【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
引っ張られるまま、水中をふわりふわりと流されること数分。光が目に入った。
そこに進むのは、やっぱり行くべき場所が分かっていたのだろう。
──光目掛けて、ブレーキとか無しに突っ込んだ。
「うわぁっっ!」
水中ではない空間。
水とは違ったスカスカの低密度を感じる
最初のブリンクとは違って、本当に空中に放り出された。
数秒の浮遊感。
思ったより明るい空間だったようで、視界が白く染まって何も分からない。
ただ、何も見えない白の中で落ちていくのは自然と声が出るほどには怖すぎた。
「ひぃぃぃいい!」
「ほいっと」
「う゛っ……」
軽い掛け声と共に、身体が受け止められる。
来ると思っていたほどの衝撃は来なくて、慣れた目で状況を確認すると僕はお姫様抱っこをされているところだった。
見上げると、不敵に笑っている。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます……」
「水の中にいたからって、立てないわけじゃないな?」
「はい」
岩場だった。
だけど、さっきよりは広い。
それに明るい。
加賀美さんがライトを消したくらいだ。
光の源は、足元から突き出した綺麗な石。
金みたいな質感に見える。
触ると少しだけ暗くなり、指先が熱を持った気がした。
「それ、今はあんまり触らないほうがいいぞ」
「えっ!?」
「メタエレメントってやつだ」
「な、なんですかそれ」
「……あぁそっか、義務教育の範囲外だったな」
良かった……義務教育の敗北なんてなかったんや……と続けた。
よく分からない。
「メタエレメントってのは魔素を含みすぎて変質した物質の総称だよ」
「??」
「オリハルコンとかは魔素と一緒に現れた新元素だけど、メタエレメントはこの世界に元々あったやつが構造的に変化したやつだから括りが少し違うんだよ」
「????」
「オリハルコンはめっちゃ希少で、結合エネルギーが大体100MJぐらい。合金適性も高いもんで良い値段で売れるから、三船くんも見つけたら積極的に取っときな」
「??????」
「今触ったそいつは魔素をたっぷり含んでるから、火傷みたいな感じになっただろ。接触しなけりゃ問題ないけど、固体とか液体との反応がいいんだ」
「はい」
よく分からなかったけど、楽しそうだったのでとりあえず頷いておいた。
服にたっぷりと染み込んだ水。
裾を絞って落とす。
「僕……寝ちゃってましたよね」
「うん」
「ごめんなさい」
「疲れたら寝るのは当たり前だろ」
「…………ありがとうございます」
「気にすんなって」
僕がいきなり水の中で目を覚ました理由。
やっぱりブリンクのせいらしい。
ブリンクが起こると言うのは知っていたけど、水中にブリンク先があるなんてことは知らなかった。
ダンジョン内部の情報は自然と拡散されることはない。
基本的にはちゃんとお金を払わないと、必要な情報は手に入らない。個人的な伝手でもあれば話は変わるけど。
……僕たちが壊滅したのもそれが理由だ。
仕方ないけど、商工会が恨めしい。
──首を振った。
今、僕はダンジョンに来ているんだ。
こんなことを考えている暇があったら準備をしなくちゃ!
…………何をすればいいんだろう。
「──加賀美さん!」
「うおっ、なんだ」
「仕事をください!」
「今来てるだろ、仕事に」
「やる事をください!」
「………………」
渋い顔で髪をかいている。
やはり今の僕じゃ足手纏いなんだ。
でも、僕は成長しないといけない。
見てるだけじゃ、強くなれない。
「お願いします!」
「……やる気があるのは良いことか」
「!」
「それ」
銛を指差した。
「ミニマスモンスターが出てきたら、三船くんも投げてブッ刺してくれ」
「はい!」
ロープは数本ある。
銛のお尻の部分にフックを引っ掛けるだけでいいらしい。
「これでいいですか!?」
「うん、いい感じだな」
「はい!」
「じゃあ次はミニマスモンスターを誘き寄せるか」
「……休憩とかは大丈夫ですか?」
このダンジョンに入ってからどれくらい経ったのか分からないけど、一回も寝ていないのにモンスターと戦えるのだろうか。
「この先も続けていけば分かるけど、全然大丈夫だ」
「…………」
「まぁっ、そこらへんも追い追いだな」
レベルが上がると、底無しになるとか。
酒場に屯している探索者達が赤ら顔で言っているのを聞いたことはあるけど、本当なんだ。
「多分だけど、それはちょっと違う意味なんじゃねえかな……」
?
「なんでもないぞ、うん」
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない