【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
『うん……うん……気を付けてね?』
『ヒロさん! 帰ってきたらメチルバニーの丸焼きっすよ!』
2人に連絡を入れて、駅から歩き出す。
駅前は、多少発展しているが未開発の山も残っている。
地殻変動で山地開発がリセットされた影響だな。
「49セクターに来るの自体、はじめてだっけ?」
「はい」
「そうだよな」
マスダンジョンに用が無いのであれば、来る必要なんてない。
この街が好きな人には悪いけど、この街自体にはマジで何の興味も湧かない。
マスモンスターが大暴れしてるニュースだけはたまに流れる。
「あの山の向こうにあるんですよね?」
「そう、御影山な」
山自体は何もおかしい事はない。
しかし、あの向こうはマスダンジョンだ。
マスモンスターが暴れるととんでもなく増水して溢れるらしい。
実際に見た事はないけど、ニュースとかでは何度も見た。
近くのスーパーで食料を買っていくのが普通なので、三船くんと一緒に立ち寄る。
住民の視線的に「おっ、いつものかな?」と思われているのが分かる。
チョコバナナとか肉とか、各々の買いたいものを買うことにしたんだけど……三船くんが全てやっすいやつで済ませようとしていたのでさすがに止めた。
探索者は相応に良いもの食わないと身体が持たないのだ。
そもそもの話。
俺が半ば無理やりパーティーを組ませているのだから、ご飯ぐらい俺が払う──というか、必要なものについては俺が払う。
「じゃあ……お刺身とか?」
チラチラと、俺の機嫌を伺うように視線を寄越す。
買うっつってんだろ。
ただ──
「今日のご飯には良いかもしれないけど……腐るから一つだけな」
「そ、そうですよね」
じっくりと吟味した後、2割引のパックを手に取った。
普通の買いなよ……
そんなこんなで買い物を終えて、山の麓までたどり着く。
わざわざ山登りなんてしない。
ダンジョンの主眼ってそこじゃ無いし、古式ゆかしきロープウェイでショートカット。
「…………」
「そんな膝ばっか見てないで、外見ようぜ」
「……高いや」
無人のロープウェイ発着所を通り過ぎ、マスダンジョンの入り口に到着。
「依頼で参りました」
「受注書を見せてね〜」
「はい」
「OK〜」
あっさりと通った。
一般人が中に侵入するのを防ぐためでしかないしな。
「──ここがマスダンジョンの入り口」
マスダンジョンは、上からだと普通の釣り堀にしか見えない。どうやって侵入するのかといえば……
「本当にこれで大丈夫なんですよね?」
「大丈夫大丈夫、待ってりゃ良いから」
「んん…………」
不安そうに湖面を見つめる。
俺たちは今、小舟に乗って湖の中心辺りに浮かんでいた。
波も何も無い。
風すら無い。
釣り人もいない。
生物の気配の無い場所だ。
「こんな銛で、本当に倒せるんでしょうか」
「そのナイフよりも断然、倒せる可能性は大きい」
「そ、そうだよね……」
マスダンジョンに入る時は商工会から1人につき一本ずつ、銛が貸し出される。
これで突いてしまおうというわけだ。
「…………」
ソワソワと落ち着きなく辺りを見回すが、何も変わらない。
焦ってもしょうがない。
このダンジョンはこういうところだ。
ノンビリと待つのが正解。
「鳥すらいないんですね……」
「そりゃあ、食べられるやつがいなきゃ鳥だって寄らないよ」
「……たしかに?」
「ほら、お茶でも飲んで落ち着こうや」
「はい」
待つ事30分。
湖面が揺らぎ始めた。
今回は少し長かったな。
早いと数分で入れるんだけど。
「うわわ……」
「暴れて落ちたら二度と帰ってこられなくなるから、気をつけてな」
「は、はぃぃ……!」
揺れは大きくなり、バシャバシャと水面が大きく波打つようになった。
風はない。
生き物が下にいるわけでもない。
それにも関わらず、小舟を中心に揺れは続く。
「はぁぁぁん……」
「ふほっ」
そんなに情けない声を漏らされると笑ってしまう。
でも、最初ってこうだよな。
アリサもピーピー泣き喚いてたし。
ガタガタガタと揺れはさらに激しくなり、小舟が左右に揺れる。
「わわわわわわわっ!」
「そ゛ろ゛そ゛ろ゛く゛る゛z──」
「わぁ──」
──無人のボートが、静かな湖面に浮かんでいた。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
-
いる
-
いらない