【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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63_性教育もどき

 

 ──どうしてこうなったんだ。

 俺は健全な距離感を保って接してきていたと思う。

 幼馴染として、大切には思っている。

 だからこそなるべく近くにいつつ、間違いが無いように気を付けていた。

 

 概ね成功していたように記憶してるのだが、結果としては寝起き幼馴染のチ◯コをまさぐるような女子に成長してしまった。

 泣きそうだ。

 ……あれ、本当に泣きそう。

 女の子の気持ちにも気付けない自分が情けない。

 

「はぁ……」

 

 そう、結果が全てだ。

 俺の行動は間違っていた。

 俺の記憶の中の女子とは、こういう感じじゃない。

 つまり……それこそが全ての過ちの始まりなのだろう。

 アリサもミツキも、俺の既存の尺度では測れないような女子だったという事だ。

 

 完成した俺という人間の価値観は、『女子とはこういうものだ』と強烈に定義してしまっていた。

 だが、認識を変える事はできる。

 違和感を覚えるとしても、慣れる事はできる。

 それこそが人間の強みだ。

 

 俺の世界と、この世界の違い。

 それは強大な敵の存在。

 明確に人類の天敵がいるということは、繁殖の必要性が高まっているということを意味する。

 そういう事なんじゃないかと、俺は思う。

 

 彼女たちは本能的に子供が欲しいのか。

 或いは、俺との子供が欲しいのか。

 それはどうでもいい。

 大事なのは、これからの接し方だ。

 

 こちらでの幼少期は、俺は男女の触れ合いについて学ぶことを放棄していた。

 舐めていたと言ってもいい。

 こんなことになるなんて、予想できるわけがない。

 もう一度言おう。

 予想なんてできるわけがない。

 

 基本的には全く同じ世界だと思って生きてきたのだから。

 

 コレはもう、誰かに相談するしかない。

 そして、そんな相談ができる相手といえば一人しかいない。

 

「……お前は何を言ってるんだ」

 

「女について教えてください」

 

「お ま え は な に を い っ て い る ん だ」

 

 コウキさんと二人きりの部屋で、頼んでみた。

 あれほどに強いコウキさんは恐怖に震え上がったような表情で立ち上がると、扉目掛けてダッシュをし始めた。

 

「にがさん!」

 

「──いやぁぁぁぁあ! たすけてぇぇぇ! 娘の幼馴染に犯されるぅぅぅ!」

 

「んなわけねえだろ! 真面目に話聞け!」

 

 コウキさんと掴み合いになって部屋がとっ散らかったが、なんとか押し留めることには成功した。

 

「ごめん、ミナ……俺はここで終わる……」

 

「ふざけろ」

 

「……はぁ……んで、どういう話だ?」

 

 ミツキとアリサとの事を話した。

 叱られた。

 

「お前さぁ、女の子がそこまでしてるのに放置って……寝取られても知らねえぞ?」

 

「まだ寝てない」

 

「そういう事じゃねえよ! お前ぶっとばすぞ!」

 

 だいたい、ミツキはお前の娘だろ。

 放置してなかったら大事な娘が目の前の男に取られるんだぞ。

 

「どこぞの馬の骨にってなるよりかは一億万倍マシだわ!」

 

「……確かに」

 

「確かにってなんだよ!」

 

 俺もダイくんなら安心して任せられたしな。

 分かるわ。

 

「一つ聞きたいんだけど、女の性欲ってどうなってんの?」

 

 そこだけは知りたかった。

 答えは正直、ある程度わかっている。

 ただ、納得が欲しかった。

 

「自分で調べろよ!」

 

「調べてわかったら聞かねえよ」

 

 こっちの世界基準で書かれてるの読んでも分かるわけねえだろ! それ以前に、インターネットの情報なんか鵜呑みにするわけねえだろがい! 

 

「お前が身をもって体験したとおりだよ!」

 

「──あぁ、そうなんだ」

 

 現地人から目の前で言われると、スッ、と頭に入ってきた。

 これこれ。

 この感覚よ。

 

「お、おい……なんだその目は」

 

「いや、ミツキが生まれた理由もなんとなくわかって」

 

「やめろ! そんな目で見るな!」

 

「でもそうか……そうなんだな……」

 

「なんでお前そんな真面目なんだよ……」

 

 大事な知り合い二人がおかしくなったかもって思ったら真面目にもなるだろ。

 

「はぁ…………まぁいいけどさぁ、なぁ」

 

「はい?」

 

「この際、二人でも三人でも許してやるけど、ちゃんとしろよ」

 

「…………」

 

「頷けよ、なんで頷かねえんだよ」

 

「もちろん大事にはする。だけど……ちょっと思うところがあってな」

 

「……おい」

 

「え──ぐあっ!? ……いってえな!」

 

 グーパンが飛んできた。

 

「いつまでもぐだぐだ悩んでんじゃねえぞテメェコノヤロー!」

 

「……あぁ!?」

 

「テメェが何かに……何かは知らねえけど、遠慮してることくらい分かってんだよ!」

 

「分かってんなら──」

 

「だけどよお! お前の前にいるのはあの二人だろうが!」

 

「っ」

 

「ちゃんと見ろ!」

 

 意気消沈。

 本当に、コウキさんの言う通りだ。

 家に帰っている途中、ずっと地面を見ていた。

 

 リビングに入ると、コマちゃんが背中を向けて座っている。

 

「こまちゃああああ」

 

「わふ……」

 

 窓際で空を見上げていたコマちゃんのお腹に飛び込み、顔をゴシゴシと擦り付けてから話しかける。

 

「なぁ……俺、やっぱり間違ってたのかな」

 

「ワン」

 

「正しいことが正解とは限らない、か……」

 

「ワン」

 

「だけどよお、今更どんな顔すりゃいいんだ? セックスしよう! って元気よく話しかけるか? 風俗じゃねえんだぞ」

 

「ワン」

 

「とりあえず今年はそのままでいい……どういうことだ?」

 

「ワン」

 

「まぁまぁって……分かったよコマちゃん」

 

「わふ」

 

「話、聞いてくれてありがとな」

 

「わふ」

 

 ミナさんには話してないから良いよな。

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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