【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
秋川駅の駅前広場で仁王立ちをしていたら、赤い髪をたなびかせてイケメンがやってきた。
「ロイス、久しぶり」
「お久しぶりです」
「お前は相変わらずだな」
「先輩の方が変わってないですから」
「もう先輩じゃねえけどな?」
「はは、俺にとってはいつまでも先輩ですよ」
秋川駅はコイツの実家の最寄駅。
実家=クソデカ神社なわけだが、久しぶりに呼び出されたのだ。
秋川神社。
とある神を祀る神社。
元々は神道由来だったのだろうが、第二期に入ってからは実在の神へと切り替えたのだろう。
ご利益ありきだってのも、人間らしいねえ。
「…………」
「どうした」
「あ、いえ……今日はコマちゃんは……いないん、ですか、ね?」
「乗り気じゃなかったからな」
「……そう、ですか……」
「なんだお前、俺じゃなくてコマちゃんに会いたかったのかよ」
「いやいや! そういうわけじゃないですって!」
悲しいねえ。
俺は犬以下だってよ。
連れてくるといっつも可愛がってたもんな。
可愛がる超えて有り難がってたくらいだ。
腹いせにおみくじ全部引いて帰ってやろうか。
「それにしても、この街は変わらねえな」
再開発とか無いのだろうか。
「神様がいるのに、なかなかそんなことできませんって……バチが当たりますよ」
「そうかい、ショッピングモールの一つぐらいできてもおかしく無いと思うがなあ……」
「父さん達には言わないでくださいよ? 板挟みになっちゃうんですから」
「まぁ……この雰囲気は嫌いじゃねえけどな」
牧歌的──その言葉がそもそも当てはまるのか分からないけど、古い街並みや自然が今も残る街だ。
まるで、本当に日本にいるみたいな気分になる。
ここに来ると、少しだけおセンチになっちゃうのよねん。
「さぁ、行きますか」
「おぉ」
神社までの道は商店街となっている。
ロイスは、神主のような格好をしている。
もう少しラフだけど。
実家がアレだから、当たり前っちゃあ当たり前なんだろう。
だけど、それが原因なのかイヤに目立って、いささかの居心地悪さを感じた。
「もし」
途中、話しかけてくる老婆がいた。
いやに恭しい。
「──お久しぶりでございます、加賀美さま」
確か、ロイスのところの──
「先輩……マキさんです……」
ロイスがヒソヒソと耳打ちをする前には思い出していた。
女中のマキさんだ。
「お久しぶりです、マキさん」
「……おお……おお……! 私めのことを覚えていてくださったのですか!?」
「もちろん」
コイツの家、濃いんだよな。
もしくは、全員の腰が低いから場違いに感じるとも言う。
「最近のロイス様は、ソフィア様と大変仲がよろしくて……一昨日などもあちらのカフェで……」
「婆や! やめてくださいよ恥ずかしい……」
「おほほ」
「……ちょっと! 先輩もなんでそんな笑ってるんすか!」
おじさん、大満足。
ソフィアはロイスとお似合いだと、最初から思ってたからな。
「い、一応……婚約者ですから」
恥ずかしそうに指輪を見せてくる。
俺があげた宝石が使われているやつだ。
感慨深いよね。
「それで、加賀美さま?」
「はい?」
「本日はコマちゃんは……いらっしゃらないのですか?」
ババアもかよ。
こいつら犬が見たいだけじゃねえか。
何が神に仕える一族だ。
ただの犬好き地域だろうが。
捨て犬全部、お前らに寄付してやろうか。
「今日は行く気起きないって言ってました」
「そう、ですか……」
おい、露骨にテンション下がっただろ!
どんだけ犬に会いたいんだよ! 俺を呼び出したんじゃねえだろこれやっぱり!
「暑いって」
「……暑いから来たくない、と!?」
「え、ええ、そう言ってましたよ」
何に驚いてんだよ。
犬だって暑いのはいやだろ。
俺もいやだもん。
たまには俺の加賀美家じゃないところがいいって言うから、今日はアリサのところに預けてきた。
いやぁ……アリサの顔を朝から見られたから、なんとかこの暑さも乗り越えられるな。
『いってらっしゃーい!』
あの笑顔、値千金だぜ!
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない