【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「僕も……そういうことだと思ってました」
「!?」
三度見した。
俺が家に連れてきたのは、三船くんを食べる(意味深)ためだと思われていた。
これは酷い風評被害だ。
あまりにもひどくて、頬が引き攣った。
これがワールドギャップ……?
探索関連で身寄りのない子供の性被害に関してはニュースなりで聞いたことがあったが、まさか自分が当事者にされようとしていたとは。
全然そんな気は無いのに!
「……ごめんなさい、疑っちゃって」
「だ、大丈夫大丈夫! 俺も紛らわしかった!」
……紛らわしかったか?
「アキはさ、もう少し自分の行動を顧みたほうがいいよ」
「うぅん……」
そんな事を言われても、顧みたところで止めるわけもないし。
「……まぁ、顧みてたら今のアキはいないんだろうけどさ」
「うんうん」
「開き直るなっちゅーの! 三船くんだって怖かったでしょ?」
俺のおちんつけシャツを着ている三船くんは、ミツキの質問に小さく頷いた。
「……はい」
「ほらっ!」
えぇ?
でも…………えぇ?
俺、そんな風に振る舞ってねえよ……
ミツキ達みたいに性欲のままに襲ったりなんてこともしてないし……
「むしろ……顧みるべきなのはお前とアリサなのでは?」
「は、はぁ!? アレはノーカンだから! アキが誘ったんじゃん!」
すごい! 現実が捻じ曲げられた!
「とにかく! 手、出しちゃダメだからね!」
「待て、俺が誰彼構わず手を出してるみたいな風聞を流そうとするな」
「ばーかばーか!」
「…………」
取り敢えず誤解は解けた。
うん、ヨシとしよう。
「加賀美さんは……ミツキさんと、付き合ってないって話でしたよね?」
「そうだな」
「えと……本当ですか?」
「うん」
「……本当に?」
「本当だよ」
コアラみたいに俺の腕にしがみついている現状を見ると、その感想も尤もなものだ。
だけどコイツ、アリサに連絡しながら──
『取り敢えず、アリサちゃんと話すから! それまでは付き合うのは待って!』
とか宣いやがった。
俺が告白の返事待ちをしているみたいな空気だった。
アリサとどんな話をして、どんな約束をしたのか。
非常に気になるところではあるけど、それを聞くのは野暮だろう。
「僕……加賀美さんに聞きたいことがあります」
「──あぁ」
俺も話したいことがあった。
伝えたいことと言うべきか。
きっと、彼の質問の答えにもなるはずだ。
ミツキには寝室で待っているように言って、二人で向かい合う。
「まずは……改めて、ごめんなさい」
「俺こそ配慮が足りなかった、ごめんな」
誤解の件は流すことにした。
本題は少し違う話だ。
「なんで、僕のことをここまで気にかけるんですか?」
「…………」
「身体目当てでも無いなら……本当に分からなくて……」
「三船くん」
「はい」
「子どもが傷付くのは一般的に正しいと思うか?」
「……正しくないと思います」
「そうだな、理想論としても結論は変わらないだろう」
「…………」
「俺は好き勝手に生きることにしている。誰がなんと言おうと、俺の道を妨げる事はできない」
それは例えミツキだとしても、アリサだとしても、母さんだとしても。
俺の道に立ち塞がる事はできない。
「三船くん、俺は自分勝手なんだ。目の前で傷ついてるのを見たら可哀想だなって思うし、介入したくなる」
「…………」
「とにかく、やりたい事から俺は逃げないって決めてるんだよ」
みんなが見ているからとか、お金が足りないからとか、実力が敵わないからとか、そんなのはもう十分なんだ。
十分に、経験した事だ。
飽き飽きしてる。
「幸せにならなくちゃいけないって言ったな? だけど、今の君を見てもその未来に辿り着けるとは思えない」
「…………」
「自覚はあるよな? だって、襲われると思っていたのに呼び出しに答えたんだから」
「……返せるものは、それぐらいしかなくて」
「うん。実際、今の君が俺に対して差し出せるのは身体だけだ」
現実として、若くて顔の良い男の子が身体を差し出すとなったらどれだけの奴が手を挙げるのかは知らない。
だけど、手を挙げる奴はいる。
そしてそれは、俺では無い。
「だから──明後日、ダンジョンに行こう」
「っ…………」
「思うところは色々あるだろうけど……それが一番良いと思う」
「…………」
「今日は泊まって行っても良い」
「……はい」
最後まで、三船くんは俺の顔を見なかった。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない