【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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64_秋川の地

 秋川駅の駅前広場で仁王立ちをしていたら、赤い髪をたなびかせてイケメンがやってきた。

 

「ロイス、久しぶり」

 

「お久しぶりです」

 

「お前は相変わらずだな」

 

「先輩の方が変わってないですから」

 

「もう先輩じゃねえけどな?」

 

「はは、俺にとってはいつまでも先輩ですよ」

 

 秋川駅はコイツの実家の最寄駅。

 実家=クソデカ神社なわけだが、久しぶりに呼び出されたのだ。

 秋川神社。

 とある神を祀る神社。

 元々は神道由来だったのだろうが、第二期に入ってからは実在の神へと切り替えたのだろう。

 ご利益ありきだってのも、人間らしいねえ。

 

「…………」

 

「どうした」

 

「あ、いえ……今日はコマちゃんは……いないん、ですか、ね?」

 

「乗り気じゃなかったからな」

 

「……そう、ですか……」

 

「なんだお前、俺じゃなくてコマちゃんに会いたかったのかよ」

 

「いやいや! そういうわけじゃないですって!」

 

 悲しいねえ。

 俺は犬以下だってよ。

 連れてくるといっつも可愛がってたもんな。

 可愛がる超えて有り難がってたくらいだ。

 腹いせにおみくじ全部引いて帰ってやろうか。

 

「それにしても、この街は変わらねえな」

 

 再開発とか無いのだろうか。

 

「神様がいるのに、なかなかそんなことできませんって……バチが当たりますよ」

 

「そうかい、ショッピングモールの一つぐらいできてもおかしく無いと思うがなあ……」

 

「父さん達には言わないでくださいよ? 板挟みになっちゃうんですから」

 

「まぁ……この雰囲気は嫌いじゃねえけどな」

 

 牧歌的──その言葉がそもそも当てはまるのか分からないけど、古い街並みや自然が今も残る街だ。

 まるで、本当に日本にいるみたいな気分になる。

 ここに来ると、少しだけおセンチになっちゃうのよねん。

 

「さぁ、行きますか」

 

「おぉ」

 

 神社までの道は商店街となっている。

 ロイスは、神主のような格好をしている。

 もう少しラフだけど。

 実家がアレだから、当たり前っちゃあ当たり前なんだろう。

 だけど、それが原因なのかイヤに目立って、いささかの居心地悪さを感じた。

 

「もし」

 

 途中、話しかけてくる老婆がいた。

 いやに恭しい。

 

「──お久しぶりでございます、加賀美さま」

 

 確か、ロイスのところの──

 

「先輩……マキさんです……」

 

 ロイスがヒソヒソと耳打ちをする前には思い出していた。

 女中のマキさんだ。

 

「お久しぶりです、マキさん」

 

「……おお……おお……! 私めのことを覚えていてくださったのですか!?」

 

「もちろん」

 

 コイツの家、濃いんだよな。

 もしくは、全員の腰が低いから場違いに感じるとも言う。

 

「最近のロイス様は、ソフィア様と大変仲がよろしくて……一昨日などもあちらのカフェで……」

 

「婆や! やめてくださいよ恥ずかしい……」

 

「おほほ」

 

「……ちょっと! 先輩もなんでそんな笑ってるんすか!」

 

 おじさん、大満足。

 ソフィアはロイスとお似合いだと、最初から思ってたからな。

 

「い、一応……婚約者ですから」

 

 恥ずかしそうに指輪を見せてくる。

 俺があげた宝石が使われているやつだ。

 感慨深いよね。

 

「それで、加賀美さま?」

 

「はい?」

 

「本日はコマちゃんは……いらっしゃらないのですか?」

 

 ババアもかよ。

 こいつら犬が見たいだけじゃねえか。

 何が神に仕える一族だ。

 ただの犬好き地域だろうが。

 捨て犬全部、お前らに寄付してやろうか。

 

「今日は行く気起きないって言ってました」

 

「そう、ですか……」

 

 おい、露骨にテンション下がっただろ! 

 どんだけ犬に会いたいんだよ! 俺を呼び出したんじゃねえだろこれやっぱり! 

 

「暑いって」

 

「……暑いから来たくない、と!?」

 

「え、ええ、そう言ってましたよ」

 

 何に驚いてんだよ。

 犬だって暑いのはいやだろ。

 俺もいやだもん。

 

 たまには俺の加賀美家じゃないところがいいって言うから、今日はアリサのところに預けてきた。

 いやぁ……アリサの顔を朝から見られたから、なんとかこの暑さも乗り越えられるな。

 

『いってらっしゃーい!』

 

 あの笑顔、値千金だぜ! 

 

登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か

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