【マンガ化】焼肉スコスコスコティッシュフォールド【進行中】 作:goldMg
お伽話。
それはこの世界にも存在する。
残念ながら第一期の御伽噺は全部、一文字も残らずこの世から消え去った。グリム童話も、アンデルセン童話も、日本昔ばなしも、現代のお伽噺とも言えた漫画の数々も。
何があるのか。
新しいお伽話だ。
由来は知らない。この世界発祥のものに対する一般的な知識は、俺はこの世界の人間よりも劣っているからな。
ただ、由来を知らないからと言って中身まで知らないわけじゃない。俺も子供の時は良く読み聞かせられた。
俺の反応が薄かったからか、良く反応する茜の顔を見て母さんは喜んでいたな。おもんない息子で誠に申し訳ないと重っている。
そんなお伽話の中に、アルコバレノの怪物というのがあった。
確か、こんな感じだったな。
とある村に少年がいた。朝は水を汲み、昼は畑を耕し、夜は炉の明かりで勉強をする。真面目な性格の良い子だった。
唯一、母親が作ってくれたおもちゃだけは大事にしている。
母親は少年に学校に行くように言っていた。だけど、少年は気にせず家のことをする。
雨の日、2人は喧嘩になった。
少年は家を飛び出し、雨の中を走り続ける。ざあざあ降りで、川は今にも氾濫しそう。
山も崩れ始た。
周囲の状況を気にせず走り続けた少年は、やがて太陽に追いついた。気付くと雨上がりの夕方、虹が空に掛かっていた。
少年は手に握ったおもちゃを捨てて、虹へ触れた。すると、虹から現れた怪物が少年の心を抜き去りどこかへと歩いて行った。
少年は、二度と家に帰ることはなかった。
話はこれでおしまい。
雨の日に外を出歩くな、的な話だと思っている。
田んぼ見てくるわ!
川見てくるわ!
船見てくるわ!
みたいな、過去の教訓を元に作られた逸話。
そして、虹から現れた怪物という共通点があるのがアルコバレノの怪物だ。お伽話と直接の関係があるのかは分からないけど、とにかくそういう関連性がある。
「あー……懐かしいですね」
「アリサも聞いたことあるんだ」
「はい、子供の頃に」
「信じてた?」
「えー?」
どうだったかなーなんて誤魔化すアリサとは対照的に、お父様はニマニマと笑っていた。
「どうだったんです?」
「うん、信じて泣いてたよ」
「はっはっは!そうですか!」
料亭。
関根家と一緒に食事に来ていた。
こういうのは新鮮だ。
だけど、加賀美家1人に対して関根家3人は若干気まずい。茜も連れて来させようかと思ったけど、茜も気まずいというのでやめておいた。
確かに、中途半端に歳だけ近い2人を集めたら気まずいの二乗でとんでもないことになりそうだ。
同じ理由で2人も辞退した。
まあ仕方ねえ、俺の個人的な付き合いだしな。
「ヒロさん、何でいきなりアルコバレノの怪物の話なんかするんすか?」
「酒場でいきなり方目さんがその話してきたから」
「ふーん……2人きりだったんすか?」
「いや、1人」
「ええ……」
「考え事してたらいきなり話しかけてきたんだよ」
あの意味のわからない行動を3人に説明した。
「そもそもなんで1人で酒場で考え事してるの……」
「先生、私、商工会の酒場って行ったことないんだけど………どんな場所なのかしら」
お母様はどうやら、怪物云々よりも商工会そのものが気になったらしい。そこら辺の話はアリサからしたことないのだろうか。
「アリサはあんまり外での話をしないからね」
「思春期なのよねえ」
「………」
アリサは、唇を尖らせて俯いていた。
親の言うことに反論したいけど、そうやって反目すること自体が子供じみていると感じているのかもしれない。
「お待たせいたしました」
運ばれてきたのは魚料理。
店の名前が魚一徹だったし、だいたい予想はできてた。
………んー!脚が生えてるぅ!
「全員分揃ってるし、話ばっかりしてても何だからね、食べようか」
お父様が脚ごといったー!
「んー!これ味付けがいいね!……あ、ほら先生も食べて食べて!」
「は、はい」
「あれ、意外とこういうところ慣れてない?」
「はは……」
んなわけねえだろうが!
魚にビビっとるんだわこっち!
スーパーでも、気持ち悪くて若干避けてるところあるしな!?
ミツキとかは俺のことよく分かってるからあんまりそういうの買って来ないけど、お父様はそうでもないしな!?
脚を食べたことがないわけじゃないし、まずいとは思ってない。
だけど、虫を食べたことがあるからと言って積極的に食いたいわけじゃないのと一緒だ。
「ヒロさん」
「はへ?」
「あーん」
「………あ、あーん」
おさかな、おいしいなあ!
登場したキャラクター等の名簿的なものは必要か否か
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いる
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いらない