【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】   作:goldMg

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75_人というよりも

 どっちかが俺とエッチなことをしたら、それを報告する……何ちゅう約束しとるんや! 

 

「ヒロさんが悪いんですよーだ」

 

「えぇ……」

 

「いつまでも相手にしてくれないから、こういうことしないといけなくなったんです!」

 

「…………」

 

 グゥの音も出ない──わけねえだろうが! 元々はアリサに手を出す気なんてなかったわ! 

 それがどうしてこうなった! 

 俺のせいだ! 

 ──いや待てよ!? まだ手は出してないぞ! 

 

「アリサ、落ち着こう。俺たちはそもそも付き合って──」

 

「これ」

 

 ズイッと、見せられたのは俺がプレゼントした指輪。

 

「この指輪をくれた時、決めたんです。この人のお嫁さんになろうって」

 

 は、話が早いですね……? 

 

「だけど……そ、それには変な意味は無かったんだけど……」

 

「──純粋に私を愛してくれてるんですよね?」

 

 キラキラとした眼差し──もはや、芝居がかっている──で、芯を突いた質問を投げかけてきた。

 

「私のことが大事で、大好きで、どうしても守りたいからこんな物をくれたんですよね?」

 

「うん」

 

「じゃあ、良くないですか?」

 

「…………」

 

「指輪までくれたのに、私のこと捨てるんですか?」

 

「いや、捨てないよ」

 

「ずっと一緒にいるけど、付き合ってはくれない──私のことは永遠にキープってこと?」

 

「っ!」

 

 言われて気付いた。

 確かに、そういうことになるかもしれない。

 それは確かに良くない。

 

「ヒロさんはそんな人じゃないっすよね?」

 

「…………はい」

 

「じゃあ、いいっすよね?」

 

 初めて、アリサのことを少しだけ怖いと思ったかもしれない。

 一瞬、口が大きく弧を描いているように見えた。

 

「ミツキさん、ヒロさん借りますね」

 

「……うん」

 

 ミツキはいつのまにか立ち直って、若干複雑そうな顔をしながらアリサのことを見ていた。

 そして、あいも変わらず俺の意思決定は必要ないらしい。

 

 ベッドの上に正座したアリサの前に、俺も同じように正座した。

 流石にシーツは変えてある。

 

「……じゃあ、するか?」

 

「っ…………は、はい」

 

 あれだけ威勢よく話していたにも関わらず、声をかけると縮こまってしまった。

 アリサの方から動きがあると思っただけに拍子抜けだ。

 

「……今日は最後まではしないけど、それで良い……よな?」

 

「っ……っ……!」

 

 一杯一杯な感じに無言で頷く姿を見ていると、ギャップで萌え〜って感じだ。

 

 …………嘘、本当はめちゃくちゃにしたいです。

 

 俺が転生していなかったら正直やばかった。

 勝ち気で元気いっぱいな元ヤン後輩女子が自分の部屋で、自分の目の前でしおらしい姿をしているというのは中々にクるものがある。

 

「手出して」

 

「……手?」

 

「そう、手」

 

「?」

 

 出された手のひらに、俺のを合わせる。

 

「ちっさ」

 

「……だって、女ですもん」

 

「うん、そうだな」

 

「ヒロさんのは、おっきいっすね」

 

「男だからな」

 

「…………おっきい」

 

 不思議そうに手の踵を揃え、そのサイズ比を確かめる。

 

「ちゃんと確かめたこと、無かったです」

 

「そうかもな」

 

「そうっす」

 

「……」

 

 ニギニギと、何度も確かめようと動くアリサの手をスルーし、手首を軽く掴んだ。

 

「…………!!」

 

「どうした?」

 

「な、ななななんでもないです」

 

 手を先へと上らせる。

 手首──腕──肘──二の腕──

 

「ひゃ……っ…………」

 

 首を撫で、頬に触れ、猫耳に届いた。

 当然、距離は近くなる。

 耳元で、忠告はした。

 

「言いたい事があるなら、今のうちだぞ」

 

「だ……だいじょ、ぶ……ですっ……!」

 

 毛が逆立っている。

 その毛並みに逆らわぬように、猫耳の裏側を下から上になぞった。

 

「──ぅぅぅっ」

 

 ブルブルッと背筋を振るわせた。

 尻尾ちゃんがフニャフニャと揺れている。

 座り方を胡座に直し、対面座位で抱きしめた。

 風邪でも引いているんじゃないかってくらいに熱く、ヒト耳も赤い。

 

「腕回して」

 

「…………」

 

 無言で、アリサの細い腕と脚が胴体に回された。

 すすすーっと、ちゃっかり自分も巻きつこうとした尻尾を捕まえ、根本から中程まで一度シゴく。

 

「ふぁぁぁああっ……!」

 

 アリサの腕に力がこもり、顔が右肩に強く押し当てられた。

 

「綺麗な毛並みだな」

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 

「…………」

 

 艶声を聞いて、イタズラ心が湧いた。

 猫は尻尾の付け根が弱点だとよく聞く。

 尻尾は握ったまま、空いた左手の人差し指を付け根に置いた。

 

「ひぅっ」

 

「ここ?」

 

「や、やぁぁ…………」

 

「じゃあ、トントンするぞ」

 

「────あっ」

 

 一つ確かな事。

 アリサは、ちゃんと猫だった。

 

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