【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
暖色の光。
最初は消しカスみたいな大きさだったのに、ぐんぐん大きくなっていく。
音の出所もあの方向で──アレが本当にミニマスモンスターなんだ。
「ふぅ〜……荷物はまとめてあるよな?」
「はい」
なぜか加賀美さんは服を脱いだ。
「後で説明はする、死んだらごめんな」
「…………はい」
固唾を飲んで見守った。
全容が見えるのにかかったのは1分ぐらい。
オレンジ色の光に照らし出されてなのか、水中にばら撒いた石が輝いていた。
その源である光を放つ存在が、目立たないはずもなく。
「──わ…………わ、わ、わ……!」
その巨大さが飲み込めなかった。
現れたミニマスモンスター。
その肉体は赤い燐光を纏っていた。
燃えているかのように。
炎がないのは水中だからか。
遠くてもわかる。
見えるところだけでも40mはあろうか。
顔の大きさも家を優に超える。
口を開いたらそれだけで人が丸ごと飲み込まれる大きさ。
「まだだ……まだ……」
「わわわわわわわ!!」
早いことなんてない。
アレがこの空間に衝突したら、それだけでペシャンコだ。
「は、はやく! はやくぅ!」
「ダメだ! この距離だと威力が足りねえ!」
顔は前に向けたまま何かを狙っている。
でも僕も、必死だった。
「何を狙ってるんですかあ!」
「一撃で決める! それしかない!」
「ええ!?」
意味不明。
アレを一撃でなんて。
「やるぞ! 投げるぞ!」
「はい! はい! 分かったから! 来てるから!」
「いいか! 魚の締め方ってのは! 大体一緒だ!」
「は、はやくぅぅぅ!」
「どデカい鱒でもいっしょだあああっっ!!」
「うわぁっ!」
大きく振りかぶった右腕を引きつけて、銛が放たれた。
放った後に加賀美さんの身体が何回転もするほどの、体重を遥かに超える膂力。
風が顔を叩いた。
空気を貫いて、水との境目を穿って、水を掻き分けて、突き進んでいく。
「あっ」
猛烈に進んだ銛は、進んできていたミニマスモンスターの目の辺りにぶつかった。
ズブンって肉の中に沈んで見えなくなった銛。
モンスターの身体がビクンと揺れると、動きが止まる。
光も少しだけ弱まった。
「やったか!?」
「ど、どうなんでしょう…………あれ、なんかまた光り出した──うわっ!?」
暗くなったかと思ったら一気に光が強くなっていく。
何が起こるのかと身構えていたら、加賀美さんに押し倒された。
──ま、まさかここで襲われるの!? このタイミングで!?
「耳塞げ!」
「へ!?」
「いいから!」
「は、はいっ!」
加賀美さんに頭を抱きしめられた。
わけもわからず耳を塞ぐ。
モンスターを見ようとして──視界が赤に染まった。
目を閉じても瞼を貫通してくるほどの光量。
「うわあああああ!」
「ぐぅぅぅっ……!」
熱い。
痛い。
苦しい。
頭が割れそう。
心臓が破裂しそう。
──今度は、体全体が揺さぶられるような衝撃がやってきた。
何度も、何度も、押し寄せる。
「あぐっ……ぐっ……!?」
空気が揺れる。
眩暈がして、視界が回る。
揺れが激しくなっていく。
平衡感覚が無くなって、立っているのか倒れているのかもわからなくなる。
「早く……早くしろ…………」
「うぅぅぅぅ!」
目を閉じているのに、視界が回る。
グニャグニャになっていくこの感覚に覚えがあって、はっきりと思い出そうとした瞬間。
エネルギーの奔流が綺麗さっぱり消え失せた。
「うぅ……………………う?」
熱も、痛みも、音も、光も、揺れも、全部無くなった。
代わりに聞こえてくるのは…………風の流れる音?
頭の中がハテナで埋め尽くされる。
「か、加賀美さん……もう、目を開けていいですか?」
「………………」
「加賀美さう゛っ」
筋肉でできた肉体が、全体重を僕の体に預けた。
ちょうど喋ろうとしていたから言葉に詰まって、変な風になってしまった。
これも何か意味があるのかな。
まだ危機が終わってないとか。
だけど、加賀美さんは何も言わない。
「…………かがみさん?」
「う…………」
「──はっ!?」
嫌な予感がした。
目を開けて、加賀美さんの下から出る。
完全に外だった。
元の小舟の上。
静かな湖に浮いている。
空は曇り気味の晴れで、少し暑い。
戻ってこれたらしい。
「うっ……こ、これ……!」
だけど喜ぶ暇もない。
加賀美さんの背中のが焼けている。
僕を庇ったせいだ。
「か、回復薬、を……」
「あ──は、はい!」
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない