【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「風が気持ちいいな」
「俺もここ、好きです」
神社の境内へと向かう階段。
木々の間を抜けてきた風が、涼しく頬を撫でる。
神社っていうのは、日本人にとって特別な空間だ。
これから神社行くぞーってなるだけで、ちょっと気分が引き締まる。
俺も、大事の前は良く祈願に行ったものだ。
こっちの世界だと、神社はだいぶ間引きされてる。
神様がね……
今も残ってる神社は、かなり力を持った神様が存在しているところということだ。
願わくば、顔を合わせたくないものだけど。
廃人になりたくないからな。
「ソフィアとは同棲してるのか?」
「はい、一応」
「一応ってなんだよ」
「……へへ」
かわいいやつめ。
「先輩こそ、ミツキさんとはどうしてるんすか」
「あ゛ぁ゛〜……」
「どうしたんすか!?」
「色々あるんだよ」
「け、喧嘩とか?」
「違うけど」
「……色々ですか」
男女の関係ってのは、どこの世界に行っても変わらねえなあ。
「──ようこそおいでくださいました、加賀美さま」
「どうも、お久しぶりです」
これだよ。
秋川ん家に来ると、最上級のおもてなしを見せつけられることになる。
女中やら執事みたいな奴やらがゾロゾロと並んでOMOTENASIだ。
やめろやめろと言っても、聞く耳持たない。
大事な長男を助けた恩人に対しての態度としては当然らしい。
……いや当然じゃないが?
そもそも、当の本人がやめろっつってんだからやめろよ。
ほら、新入りの子が俺のことめっちゃ見てんだろうが。
なんだコイツ、権力者か? みたいな目してるよ。
「先輩、中入りましょ?」
「おう」
秋川の家に入ると冷房は無かった。
相変わらずだねえ。
設備搬入くらい許してやれよ神様もよお。
「あはは……」
神様への悪口は流石に対応しきれないらしい。
ふん、日和りやがって雑魚が。
「神域に機械を入れるのは失礼に当たりますから……」
「知ってるって」
「暑いわけじゃないでしょう?」
「涼しくもないけどな」
建築的な工夫がなされているのか、外気に比べると温度の低い風がそこかしこから柔らかく吹き出している。
結構面白い試みだとは思う。
まあ、冷房の方が涼しいけど。
コマちゃんは犬だから神社の趣とか興味ないし、何回か来て思ったんだろう。
あれ? 家で待ってた方が涼しくね? って。
「相変わらず手厳しいお方だ」
「ああ、上山さん」
「お久しぶりでございます、加賀美様」
上山さんは顎髭の似合うクソイケジジイで、執事をやっている。
「どうも、これ上山さんへのお土産です」
「──おおおお!?」
「コマちゃんの手作りぬいぐるみです」
以前、欲しいみたいなことをチラッと言ってたからな。
母さんに教わりつつ、ちまちま作ってたんだわ。
上山さんに秋川を助けた時に色々世話になっている。
いつか返せたらと思っていたんだ。
「──ありがたく頂戴いたします」
ロイスが上山さんの手元をジーッと見つめていた。
「いいなぁ」
「……こ、これは私が頂いたのですので」
上山さんは若干気まずそうにしつつも渡す気は無いのか、スッと服の内ポケットにしまった。
こいつら、犬が好きすぎる。
「先輩……」
「……わかったよ、今度作るよ」
子犬みたいな目で見てきやがって……犬が好きだと犬に似てくるもんなのか?
「やったー!」
ここまで期待されると悪い気はしないな。
「加賀美様、ようこそおいでくださいました」
「──うお!?」
襖が少しだけ開いて、ロイスの親父さんが目だけを覗かせていた。
ビビって離れるとスーッと開いていく。
相変わらずだなこの人。
「お久しぶりです」
「何やら面白そうな話をされておりましたが……」
「いやぁ…………ははは」
「ぜひ、私も一つ……」
やっぱり聞こえてたんかーい!
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない