【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
ふん、あんこ餅すら知らんとは……所詮は大学生か。
餅のもの字も知らん素人にあんこ餅の素晴らしさをレクチャーしてやった。
何がお餅サークルじゃい。
それなら俺は存在そのものが焼き肉サークルだっちゅーの。
「うーん」
「どしたん」
話、聞こかー? ^^
本当に聞くだけならいいぞ。
「加賀美くん、サークルに入りません?」
「入らない」
「ですよねー……」
「ごめんな?俺にはもう、心に決めた子がいるから」
「ミツキちゃん?」
「なんでやねん」
話の流れ的に人間にはならないだろ。
「焼き肉な」
「おー! なるほどー!」
「うーん……」
このマイペースさ。
年の功では得られない天性の才能だな。
「でもでも、焼き肉が大好きでもお餅サークルに入っちゃいけないなんて決まりはないのでーす!」
「それは、うん」
「色々調べてる私よりも詳しいんだから、加賀美くんもお餅が大好きなんですよね?」
「…………ま、まぁ、そう、かも、です、ね」
「ん〜?なんで敬語ー?」
「少なくとも、嫌いじゃないぞ」
「色々な食べ方? とかも知ってるんですよね?」
「……ははっ、食べ方なんて勝手に編み出せばいいだろ」
好きに食えばいい。
「毎日じゃ無くても……来てくれると嬉しいなーって」
「…………」
「だめ?」
可愛い子にこういう風に言われると、なんとも悩ましい。実にあざといな。
ミツキの友達って事もあるから、無下に扱うのも憚られる。知らんやつがいきなり勧誘してきたとかだったら、無言でスルーできるんだが。
「具体的に、何やってんの?」
「!」
俺はてっきり、毎週餅を突いて食ってるもんだと思ってたから、来てみたら拍子抜けした。
参加するにせよしないにせよ、実際に何をしているのかは気になるところだ。
一体何をもってサークルの体をなしているのか。
そんなわけで内実を聞いてみたら、途端に忙しなく動き出した。大学生らしくプレゼンでもしてくれるのだろうか。それとも実演だろうか。
ワクワクしてきたな。
ソファーを陣取って待つと、マル秘と書かれたファイルを持ってきた。
途端に安っぽくなったわね。
「これだー!」
隣を確保すると、中から資料を取り出した。手書きで色々と書いてある。お餅とはなんなのか、みたいな。
お婆ちゃんの残した鏡餅の模型から推測したようだ。
書かれている文字は、共通した筆跡で構成されているように見える。
きっと、広瀬さんの手書きだろう。
……いやいや。
「私たちは、お餅がなんなのかという定義付けから行っていました!」
「……」
「やっぱり、食べ物だったんですねー」
「うん……?」
「謎が一つ解けました!」
「…………」
そもそも、上にみかんが乗っかってるんだから食べ物に決まってんだろ。
何を調べてたんだよ。
…………何を、調べてたんだ?
「──え?」
広瀬さんは、キョトンとした表情を浮かべた。
「本とか調べなかったのか?」
「本? お餅の本って、なに?」
「何って……料理とか」
「料理の本? お餅って料理の本に載ってるの?」
「っ……」
てっきり、餅という存在そのものは知っていると思っていた。
思っていたというか、鏡餅を知ってるんだからその大元である餅を知らないのはおかしい。
鏡餅から餅ができるわけじゃ無くて、餅を集めたものが鏡餅。
そもそも餅なんて、知るとか知らないとかそういう次元で語るような高尚なもんじゃない。
だけど、色々おかしい。
「そういえば加賀美くん、すごーく詳しいですけど……お餅のことをどこで調べたんですかー?」
「……まあ、ツテが色々な」
「すごーい! いつも通ってる研究室の先生とかですか?」
「そんな感じ」
気持ちの悪い感覚。細い蛇が脳みそを這いずり回っているようだった。
あの時と同じく。
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない