【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
「そういえば、これがあったな」
アキがゴソゴソと何かを取り出そうとして、周りを見た。
全員に寄るように言って、取り出したのは──
「ませきだー……」
「昨日モグラを狩ってな、換金を忘れてた」
私は見慣れてるから何とも思わないけど、他の6人は見惚れていた。
「さ、触っても良い?」
「良いぞ、あんまり周りの人たちに見せないようにな」
恐る恐ると皆んなの手を渡っていく魔石。
あれ一つで、15万円とかだっけ?
本当に、モンスターがどれだけ危険かというのがわかる金額だ。
みんなもそれは分かっている。
これ一つを売り飛ばせば遊ぶ資金が増えるな、なんて考えているんだろう。
私だってみんなに内緒でバイトとかしたことあるから、お金を稼ぐのが大変なことくらいは分かってる。それに、お父さん達からダンジョンの怖さを聞かされて育った。
そこで手に入れたものは、全てが彼の功績だ。
それを、私にくれることがある。
なんでそんなものを渡してくるのか聞いたら、家事の代金だってさ。
信じられないでしょ?
そういう事してくるんだよね。
「こ、これをバッグの中に無造作に?」
「ええ? 丁寧に扱っても値段変わらないぞ。そもそも、お前らが持ってる携帯だって値段は同じくらいだろ」
「そうだけど、そうじゃなくない?」
盗られたらどうするのって事なんだろう。
でも、探索者から強奪なんて、探索者じゃないと無理だからアキは心配もしてないよ。
そもそも探索者は他人の魔石なんて興味無い。
それでも、高価なものを見せびらかすのは良く無いとアキも分かっている。
だから普段は外に出さない。
気を遣ってくれたのだろう。
せっかく来たのだから、面白いものを見せようと。
あのアキが、ダンジョンの事で『忘れる』なんてあり得ない。
「そんなに見ても、このままじゃあ特別な何かは無いぞ」
魔石は皆んなの手を渡り、各々が興味津々に見つめていた。
そんな姿を面白そうに眺めていたアキは、それがただの換金物に過ぎないと告げた。
「ダンジョン、か……」
ポツリとつぶやいた成川君。
アキはニヤッと口元を歪ませた。
「興味出てきたか?」
「い、いや…………そうかも」
「行きたくなったら言ってくれよ、いつでも歓迎だ」
二次会はカラオケ。
アキは、何を歌うかと笑っていた。
……アキって歌に詳しかったっけ?
わざわざコインロッカーに寄って持ってきたのはギター。
いつもは預けているらしい。
何のつもりかと思っていたら、カラオケで歌い出したのは聞いたことも無い曲。
随分としっかり作られた歌だった。
元気が出てくるような、勇気をもらえるような歌。
アニソンだってさ。
私たちの知らない曲を聴いているんだろうと思って調べても、彼が言ったような曲は無い。
……というか、ギター弾けたんだ。
一度も見たことなかったな。
「あー気持ちよかった!」
「ギター弾けたの、初めて知ったんだけど?」
「昔は家で、探索者になってからはダンジョンで弾いてた」
「何でそんなこと……」
「洞窟だから音が反響して良い感じに聞こえるんだ」
「教えてくれても良くない?」
「そうだな、ごめん」
「……はぁ」
「チラチラッ」
「……広瀬さんも弾くか?」
風香が触りたそうに見ているのに気付いて、ギターを差し出した。
「触っていーの?」
「良いよ、思い入れがあるものじゃない。安物だ」
「ありがとー」
ポロンポロンと触って、さっきアキがしていたみたいに弾こうとしたけど、当然出来るわけがない。
楽器を弾くには、体系化された符号を覚えなければならない。
初見の人間ができるようなものじゃない。
「ほえー……難しいねー」
ポワポワとそんな事を言う風香を見て、アキはまた目を光らせた。
「やりたいなら教えるぞ」
「……うん、ちょっとやりたいかもー」
「なら、今度またカラオケでやるか」
「やったー」
……ちょっと待って?
「2人でやるつもり?」
「そうだけど」
「……私も行く」
「あの……私もいきなり2人だと難しいかもですー」
「分かった」
ギターかぁ……ピアノなら私も出来るんだけど。
……あ。
「ごめんねみんな、除け者にしてたわけじゃ……」
「ああ良いの良いの、何となく分かったから」
「え? なにが?」
「まあまあ」
「うんうん」
なんなんだろう。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない