【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「…………」
三船くんは静かにウナギを食べてる。
心情は、推し量るしかできない。
下手な言葉をかけるよりは待っているべきだ。
とはいえ、手持ち無沙汰に時間を潰すのも勿体無い。
ブリンクに備えて荷物を最小限にまとめておくことにした。
銛、リュック、ナイフ。
出した荷物は仕舞い、リュックをいつでも背負えるように近くに。
ナイフは胸元のホルスターに納めた。
やっぱナイフの利点は収納性の高さだな。
育つまでは攻撃力足りないけど、それだけだ。
銛は……焚き火のそばに置いておこう。
「ご馳走、さまでした」
「美味しかったか?」
「……はい、とっても」
「なら良かった」
腹を満たすのは正義だ。
悲しみも、怒りも、腹が減っては湧いてこない。
気力が満ちてこそ感情がある。
……つまりは、満腹の時こそ気を付けて見ないといけないってことだ。
「加賀美さん」
「うん?」
「モンスターは……あれ以降出てないですけど、どこにいるんですか?」
「うじゃうじゃいるだろうけど、奴らもバカじゃ無い。しばらくは寄ってこないさ」
雑魚っぱはともかくな、と海中を再び照らす。
「うわっ!」
そこには、大小様々なモンスターがいた。
──やっぱり大はいないかも。
「こいつらは成り掛けだな、匂いで寄ってきたんだろ」
「匂いって……ノーズイール!」
「そうそう」
「こんなにたくさん、どこにいたんだろう」
「岩場とか狭いところに隠れてんだろうな、普段はさ」
「浅瀬には何もいなかったのに?」
「お魚さんにも色々あるんだろ」
「でも……魚にしては脚も無いし、それにマーマンとかもいないんですね」
「あれは魚じゃねえ……」
「ええ?」
「なんでもねえやい」
お前らには立派なヒレがついてるだろうが。
地上に進出しようとすんな。
マーマン見た目がキモすぎてビビったわ。
「この魚たちは食べられるんですか?」
指差す先には、サンマやヤマメ、マグロなどがいる。
ちょっと様子がおかしいけど。
「フグ以外ならいけると思う」
「どれですか?」
「いないけど」
「……何で食べられないんですか?」
「毒持ちだから」
「えっ」
ミスって三船くん死なせたら洒落にならん。
捕まるし、嫌な気持ちになる。
テトロドトキシンとか耐性持って無いし。
「しょうがないですね」
「うん、おいしいけどな」
「毒食べたの!?」
ビュン! という風音を発生させながら振り返った。
「気を付けて調理すれば一応は」
「…………」
何と、ジト目を向けてきやがった。
鰻の美味さを思い知ったばかりのくせにバカにしやがって……
への字になっている口に指を突っ込みたくなったがそれはやめておいた。
俺は我慢できる男だ。
我慢できるので、岩に腰を落ち着けた。
先は長い。
ブリンクが来るタイミングは完全にランダムだ。
最短で30分だった。
あの時はギリギリだった。
ソロの辛いところだね。
自分がミスると全て自分に降りかかってくる。
誰かと一緒にいれば、1人がヘマをしてもリカバリーできる可能性が高い。
ミスに気づく奴が増えるし、増えた時の人員も増えるからな。
当然、そんな都合のいい話だけなわけもなく……ミスする奴が増えるだけの可能性もある。
結局、人財なんですよねえ。
その人次第。
人の活かし方次第。
俺次第。
幸いなことに、俺は致命的なミスを犯したことはない。
……少し語弊があるかもしれない。
元の世界の肉体だったら確定で致命の一撃をもらったことはあるけど、こっちだからセーフだった。
見た目には表れない変化。
より硬く、より速く、より力強く。
アリサの肉体に起こったのとは違う、緩やかな順応。
コウキさんは、それで良いと言っていた。
俺も同感だ。
「うわぁ〜、変なのが泳いでる〜」
「ん? …………ホタテだな」
「ほたて」
「これ、美味いぞ」
「…………」
妙な目で見るな。
「ミニマスモンスターは、あと何匹倒すんですか?」
「あとってなんだよ」
まだ1匹も倒してないのに。
「え? でも、さっきのノーズイール……」
「あれはノーズイールじゃん」
「…………ミニマスモンスターって、どんな見た目なんですか?」
「教えない」
「ええ!?」
人から聞くことに意味はない。
教授の本に書いてあることも、最終的には自分の身体で確かめなければタダの知識だ
自分で見て、聞いて、触って、体験して、切って、潰して、殺して、殺されそうになって、生き残る。
それが、探索者。
俺たちの仕事だ。
「な、何でですか?」
「それも秘密」
さて……ブリンクを待つか。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない