【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
ダンジョンと化した街。
だが、すぐに変化に気付けるわけではない。
最初のうちはいつもと同じような毎日を過ごす。
朝起きて、畑を耕す人。
家畜の世話をする人。
記憶や、なんとか持ち出した書籍を頼りに過去の再現を行おうとする人。
何も変わらない。
知らないのだから。
その日常がやがて変わっていった。
イヤに大きな虫を見かけるようになり、雨がドス黒い色になった。
聞いたことのない唸り声が聞こえてくる。
昨日までは確かに街にいた人がいなくなっていく。
決定的に気付かせたのは、やはり、人間様が頑張って作り出した農産・畜産だった。
大した収穫量も無く、味も良く無いのに育てていた農作物。収穫したそれを咀嚼し、飲み込んだ人間はーー内側から臓腑ごと爆裂した。
厩舎の猪が見た目そのまま二足歩行に変じ、お世話をしてくれていた飼育員を貪り食った。
悲惨という言葉では言い表せないほどの惨劇が、文明を必死に再興させていた人類を襲った。
それまでにもダンジョンやモンスターの存在自体は認知されていた。
かつての世界には無かった不可思議なモノ。
異質で、異常を引き起こす。生物学的な分類からは明らかに外れた異常な存在たち。
ダンジョンの中には魑魅魍魎が巣喰い、入ったら二度とは出てこられない。まさに地下牢の如き別世界。
だが、発生条件などは絞られていなかった。
世界がおかしくなったから発生したのだろう程度のものだ。
そもそも、詳しく研究できるほどに余裕もなかった。たかだか10年では、そこまで人類の手は行き届かなかったのだ。
かつての繁栄を取り戻すことしか頭になかったと言っても良い。
同時期、まだ第一期の世界の人間も多くいた。
そして第二期には、彼らが享受していたものは何一つなかったのだ。その環境に慣れたとしても、過去の栄華を取り戻したいと願うことは至極真っ当な感性と言える。
未知への対処は後回しだった。
ダンジョンへの変化が多発したのは、第二期の初期から存在した街だった。
自然と人々は考えた。
この街を捨てよう。
彼らは資材をかき集めて、新興されたばかりの村へと殺到した。
そして一夜にしてーー
身の丈を超える巨大な虫。
昨日はペットが寝ていた場所にいるグリフィン。
雷を迸らせながら突っ込んでくる野犬の群れ。
恐ろしいことだ。
そんなことが、彼女の故郷で起きたという。
「よく無事だったな」
街がダンジョンになるということは、近年はほぼ見られない。
商工会の管理が厳密に行き届いている事もあるが、それ以上に、まだ当時の恐怖を覚えている者が多いからだろう。教訓が経験と直結しているときは人間は気をつけるものだ。
もちろん、気を付けてもなるものはなるが。
「あ、もちろん私は直接は経験してないですよー」
「あれっ、そうなんだ?」
「経験してたら、ここにはいないと思います」
「…………」
ダンジョンに飲み込まれた街に取り残された手紙を取り戻す方法。
回収任務の依頼しかない。
「依頼は……出してるんですけどねー」
顔を見るに、結果は芳しく無いらしい。
回収任務の特徴は報酬が低い事だ。基本的には個人が依頼を出すことが多い為、他の任務と比べると慎ましい報酬しか得られない。
狙って受けようと思うようなモノではない。
「推奨探索レベル60なんです」
「60か……」
俺も未だ遠い領域。
レベル差が20以上ともなれば技量なんて関係無い、単純なスペックで押し潰されておしまいだ。しかも、レベル60というのは第二級探索者の最上位。一歩踏み込めば第一級だ。
つまり、今の俺には絶対に無理ってこと。
そもそも彼女は、そこまで金銭的に余裕があるわけでもないだろう。
一級探索者を名指しで依頼するとなったら最低でも3桁は余裕で飛んでいく。
受注する探索者以外の条件を依頼主が全部指定できるフリーで依頼して、塩漬けになってそうだな。
「……いつか、ひいおばあちゃんがこれを私に残した意味を知ることができたら、鏡餅を作ってみたいんです」
「餅を作る時は俺も呼んで欲しいな」
「じゃあ、手伝ってくださいねー?」
餅米どこにあんだよ、とか野暮なことは言ってはいけない。
「あんこは俺が持ってくぜ」
「?」
「あんこ」
「なんですか?」
あんこ!( *`ω´)
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない