【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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67_本当に無意味なこと

「──知り合いの子を連れてきたい? そりゃあ良いですけど……また何で」

 

「うん、実はその子が塞ぎ込みがちでな? 色々と連れ回したいんだ」

 

「はぁ〜……まだそういうのやってるんすねぇ」

 

「そういうのって言うな」

 

 コイツからの俺への印象が透けて見えて、なんか嫌だな。

 

「女の子ですか?」

 

「男だよ…………お前、俺のことを何だと思ってるんだ」

 

「…………ははっ!」

 

「なんか言えよ」

 

「言っちゃって良いんですか?」

 

「……嫌な予感がするからやっぱ良いわ」

 

「でしょっ?」

 

 お前がイケメンじゃなかったら許されないぞ、今のウィンクは。

 

「でも、そっかぁ…………やっぱり先輩は変わらないんですね……」

 

「…………」

 

「うん、安心します」

 

 実家のような、ってか? 

 嬉しそうにしやがって。

 なんか少しくらい変わったところ言えよ。

 

「だって、本当に変わってないんですもん」

 

「……そうか」

 

「落ち込まないでくださいよ! 褒めてるんですから!」

 

「落ち込んでなんか無い、少し考えていただけだよ」

 

「なら良いんですけど……」

 

 ──ヒタ、ヒタ、と足音が聞こえた。

 

「……あ! ソフィア!」

 

「ロイス君、ただいま!」

 

 愛しの彼女が帰ってきた。

 ロイスはすぐに立ち上がって、お帰りのキスをした。

 熱いねえ。

 

「会長、久しぶりです」

 

「元気そうだな」

 

「おかげさまです!」

 

「扉は開いてないな?」

 

「はい!」

 

「開いたら呼べよ」

 

「──はいっ!」

 

 笑顔になった後輩を見ると、俺もつられる。

 やはり可愛いな。

 

「ちょっと先輩、口説かないでください」

 

「口説いてねえよアホか」

 

「タチ悪い……」

 

「なんちゅう言い草だ」

 

 ソフィアを抱きしめて占有権を主張するロイスは、先ほどまでの雰囲気から一気に男の欲を出した顔になっていた。

 俺が寝取りモノの竿役だとでも思っているのかね。

 そんなロイスの夜は、さぞや激しいんだろうな。

 

 ……ふむ。

 

「ときにお前ら」

 

「なんですか」

 

「ダンスは出来るか?」

 

「…………?」

 

 二人して顔を見合わせる。

 まあ、分からないか。

 

「庭に出て、踊ってみてほしい」

 

「なんですかそれ」

 

 カラカラと笑うロイスと、少し困惑したようなソフィア。

 

「お前らがここで踊っているところが見たいんだ」

 

 何故かは分からない。

 神樹、そしてホタル。

 ロイスとソフィアを見た時に、そう思った。

 

「ソフィアが色々終わってからでいいからさ」

 

 そう、思ってしまったのだから。

 きっとそれは、何にも代え難いだろう。

 

「──こ、こんな感じでいいですか?」

 

「あわわ、わ……」

 

 ゆっくりと、お城で踊っているかのようなステップで二人は揺れていた。

 月光が二つの影をつくりだし、地面の上で形を変えていく。

 

「続けて」

 

「はーい」

 

 二人は社交ダンスなんてやった事は無い。

 服だってパジャマだし、履いているのはサンダルだ。

 ただ、二人が揺れているだけ。

 ──それだけで良かった。

 

「ふふっ」

 

「あははっ」

 

 段々と楽しくなってきたのか、二人だけの世界に入り込んでいく。

 俺のことなどもはや、見えていない。

 ホタルが、魔法のランタンのように空中を飛び交っている。

 

「これは……」

 

 隣に、ロイスの親父さんが立っていた。

 呆然としている。

 

「どうして、こんなことを……?」

 

「何ででしょうかね……見たくなっちゃったんですよ、あの二人が踊っているところを」

 

「……そうですか」

 

「いいものでしょう?」

 

「…………はい」

 

 意味は無い。

 本当にない。

 俺の我儘に付き合わせただけだ。

 

 だけど、俺はいつだってこうだ。

 やりたいことがあったらやる。

 後悔が無いようにしたいんだ。

 

 2回目の人生はつまらなかったな……なんて思いながら死にたくは無い。

 

「──本当に不思議な方だ」

 

「不思議なのは世界の方ですけどね」

 

「世界が?」

 

「はい」

 

「……そうかもしれませんね」

 

「でしょう」

 

 二人が踊り終えるまで、ポツポツと話をしていた。

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