうして、今回の試料採取は大成功に終わった。
「──うわ!? くっさ! 出てけ!」
「ミツキさん! そんなこと言っちゃ──くっさ!」
「お兄ちゃん家入ってこないで!」
「ガルルルルルル」
せめてコマちゃんは味方してくれよ……
家までずっと一緒だったじゃんよ……
そもそも俺の家じゃんよ……
──なんで君たち集まってんの?
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない